ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「幸せを掴んじゃおう」金田星雄、小宮恵子(昭和37年)

流行時期(いつ流行った?)

  金田星雄、小宮恵子さんの「幸せを掴んじゃおう」は、昭和37年(1962年)にヒットしました。

 

 海外雑誌『Cash Box』のJapan's Best SellersのLocalランキングによると、1962年8月に発売されたレコードは、10月6日発売号に掲載されたランキングから登場しています。(各週の集計期間は不明です)

 

【「幸せを掴んじゃおう」のランキング推移】

雑誌発売日 順位
1962/10/06号 8位
1962/10/13号 圏外
1962/10/20号 9位
1962/10/27号 不明(Japan's Best Sellersの掲載なし)
1962/11/03号 6位
1962/11/10号 8位
1962/11/17号 7位

 

 

 「幸せを掴んじゃおう」の音源を用いた動画が存在しますが「今現在、誰がこの作品の権利を持っているのか?」はまだ確認できていないようです。

 

 レコード会社を移籍された歌手の作品でもこの傾向が目立ちますが、「幸せを掴んじゃおう」の場合は、金田星雄さんが元プロ野球選手という経歴を持つ歌手だからと思われます。

 

 俳優が歌ったヒット曲も野放しになっている作品が多いと思います。

 

 早く適正な状態になってほしいと思っています。

 

 

"幸せ"とは何か?

 【幸せとは何か?】は数々のヒット曲で歌われています。

 

 1960年代、1970年代に目立つ印象です。

 

 おそらく当時の高度経済成長期は日常生活で価値観の変化が起こり、多くの人が何かを失っていると感じる心理が反映されていたのだと思います。

 

 最近は【正しさとは何か?】が目立ちますが、心の動きは同じことと思います。

 

 いつの時代でも、今を生きる人たちの心に芽生える違和感をヒット曲は代弁しているのだろうと思います。

 

 

幸せは"近くにあって、すぐ逃げる"

 「幸せを掴んじゃおう」は、【幸せは手の届かない遥か遠くに存在するものではなく、身の回りにたくさんあります】と歌っています。

 

 そして【すぐに逃げていくので見つけ次第ゲットしましょう。ただしゲットするときは優しく両手でね】と歌われています。

 

 

 "日常生活で幸せを見落としている状況"は「三百六十五歩のマーチ」(1969年)や「ふれあい」(1974年)など他のヒット曲でも描かれています。

 

 "幸せはすぐに消えたり逃げたりする"と表現している事に「幸せを掴んじゃおう」の個性を感じます。

 

 おそらく昨日あった場所に今日はいない。この作品が伝えようとしているのは、"人の優しさが幸せを運んでいる事"と思います。

 

 聴いていて心が暖まる作品です。

 

 

 歌詞カードにはタイトル上部に「うたごえの歌」と記載されています。

 

 当時ブームだったといわれるうたごえ喫茶で歌唱する作品向けに企画された盤?と感じています。

 

 B面が「武蔵野夜曲」。これは完全に「北上夜曲」(1961年)を意識していますね・・・。

 

 

 記録から、当時それほどヒットしなかったように感じます。

 

 その理由は「そんな事言われなくても分かってますよ」の価値観が一般的だったから?とも想像しています。

 

 

曲情報

 発売元:キングレコード

 品番:EB-717

 A面

  うたごえの歌

  「幸せを掴んじゃおう」

  作詩:横井弘

  作曲:中野忠晴

  編曲:上野正雄

  演奏時間:3分8秒

 

 B面

  うたごえの歌

  「武蔵野夜曲」

  作詞:横井弘

  作曲:中野忠晴

  編曲:上野正雄

  演奏時間:4分14秒

 

参考資料

 「幸せを掴んじゃおう」レコードジャケット

 『Cash Box』海外誌

 『昭和流行歌総覧(戦後編ー2)』柘植書房新社