ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。2025年は昭和100年。

戦後復興は石炭の増産から「炭坑節」日本橋きみ栄(昭和23年発売)

傾斜生産方式からヒット曲に? 「月が出た出た」で有名な福岡県民謡「炭坑節」は1948年にレコードが発売されました。 明治に誕生したであろう「炭坑節」が昭和の戦後復興期に人気を集めた事は興味深いです。 ・・・「炭坑節」が支持される背景があったよう…

軍隊のつらさを嘆く俗謡軍歌「雪の進軍」(明治28年出版)

軍歌ではなく【俗謡軍歌】 「雪の進軍」(明治28年発表)は日清戦争の頃に製作されました。 明治28年(1895年)に出版された『大東軍歌 : 雪月花 花』(大東軍歌 : 雪月花 花 - 国立国会図書館デジタルコレクション)に掲載されています。 そして【…

「APT.」ROSÉ & Bruno Mars(令和6年)

現在ヒット中 10/18に配信開始されたROSÉ & Bruno Marsさんの「APT.」(2024年)は現在ヒット中です。 初めて聴いたとき、洋楽では耳にしない日本語発音のような「アーパツアパツ」を連呼する歌唱が気になりました。 年末に訪れる「今年一年お疲れ様!…

粋な通人のユーモアから誕生?字余り都々逸「間違えば節」(明治20年、21年頃)

誰でも分かる"間違い"を歌う 「間違えば節」は明治20年、21年頃(1887年、1888年頃)に流行したようです。 様々な言葉をさかさまに入れ替えただけの歌詞です。 ♪間違えば 間違うものだよ ♪稲妻ごろごろ 雷ぴかぴか ♪蚊帳よかかつれ ヘソ立て線香…

大正に大流行した明治の俗曲「新まっくろけ節」(大正3年頃)

流行歌に記録された桜島の大正大噴火 「新まっくろけ節」は大正3年頃(1914年頃)に流行しました。 主題が「何かが真っ黒けになる事」という珍しい歌詞です。 JASRACでは添田唖蝉坊さん、後藤紫雲さんが作詞・作曲された事になっていますが、100年以…

昭和25年(1950年)のヒット曲ランキング(レコード会社発表)

オリコン以前のレコード売上集計 1950年代以前は定期的にレコード売上を集計した記録がほぼ見当たりません。 レコードが書籍や映画と肩を並べるほどの存在では無かった事を感じます。 この年代では【実際の売上枚数ではなく、レコード会社各社が生産した…

「燦めく星座」灰田勝彦(昭和15年発売、昭和21年再発売)

戦争の非常時に支持されたB面ヒット曲 灰田勝彦さんの「燦めく星座(きらめくせいざ)」は昭和15年(1940年)1月1日に発売されました。 A面が「青春グラウンド」、B面が「燦めく星座」です。 同年に公開された正月興行の映画『秀子の応援団長』の…

戦前のレコード売上枚数?【続き】

戦前のレコード売上枚数とは 以前に戦前のレコード売上枚数に関する記事を掲載しました。今回はその続報です。 www.hitchartjapan.work 国会図書館デジタルコレクションで上記の記事に関連する書籍を見かけました。 『流行歌と世相 : 事変下に於ける歌謡の使…

メロディ不明の「おやまかちゃんりん」(明治10年、11年頃)

「おやまかちゃんりん」って何? 明治時代の流行歌には【歌詞だけが残り、どういうメロディで歌われていたのか分からない作品】がたくさんあります。 明治10年、11年頃に流行した「おやまかちゃんりん」もその1曲です。 ♪おやまかちゃんりん 蕎麦屋の風…

「陽気節」(明治5年頃、明治38年・39年[再流行])

"世の中陽気に行きましょう" 明治5年も前年に行われた断髪令や廃藩置県につづいて、世の中の変化を目の当たりにする時代だったと思われます。 この年に横浜-品川間で鉄道開通、新紙幣の発行、太陰暦の廃止が行われました。 「明治6年から太陽暦に合わせま…

近代化をお題にした大津絵節「開化大津絵節」(明治5年)

「大津絵節」は歌詞が長め 江戸時代に誕生した「大津絵節」は詞によってメロディが違うみたいです。 七七七五調の「都々逸」も歌い方は人それぞれみたいなので、どちらも曲名ではなく【ひとつの音楽ジャンル】と解釈しています。 どちらにもたくさんの替歌が…

「ズンベラ節」(幕末より明治中葉にかけて)

記憶に残りやすい単純なメロディ "権兵衛が種まきゃカラスがほじくる"というフレーズは割と有名と思いますが、世間に広めたきっかけであろう「ズンベラ節」は流行時期が明確ではありません。 おそらく【特定の時期に大流行しなかった事】が理由に考えられま…

明治時代の流行歌一覧

「いつ流行った?」は誰も分からない 明治時代の流行歌は時期を特定するのは難しいようで書籍によって異なります。 全国的に流行しても各地域に伝わる時間差が生じますが、【資料が少ない事】が最大の原因です。 瓦版や歌本(唄本)は雑誌のような消耗品で大…

明治時代に誕生した「お江戸日本橋」(明治4、5年~)

「こちゃえ節」から「お江戸日本橋」へ 「お江戸日本橋」は明治4、5年から流行し初めました。最初は「こちゃえ節」が流行していたのが、いつしか「東海道こちゃえ節」というタイトルで人気となり歌詞も現在の形に変化したようです。 現代でも有名な端唄で…

歌詞を変え支持され続けたメロディ「よさこい節」(明治3年~)

流行歌になった民謡 「よさこい節」は有名な高知県民謡です。すでに明治時代には民謡の枠を超えて全国的に知れ渡っていたようです。 「よさこい節」が最初に全国的な流行をしたのは安政の戊午(1858年)夏のようです。 『近世文芸叢書 第11』(明治45…