ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「YouTube music charts」で各国の人気曲が見えてくる#3【トルコは燃える想いを表現する国】

せつなさを感じるリフレイン

 中東の国トルコは2018/5/3から「YouTube music charts」が公開されています。

 

 日本やインドネシアと同じく、国名の言語が母国語のためバイラルヒット(国境を越えてヒットする曲)が生まれにくい代わりにヒット曲から独自の文化を感じる事ができます。

 

 ↑はヒット曲の世界では当たり前に立ちはばかる壁です。韓国が英語で歌う流行歌手の育成で成功した事が証明していると思います。

 

 

 トルコのヒット曲を聴いていると「あるフレーズが何度も繰り返し歌われている事」に気付きます。

 

 (これはYotuTubeの自動翻訳機能で気づけましたが、実際はそうではないかもしれません。)

 

 下記動画のFatih Bulutさんの「Çok Sevdim Yalan Oldu」(2019年公開)の場合、この作品の主題と思われる"夜が破壊された"という翻訳が何度も表示されます。

 

 想像ですが、"辛い境遇の主人公は安心して眠ることができない=安らかな夜が破壊された心理"を歌っていると思われます。

 

 


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注)netd müzik確認済みの動画

 

 

 インドネシア語に比べると、トルコ語の自動翻訳は精度が高いと感じます。

 

 これはトルコのヒット曲の歌詞が「単純明快な言葉で主人公の心情を表現する事で、聴き手の心にダイレクトに伝えようとしているから」と感じます。

 

 その分、自動翻訳される言葉が強い表現のように感じます。

 

 

 逆に日本語は、おもてなしコンプライアンスか分かりませんが"他者に気を使う前提"で話し言葉が発達している文化と思います。

 

 (実態は「結局何が言いたいの?」とか「言いたいことも言えない」とかの想いが日常会話であふれているので良し悪しです。曖昧な表現は政治の世界で顕著ですね・・・)

 

 トルコのヒット曲の歌詞にはそういった忖度がなく、伝えたいフレーズを端的に何度もリピートしている印象があります。

 

 

 日本のように言い回しを変えて心理表現する価値観とは異なる印象です。

 

 (・・・自動翻訳の結果で語っています。もし違うならご指摘くださいますようよろしくお願いいたします!)

 

 

同じフレーズを繰り返すから演奏時間は短め?

 トルコのヒット曲には「心理表現が同じフレーズの繰り返しが多い」と感じた根拠を補足するように【演奏時間が短い】という特長も感じます。

 

 「伝えたい気持ちが分かる歌詞」だから、わざわざ4,5分かける必要はない、という考え方を察します。

 

 YouTubeに投稿された動画の演奏時間で解釈していますが、動画の再生時間が3分未満の作品がたくさん登場します。

 

 下記動画の2022年に公開されたMustafa Ceceli & Nigar Muharremさんの「Salıncak」は2分48秒です。

 

 


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注)Mustafa Ceceli公式アーティストチャンネルの動画

 

 

 【演奏時間が2分台】は日本のヒット曲でもめったに見かけない短さです。

 

 (日本ではレコードの時代でも3分以上は当たり前。トルコのヒット曲の動画を見始めた当初は「もしかしてYouTube用のShortver.動画?」と思ってしまいました。)

 

 聴いている感覚では、トルコのヒット曲の平均演奏時間は3分前後?と感じます。

 

 

短時間で聴き手の心に刺さる歌声

 冒頭に【せつなさ】と表現しましたが、トルコの流行歌手の声質は日本でいう泣き節のタイプが支持される傾向があると思います。

 

 限られた時間で聴き手の印象に残るフレーズが最も大切と思いますが、インパクトのある声質を持った歌手が支持を集めているように思います。

 

 下記動画の2020年に公開された「Galaksi」を歌われるEce Mumayさんの歌声も、言葉の意味が分からずとも、なぜか聴いていてせつなさを感じます。

 

 


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注)netd müzik確認済みの動画

 

 

 この記事では紹介動画を掲載しておりませんが、言葉で畳みかけるラップの音楽表現も支持を集めているようです。

 

 では『なぜトルコのヒット曲は、短い時間で想いを伝えようとするのか?』ですが、私は基礎知識も無いのでまったく分かりません。

 

 

演歌に近い歌唱法?

 インドネシアのヒット曲でも見かけましたが、演歌のように"声を震わせるような歌唱法(小節)"を感じる作品がトルコのヒット曲にも登場します。(英語圏ではあまり耳にしません)

 

 世界史を勉強しておりませんが、仏教が日本に伝わったようにシルクロード経由で"特有の節回し"も伝わったのかも知れません。(私は日本民謡は甲高い声を長く伸ばす歌唱法が多いと思いますので、演歌は海外由来と思っています)

 

 若い世代に支持されているであろう下記動画のKurtuluş Kuş & Burak Bulutさんの「Sevmedim Deme」(2021年公開)でも、サビの部分でトルコらしさを感じる節回しが登場します。

 

 


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 2曲目の動画「Salıncak」でも登場しましたが、曲の途中で【場に居合わせた人たちが一緒に合唱する演出】もトルコの国民性を感じます。

 

 個人的にこの合唱の演出はとても良いと思っています。