流行時期(いつ流行った?)
米津玄師さんの「Lemon」は、平成30年(2018年)に発売されました。
オリコンランキングによると、3月中旬に発売されたCDシングルは初登場と同時に人気が集まっています。
日本レコード協会のダウンロード認定では300万ダウンロードを達成しています。
日付 | 認定 |
2018年02月12日 | 配信開始 |
2018年02月 | プラチナ(25万ダウンロード) |
2018年04月 | ミリオンM(100万DL) |
2018年12月 | 2ミリオン(200万DL) |
2019年09月 | 3ミリオン(300万DL) |
オリコンデジタルランキングでは2020年8月までランクインしています。いつか400万DLに到達すると思います。
すごく長い期間、ヒットしていましたね(^^)/♪
注)Kenshi Yonezu 米津玄師 公式アーティストチャンネルの動画
死別をテーマにした作品
「Lemon」は【大切な人を失った喪失感】と【その気持ちから立ち直ろうとする心情】が描かれていると感じます。
歌詞で明確に表現していませんが、誰が聴いても"死別"がテーマと思います。
どちらかというと小説や映画・ドラマで描かれる事が多い主題です。
"身近な人の死"を経験した人、想像したくない事ですが"死"に向き合って考えた人でなければ、聴き手の共感を得る事はできないテーマと思います。
ヒット曲では避けられがちですが、何曲か思い浮かびます。
<"死別"がテーマ(と感じる)ヒット曲>
年 | 曲名 | 歌手 |
1962 | 江梨子 | 橋幸夫 |
1964 | 愛と死をみつめて | 青山和子 |
1965 | 涙をありがとう | 西郷輝彦 |
1965 | わが愛を星に祈りて | 梶光夫、高田美和 |
1966 | 絶唱 | 舟木一夫 |
1967 | 花はおそかった | 美樹克彦 |
1972 | 喝采 | ちあきなおみ |
1976 | 岸壁の母 | 二葉百合子 |
1980 | 防人の詩 | さだまさし |
1991 | 会いたい | 沢田知可子 |
1993 | ロード | THE 虎舞竜 |
1993 | 島唄(オリジナル・ヴァージョン) | THE BOOM |
2003 | 涙そうそう | 夏川りみ |
2004 | さとうきび畑/涙そうそう | 森山良子 |
2004 | 瞳を閉じて | 平井堅 |
2004 | かたちあるもの | 柴崎コウ |
2006 | タイヨウのうた | Kaoru Amane |
2007 | 千の風になって | 秋川雅史 |
1960年代は【若くして経験する死】で綴られる作品が目立ちます。
不治の病を患った恋人とのやりとりを収めた『愛と死をみつめて』がベストセラーになりましたが、2000年代前半の『世界の中心で、愛をさけぶ』が支持された理由も同じと思います。
1970年代以降は【戦争で大切な人を失った心理】が描かれ始めますが、交通事故が理由の作品も登場します。
難病、戦争や事故。何が原因でも、残された人が深く傷ついている心理は同じです。
"死別"をテーマにした作品は、過去にとらわれ悲しむ心理が描かれがちで、「Lemon」でも故人の生前の記憶に縛られ続ける心境が綴られています。
しかし「Lemon」の主人公は、過去だけを見るのではなく「現在を見る事が出来るくらい、心の整理ができている?」と感じます。
悲しみながらも故人を尊敬する気持ちが歌われているから、そう感じるのだと思います。お墓参りなどで故人の冥福を祈る気持ちに近い心情が綴られているように感じます。
なぜ「Lemon」が大ヒットしたのか?
こういった解釈もできる歌詞も、多くの人たちに支持され続けた理由のひとつかもしれない、と考えています。
参考資料
「Lemon」CDジャケット
「一般社団法人 日本レコード協会 有料音楽配信認定」https://www.riaj.or.jp/f/data/cert/hs.html
「you大樹」オリコン