ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「アイドル」YOASOBI(令和5年)

流行時期(いつ流行った?)

 YOASOBIさんの「アイドル」は令和5年(2023年)にヒットしました。

 

 4月中旬に配信されてから長期間人気を獲得しています。2023年最も流行した楽曲と感じます。

 

<mora~WALKMAN公式ミュージックストア~月間ランキング推移>

年月 通常 ハイレゾ 備考
令和05年04月 1位 4位

4/12配信開始

ストリーミングでゴールド認定

令和05年05月 1位 3位

ダウンロードでゴールド認定

ストリーミングでプラチナ認定

令和05年06月 1位 3位

ダウンロードでプラチナ認定

ストリーミングでダブル・プラチナ認定

令和05年07月 1位 9位  
令和05年08月 1位 15位 ストリーミングでトリプル・プラチナ認定
令和05年09月 6位 26位  
令和05年10月 9位 50位  
令和05年11月 10位 67位  

 

 今はダウンロードより、ストリーミングが主流の時代みたいです。

 

 


www.youtube.com

注)Ayase / YOASOBI 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

 

様々な視点で描かれる主人公

 「アイドル」はこれまでのヒット曲では描かれなかった新しい視点で詞が描かれていると感じます。

 

 冒頭の歌詞は、主人公をTVで見ている人、質問責めする芸能レポーター、推しのファン心理、同グループメンバーの嫉妬など、【主人公を取り巻く様々な立場の人たちの目線で主人公を描いている】ように感じる事ができます。

 

 慌ただしく入れ替わりますが、主人公を取り巻く人たちを描写する事で聴き手に向けて【小説を読むように世界観を把握させる事】を実現できていると思います。

 

 言葉で畳みかけるボカロでなければ難しい表現と思いますし、"小説を音楽にする"YOASOBIさんでなければ浮かばないアイデアと思います。

 

 後半は従来のヒット曲通り、主人公の心情だけが描写されています。

 

 

 ・・・数分間のヒット曲ではどうしても【物語の一場面を切り取って描く】とか、デュエットソング「木綿のハンカチーフ」(1976年)、「ドライフラワー」(2021年)のように【2人の視点で描く】が作詞家の限界だったと思います。

 

 仮に演奏時間を増やしても、尾崎豊さんや「親父の一番長い日」(1979年)、「トイレの神様」(2009年)のように1人の視点で綴る構成しか思い浮かびません。

 

 ("複数の視点"で捉えると「ブラザービート」(2022年)は近い気がしますが兄弟の視点にとどまっているので、様々な立場から主人公を描く「アイドル」とは違うと思います。

 

 強いて言えば三波春夫さんの長編歌謡浪曲のボカロ版みたいな感じでしょうか。)

 

 

    現実に起きていた2010年代のアイドルブームを目の当たりにしている事も、この作品への理解を容易にしていると感じます。

 

 

実際のアイドルはどう解釈した?

 実際にアイドルを経験した方々が「アイドル」をどう解釈されているのか?は気になります。

 

 「寝る間も無いくらい多忙過ぎて、そんな事を考える間も無かった」かも知れませんが、脚光を浴びている瞬間のアイドル心理に重なる部分があるのか?はとても興味深いです。

 

 

第二の「スキヤキ」を作ってほしい

 日本の聴き手には「YOASOBIさんの音楽と言えばボカロ」のイメージが定着している印象ですが、ボカロは海外では見当たらない日本特有の音楽表現と思います。

 

 これからは海外の方をアッと驚かせて、その国のヒット曲になるような作品を切り開いて頂きたいとひそかに期待しています。

 

 

曲情報

 MUSIC:Ayase
 VOCAL:ikura
 NOVEL:Akasaka Aka
 VIDEO:Naoya Nakamura

 

参考資料

 「音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~」

 一般社団法人 日本レコード協会 (riaj.or.jp)

 YOASOBI オフィシャルサイト (yoasobi-music.jp)