ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「オトナブルー」新しい学校のリーダーズ(令和5年)

流行時期(いつ流行った?)

 新しい学校のリーダーズさんの「オトナブルー」は令和5年(2023年)にヒットしました。

 

 2020年5月に配信された楽曲は、約3年後の2023年3月に初ランクインしています。4月7日に「THE FIRST TAKE」に出演してから継続して人気を集めています。

 

<mora~WALKMAN公式ミュージックストア~月間ランキング推移>

年月 順位 メモ
2020年05月 圏外 5/1配信開始
・・・ 圏外  
2023年03月 59位  
2023年04月 47位 4/7「THE FIRST TAKE」出演
2023年05月 39位  
2023年06月 29位  
2023年07月 27位  
2023年08月 33位  
2023年09月 41位  
2023年10月 60位  
2023年11月 45位  

 

 発売されてから数年後に人気が集まる、珍しい流行り方です。

 

 


www.youtube.com

注)ATARASHII GAKKO! - 新しい学校のリーダーズ 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

2023年のトレンドは"自己肯定力"?

 2023年のヒット曲は【自分に自信を持っている人物像】が描かれる歌詞が人気を集めていると感じます。

 

 「可愛くてごめん feat. ちゅーたん(CV:早見沙織)」「アイドル」(共に2023年)が印象的です。

 

 「オトナブルー」もこの価値観を備えた歌詞と感じます。

 

 

 当然のように自己を肯定する心理、この心情表現は前年の「ダンスホール」(2022年)にも近さを感じます。

 

 長期間の新型コロナウイルスのパンデミックで抑圧された心理が影響している事は明らかと思いますが、「この心情がいつから支持され始めたか?」はとても興味深いテーマですので、また調べます。

 

 

 ・・・"気持ちを前向きにさせてくれる歌詞"といえば、ジャニーズ坂道グループといったアイドルが独占してきた分野です。

 

 2023年は特殊で、アイドル以外の様々なアーティストが前向きな心情を表現して人気を集めています。本当に興味深いです。

 

 

 ・・・コロナ禍は真逆で、自分のことをクズと断言する「香水」(2020年)、地位も名誉もないと前置きをする「魔法の絨毯」(2021年)が話題となっていました。

 

 

きわどさを上回る完成度の高さ

 「オトナブルー」が話題になっている事を遅れて知って、テレビで初めて聴いた時に「こんな曲だったんだ!」と驚きました。

 

 もしも、もう少しはみ出していたら聴き手にコミックソングと解釈されてもおかしくないくらい、本当にギリギリのラインまで踏み込んで個性を出している事に驚きました。

 

 聴き手が普通に曲として楽しめるのは作品の完成度の高さです。

 

 作詞は新しい学校のリーダー達さんと表記されているのでメンバー皆さんで作られたのでしょうか。

 

 そのためか歌唱に想いが込められているようで、聴いていて気持ちが伝わってきます。

 

 何年たっても記憶に残るタイプの作品と思います。

 

 

どの年代をターゲットにしている?

 後半でメインになるバックコーラスは今どきのアイドルソングっぽいですが、冒頭のサウンドには昭和っぽさを感じます。

 

 1980年代ではなく1970年代寄りと感じます。柔らかい電子音には70年代後半のディスコサウンド、メインボーカルの歌唱には70年代前半の和製ソウルの模倣。

 

 "二度見"が大げさに表現すれば"ぬどみ"と聴こえたり、"Ah"が"アー"と【歌詞通りに聴こえない歌唱】も1970年代前半の和製ソウルや外国人歌手の歌唱を連想してしまいます。

 

 

 表現が自由すぎて「どの世代をターゲットにした作品か?」が全くわかりませんが、今年のレコード大賞や紅白歌合戦をきっかけにして、さらに幅広い世代から支持が集まる可能性を持つ作品と思います。

 

 

曲情報

  作詞:新しい学校のリーダー達
  作曲:yonkey

 

 

参考資料

 「音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~」