ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「月光のセレナーデ」グレン・ミラー楽団(昭和29年)

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流行時期(いつ流行った?)

 グレン・ミラー楽団さんの「月光のセレナーデ」は、昭和29年(1954年)にヒットしました。

 現在では、「ムーンライト・セレナーデ」のタイトルで広く知られているように思います。

 

 『ダンスと音楽』に掲載されているSPレコードの「トップ・レコード順位」のランキング推移は下記の通りです。

 

年月 順位
昭和29年01月 3位
昭和29年02月 6位
昭和29年03月 6位
昭和29年04月 5位
昭和29年05月 6位
昭和29年06月 7位
昭和29年07月 7位
昭和29年08月 8位
昭和29年09月 19位

注1)当時、LM-4とA-1020の2種類の品番で発売されていますが、4月のランキングは別々に集計されています。A-1020が16位にランクインしています。

注2)7月の順位は、翌月号の「先月順位」を参考にしています。

 

 

 


"MOONLIGHT SERENADE" BY GLENN MILLER

 

 新曲が次々と製作されては消費され続けるレコード音楽ですが、時代を越えて聴き継がれるスタンダード・ナンバーとなる作品は興味深い存在です。

 

 「月光のセレナーデ」も、そのうちの1曲と思います。

 

 

初めてEPレコードが発売された1954年

 1954年は、日本で初めて電気式蓄音器で再生するEP盤が発売された年です。日本ビクターさんが4月に発売した5枚(EP-1001~EP-1005)が第1号と語られています。

 

 上記のランキングはSP盤の集計ですが、「月光のセレナーデ」は初のEPの1つにも収録されています。

 

 ちなみにビクターさんの5枚のシングルは、『洋楽シングルカタログ』では5月発売と書かれており、日本コロムビアさんの「アンディサイデッド」が3月発売となっています…(>_<)。

 

 EPレコードを発売したのはビクターさんが初である、という明確な根拠が見つけられませんが、どちらが先にせよ1954年の春ごろにEP盤が発売され始めたようです。

 

 初期のEPレコードですが、グレン・ミラーさんの品番は現在でも見つけやすいです。記録が残っていませんが、当時売れていたのかな?と感じます。

 

 

グレン・ミラー旋風の1954年

 アメリカで「月光のセレナーデ」がヒットしたのは15年前の1939年です。

 

 第二次世界大戦中に搭乗した機体ごと消息不明になったグレン・ミラーさんの人生を描いた映画『グレン・ミラー物語』が公開された事が、1954年の日本での大ヒットのきっかけのようです。

 

 「月光のセレナーデ」は劇中だけではなく映画のオープニングにも流れてきます。グレン・ミラー楽団さんの初ヒットとなるため代表曲として扱われているようです。

 

 グレン・ミラーさんのブームが巻き起こっている時期にEPレコードが製造されていたためか、ビクターさんは、EP5枚のうち2枚(EP-1004とEP-1005)をグレン・ミラーさんの作品で発売しています。

 

 映画に登場した数々の作品が2枚に収録されています。売上ランキングでは「真珠の首飾り」もかなりの人気を集めていますが、「月光のセレナーデ」とは別のレコードに収録しています。商売上手なビクターさん…と感じます(^^;A。

 

 

楽曲分析

 「月光のセレナーデ」は変ホ長調(E♭メジャー)です。

 

 グレン・ミラー楽団さんの演奏による”サウンド”は映画のテーマとなっていますが、楽器の編成で曲の印象が変わる事が分かりやすく描かれています。

 今聴くと「昔の楽団はこういう感じの演奏をしていたんだ。」と捉えてしまいますが、当時としては異色だった事も映画で説明されています。

 

 「月光のセレナーデ」は、ジャンルとしてはスウィングに該当するようです。テンポがゆったりとしていますがジャズの雰囲気があります。

 

 楽譜を見ても、普段のヒット曲では見かけないコード進行や音階が用いられています。今の私は音楽知識が無いので分析は出来ませんが、いつか説明できるようになれればと思います(^^)/。

 

 

曲情報

 発売元:日本ビクター株式会社

 品番:EP-1004

 

 A面

  「月光のセレナーデ」

  原題:MOONLIGHT SERENADE

  「アメリカン・パトロール」

  原題:AMERICAN PATROL

 

 B面

  「ペンシルヴァニア6-5000」

  原題:PENNSYLVANIA SIX-FIVE THOUSAND

  「イン・ザ・ムード」

  原題:IN THE MOOD

 

 

注:片面に2曲収録されています。初期のEPレコードは再生時間がSPレコードに比べて長いという特徴があり、両面で計4曲が収録されているのが一般的です。のちのコンパクト盤みたいな感じです。

 

 

参考資料

 「グレン・ミラー・アルバム第一輯」レコードジャケット

 「グレン・ミラー・アルバム第二輯」レコードジャケット

 『ダンスと音楽』モダン・ダンス社

 『洋楽シングルカタログ RCA編』オールデイーズ

 『洋楽シングルカタログ コロンビア編』オールデイーズ

 『永遠のポップス』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」