ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「逢いたくて逢いたくて」園まり(昭和41年)

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流行時期(いつ流行った?)

  園まりさんの「逢いたくて逢いたくて」は、昭和41年(1966年)にヒットしました。 前年の紅白歌合戦でこの作品を歌唱されていますので、もしかしたら、紅白をきっかけにヒットをしたのかも知れません。

 『ミュージックマンスリー』のランキングによると、2、3月に最も流行したようです。

 

集計日付 順位
昭和41年1月 5位
昭和41年2月 2位
昭和41年3月 2位
昭和41年4月 7位
昭和41年5月 12位
昭和41年6月 17位

※『ミュージックマンスリー』歌謡曲部門のランキング推移

 

ブームになったと語られるヒット曲

 園まりさんは、「何も云わないで」(昭和39年)がヒットしています。そのため、昭和41年当時には、すでに多くの人に知られていた流行歌手だったと思われます。

 B面曲に植木等さんと一緒に歌っている「あんたなんか」が吹き込まれていますので、テレビ出演をして人気が高かったのかも知れません。

 

 「逢いたくて逢いたくて」は、後世、“大変流行った”という表現で語られています。書籍名は覚えていませんが、何冊かの本でそのように表現している記述がありました。

 当時を知っている人たちに、そのような印象を受けるほどインパクトがあった作品だった事は間違いなさそうです。

 

 『ミュージックマンスリー』でも半年間もランクインしていますので、かなり流行したと考えられます。

  レコードには渡辺音楽出版製作と印刷されていますので、ナベプロさんが園まりさんを売り出そうとしていたのかも知れません。

 

独特の歌唱 

 園まりさんの歌唱には、他の歌手が備えていない個性を感じます。

 

 歌声というと声の質があります。例えば、透き通っていたり、濁っていたり、曇っていたりという印象だけでなく、高さ低さや、太さ細さも歌手の個性と感じる要素です。

 

 しかし、園まりさんの歌唱はそういった声の質というよりも、歌い方が独特であると感じます。

 

 園まり節と形容されていますが、確かに独特さを感じます。女性歌手の作品は様々ありますが、“恥ずかしながらも、自分の想いを伝えようとする歌い方”、といった感じでしょうか。

 

 「逢いたくて逢いたくて」がヒットする前に活躍されていた、弘田三枝子さんや青山ミチさんのようなパンチの効いた歌声では表現できない世界観です。

 

 この作品がヒットするまで、園まりさんはカヴァーポップスを歌われていました。そのため、若者向けの歌手として活躍されていたと思われますが、「逢いたくて逢いたくて」を発表した時点で、大人の世代の支持を集めた事がヒットのきっかけになったと考えられます。

 

 園まりさんの歌唱法は、説明が難しいです。同年に支持されたB面ヒットの「何でもないわ」が、最も世界観を描いていると感じます。

 

 歌唱が印象に残る女性歌手というと、東芝の奥村チヨさんがおられます。「ごめんねジロー…」がヒットしましたが、昭和41年では、園まりさんが多くの人気を集められました。

 奥村チヨさんが歌謡曲で支持を集められるのは、数年後の昭和44年になります。

 

 

 昭和43年に始まったオリコンチャートには、伊東ゆかりさんや小川知子さんといった歌手が歌謡曲を歌って人気を得た記録が残っていますが、きっかけは園まりさんの人気があったのではないか?と感じます。

 

作品の内容 

 「逢いたくて逢いたくて」は、いつの時代に生きる人でも共通する心情が歌われています。 

 好意を寄せていた人に素直な気持ちを伝える事が出来なくて、もう会えなくなってしまった人物が主人公です。別れてしまう事になってしまいましたが、今でも会いたい、もし会えたら、と願う心情が歌われています。

 

 “会いたい”という言葉は、流行歌のタイトルでも歌詞でも時代を超えて登場しています。その気持ちを強調するためか、“逢いたくて”を2度繰り返すタイトルとなっています。

 

  バンドプロデューサーの分析では、「逢いたくて逢いたくて」はハ長調(Cメジャー)です。

 

曲情報

 発売元:日本グラモフォン株式会社

     渡辺音楽出版製作

 品番:SDR-1163

 A面

  「逢いたくて逢いたくて」

  演奏時間:3分43秒

  作詞:岩谷 時子

  作曲:宮川 泰

  編曲:森岡 賢一郎

  歌:園まり

 

 B面

  「あんたなんか」

  演奏時間:2分40秒

  作詞:安井 かずみ

  作曲:宮川 泰

  編曲:宮川 泰

  歌:園まり、植木等

 

参考資料

 「逢いたくて逢いたくて」レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 「バンドプロデューサー」