日本食と言えばラーメンの時代?
Maria Becerraさん、Paulo Londraさんの「RAMEN PARA DOS」は2025年に公開されました。
サムネの日本語『ラーメン二人(ラーメン二人分)』が気になりますが「RAMEN PARA DOS」はスペイン語で、Google翻訳では「二人のためのラーメン」というニュアンスになるようです。
確かにOfficial Videoでは遠く離れた二人が共通して口にするのはインスタントラーメンです。
大阪で過ごす彼女、自国で帰りを待つ彼氏?がお互いに「今頃どうしているんだろう?インスタントラーメンでも食べているのかなぁ・・・」と心を通わせているような描写を感じる事ができます。
日本人の私にとって驚きです。ラーメンは中国の食文化と思っていますが、海外の方々にとってインスタントラーメンは日本食なんですね(容器が円柱の形状からおそらくは日清のカップヌードル・・・改めて日清食品さん恐るべしです。)
ネコも気になります。おそらく海外の言葉には存在しなかったから広まったであろうKAWAII(可愛い)で表現される感情も正確に浸透している事を感じれます。
注)Maria Becerra 公式アーティストチャンネルの動画
ラーメンが日本と世界の距離を縮めてくれている!
最近「アニメ発でJ-POPが世界で人気」という価値観の記事を見かけます。
「RAMEN PARA DOS」にもセーラームーンを連想させるポスターが登場して、日本=アニメが浸透していると思います。
でも「RAMEN PARA DOS」がヒットしている事を知ると、日本の歌が世界に広まるきっかけはアニメでなくても良いかも知れない・・・と思います。
【音楽を伝える手段に食文化はあり得ない】かも知れませんが、アニメより効果的かも?と思ってしまいます。
根拠は、未だに語り継がれる坂本九さんの「上を向いて歩こう」(1961年)が「スキヤキ」というタイトルで発信されて世界的なヒット曲になった経緯です。
【もしタイトルが「スキヤキ」でなくても、海外の方々は興味を持ってくれただろうか?】の疑問を個人的に持っています。
逆の立場で考えると分かりやすいかも知れません。
知らない国のヒット曲が日本で紹介されたとして、その国のイメージを連想できなければ受け入れる心の器は小さくなると思います。
日本語みたいに聞こえる空耳で話題になったルーマニアの「恋のマイアヒ」(2005年)のように、情報の少ない国の作品には【どのような理由でもいいから距離の近さを感じる要素】が無ければスルーされるのだろうと思います。
日本=ラーメンを感じる作品がもう1曲あります。
2021年に公開されたBad Bunnyさんの「Yonaguni」です。
こちらもタイトルが与那国で、日本を訪れた主人公が描かれています。
空手やゲーム・アニメ、ポケモンなど登場しますが、動画はラーメン店から始まっています。
注)Bad Bunny 公式アーティストチャンネルの動画
Bad Bunnyさんはプエルトリコ、Maria Becerraさんはアルゼンチンのアーティストです。
もしかしたら南米の方々にとって「今の日本は面白い国」と異国情緒の対象になっているのかも知れません。
「飛んでイスタンブール」(1978年)のような感覚で、想像で異国に想いを巡らせる心理と似た現象と思います。
実際の日本ではなく想像で描かれる日本は面白いです。
海外の情報の少ない昔では、日本を中国文化で想像する傾向が強かったと思いますが令和の日本は個性が世界に伝わっていると感じます。
「RAMEN PARA DOS」は【日本と言えばラーメン】で描かれている事が、日本人の私にとっては予想外すぎて面白い作品です。
ラーメンでこんなにいい感じの曲が作れるなんて・・・と思いました。
逆に日本でもラーメンをテーマにしたヒット曲が登場すれば、スキヤキを超えられるかも・・・と感じてしまいました。