ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。戦前戦中をけんきゅうちゅう。

「北の恋唄」殿さまキングス(昭和48年)

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流行時期(いつ流行った?)

 殿さまキングスさんのデビュー曲「北の恋唄」は、昭和48年(1973年)にヒットしました。

 

 ランクインしているのは1ヶ月のみで順位も低いため、それほどヒットしていないと思われます。


 3月末に発売されたレコードは、6月に最高順位となっています。


<『レコードマンスリー』歌謡曲・月間ランキング推移>

年月 順位
昭和48年06月 28位

 

 

 


www.youtube.com

注)殿さまキングス - トピックの動画

 

 

ぴんからトリオ旋風の頃

 殿さまキングスさんは、宮史郎とぴんからトリオさんのライバルという印象があります。

 

 「北の恋唄」がヒットした1973年6月は、「女のみち」「女のねがい」「女のゆめ」がランクインしており、ぴんからトリオがブームになっていた時期と考えられます。

 

 

「なみだの操」以前の作品

 ”北の”と言いながら、土地を連想させる固有名詞(地名など)が登場しない歌詞は面白いです。

 

 「北じゃなくてもいいのではないか?」と思ってしまいますが、「北の恋唄」が小ヒットした事で、次作に「北の宿」というタイトルの作品を発売されています。

 

 しかし「もう"北の〇〇"はだめだ!」となったようで、次作に「なみだの操」が発売される事になります。

 

 「なみだの操」は殿さまキングスさんの代表作として語り継がれています。しかし、すでに殿さまキングスさんにヒットの兆しが存在していた事が興味深いです。

 

 「もし"北の〇〇"を続けていたらどうなっていたのだろう?」と思うと不思議です。

 

 「北の恋唄」、「なみだの操」を作詞された千家和也さんの見切りの潔さを感じます。

 

 

ボーカルが印象に残る曲

 「北の恋唄」を聴いて印象に残るのは、歌詞でもメロディでも無く、ボーカル宮路オサムさんの歌声です。

 

 声楽の知識はありませんが、当時人気の流行歌手である森進一さんや五木ひろしさんに匹敵する個性を感じます。

 

 "モノマネされやすい歌手"と表現すれば伝わりやすいでしょうか。

 

 

 1960年代に、北島三郎さんや畠山みどりさん、都はるみさんによって確立された演歌に近い歌唱法と感じますが、やはりコミックバンド出身の方なので、基礎が異なると感じます。

 

 真面目に演歌の歌唱法を模倣しながらも、自分が発生できる音域のあいだで自由に歌っているようで、ユーモアも感じる歌唱です。

 

 それが理由なのか、宮路オサムさんの歌声はなぜか聴きたくなりますw

 

 カラオケで歌いたくなる歌唱、今で言う歌ってみた動画を投稿したくなる要素を備えた流行歌手と感じます。

 

 

曲情報

 発売元:ビクターレコード

 品番:SV-1137

 

 A面

  「北の恋唄」

  作詩:千家和也

  作曲:彩木雅夫

  編曲:藤田はじめ

  演奏時間:2分37秒

 

 

 B面

  「男の嘘」

  作詩:千家和也

  作曲:彩木雅夫

  編曲:藤田はじめ

  演奏時間:3分40秒

 

  おさむチャン

  まちゃる

  リーダー

  ソーベー

 

  メンバー紹介

   長田あつし(リーダー、ベース)

   宮路おさむ(唄、ドラム)

   尾田まさる(テナー・サックス)

   多田そうべい(ギター)

 

 

参考資料

 「北の恋唄」レコードジャケット

 「ホリデージャパン|宮路オサム」Webサイト

 『レコード・マンスリー』日本レコード振興株式会社

 『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン