ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「YouTube music charts」で各国の人気曲が見えてくる#2【インドネシアはバラードの国】

ドラマ仕立てのミュージックビデオ

 インドネシアはなかなか日本にリアルな情報が伝わらない国です。

 

 東南アジアで唯一「YouTube music charts」で再生回数ランキングが公開されている国で、「どのような作品がヒットしているのだろう?」と動画視聴すると色々と見えてきました。

 

 誰もが気づく事は「バラードが母国の音楽と言っても過言ではないくらい支持を得ている事」です。

 

 海外の音楽と言うと「歌詞よりダンス」のイメージが強いですが、ダンスミュージックのヒット曲がほとんど見当たりません。

 

 バラードで伝えたい気持ちを綴り続ける・・・。インドネシアは日本より歌詞を重視するお国柄かも知れません。

 

 

 日本では「バラード=愛する人に伝えたい想いが抑えきれない感情を表現する作品」が多く、MISIAさんや桑田佳祐さんの作品、「ひまわりの約束」(2014年)が思い浮かびます。

 

 

 日本のバラードは、愛を伝えるための音楽表現として発展し「歌唱力が重視されがち」に思いますがインドネシアは違います。

 

 パワフルさやテクニカルな歌唱力を主張する作品は見当たらず、優しく柔らかな歌声の作品ばかりです。

 

 そして「愛する人と心が通わなくなってしまった悲しい喪失感」を描く作品が多い事に気づきます。

 

 歌詞の世界を広げるために「恋愛ドラマのようなミュージックビデオが目立つ事」もインドネシアのヒット曲の特徴です。

 

 動画の最後にドラマのようにエンディングにクレジット表記を流すのもインドネシアあるある、中には撮影の裏側を流したりする動画もありました。

 

 下記動画「RUMAH SINGGAH」(2022年公開)のようなミュージックビデオがたくさんです。

 


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 ・・・最近の日本ではアニメからヒット曲が生まれていますが、インドネシアは歌にドラマを感じます。(逆にヒット曲からドラマ化や映画化できそうな印象です)

 

 

アラビアのリズム?【タン、タッタッ】

 再生回数の多い順に曲を聴いていると、「インドネシアで人気のリズム?」を感じる作品があります。

 

 言葉では伝えにくいですが、曲を区切るように刻まれる「タン、タッタッ」のリズムです。

 

 絶えず刻まれるリズムではなく、曲中で効果的に用いられています。

 

 アラビア語圏のヒット曲を聴いた時に似たリズムを耳にしたので、アラビア音楽の影響かも知れないと推測しています。(インドネシアはイスラム教の国です)

 

 下の動画「KLEBUS (GUYONWATON COVER)」(2022年公開)の冒頭でシンセサイザーで刻まれるリズムです。

 


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 このリズム、本当にインドネシアのヒット曲で耳にする機会が多いです。

 

 

沖縄の音楽にも通じる?

 日本人の私が、つい沖縄の音楽を連想してしまう作品があります。Denny Caknanさんの作品で目立ちます。

 

 Denny Caknanさんは2021/7/8から始まった「YouTube music charts」のインドネシア週間チャートの累計で最も再生回数の多い歌手です。

 

 2番目に再生回数の多い流行歌手、Happy Asmaraさんとのデュエット曲「Satru 2」(2022年公開)でも沖縄っぽさを感じます。

 

 今のインドネシアで流行歌手と思いますが、言葉の意味も分からないまま曲を聴いて印象に残った作品を調べるとこのお2人の作品が目立ちました。

 

 ヒット曲は歌詞やメロディより、感情のこもった歌声が最も大切なのかもと当たり前のことを気づかせてくれます。

 

 


「DENNY CAKNAN X HAPPY ASMARA - SATRU 2 ( Offical Live Music ) DC MUSIK」

 

 

 「Satru 2」で沖縄らしさを感じる要素は、曲の合間に【バックで聞こえてくる掛け声】です。

 

 同時に、雰囲気を盛り上げる指笛の代わりに用いられているような打楽器の音色も、日本ではなじみのない個性を感じます。

 

 (この曲でも「タンッ!タッタッ!」のリズムが聞こえてきますね・・・)

 

 ライブ映像はいいですね。視聴する側もリアルなインドネシアを感じる事ができます。

 

 

歌謡曲?イスラム圏の歌唱法?

 インドネシアのヒット曲で面白いと感じた事は、日本でいう歌謡曲のようなヒット曲も存在する事です。

 

 主流の流行ではないようで、ランキング首位にならないものの長期間ランクインして存在感を放っています。

 

 エレキギターの伴奏がそう感じさせるのかも知れませんが、Ariefさんの作品は歌謡曲と感じます。

 

「Tak Sedalam Ini」(2021年公開)


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 「バラードではなく歌謡曲?」と感じる作品は、演奏時間が長い傾向があります。

 

 日本の演歌のような強烈さはありませんが、声を揺らすような節回しに近さを感じます。

 

 この歌唱法で、ついつい演歌らしさを感じてしまいますが、私はルーツはアラビア語圏の音楽と感じます。

 

 これも今後取り上げようと思うアラビア語圏の国のヒット曲の歌唱法に通じると感じるからです。

 

 

2022年には子供が歌った作品が人気に

 最後に驚いたのは、子供が大人顔負けの歌唱力を披露するヒット曲が存在する事です。

 

 Farel Prayogaさんですが、2022年に第77回インドネシア独立宣言のセカンドセレモニーで国会議事堂で歌を披露した事で注目が集まったそうです。

 

 歌唱されたのは下記動画「OJO DIBANDINGKE」(2022年公開)のようです。

 

 冒頭はFilla Taliaさんが歌われますが途中から友達?と登場して抜群の歌唱力を披露されます。

 


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 表面的な部分しか見えていませんが、世界の広さ感じます。こんな感じで様々な国のヒット曲を聴いて感じたことをまとめて行こうと思います。