流行時期(いつ流行った?)
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Black Mさんの「Sur ma route」は、2014年にフランスでヒットしました。
5月下旬~9月中旬にかけてベストテン入りしています。首位を獲得した6月に最も流行していたと思われます。
Black M - Sur ma route (Clip officiel)
注)Black M 公式アーティストチャンネルの動画
生きる意味を求める心理を描いている?
何度も繰り返されるタイトルの「Sur ma route」というフレーズ。英訳では「on my road」、日本語では「私の道で」になります。
おそらく人生が主題になっていると思いますが、ミュージックビデオを見てもストーリーがよく分かりません。
「ムービー」というフレーズもたびたび 登場します。上記動画の映像は有名映画をオマージュされているようです。
様々なジャンルの映画から使命を背負った主人公やライバルが登場しているようです。ボクサー、収監された悪そうなピエロ、指環を手にした中世の男性、舵を取る船長、サイレント映画の喜劇俳優、宇宙飛行士が登場します。
(私が分かったのは『ロッキー』とチャップリンです。他の人物も有名な作品の登場人物と思いますが、映画は全く詳しくないので分かりません(>_<)。)
しかし、ミュージックビデオで描かれる姿は、「これが自分の道だ」と思わせるシーンではないように思います。
あまりピンと来ない場面が切り抜かれているのは、登場人物もまだ使命が見えていない道の途中である事を表現しているのでしょうか。
曲の主題に映画を採用した事は面白いと思います。
中島みゆきさんの「糸」(1998年、2012~2017年)のように、ヒット曲が映画化される事がありますが、数分間の音楽で人生を表現するのはとても難しいと思います。より長い時間、しかも映像で表現できる映画の力を借りなければ、と理解できます。
人生をテーマにしているであろう「Sur ma route」を聴いて感じるのは、"自分が選んだ道、選ばざるを得なかった道に立ちはだかる壁へ挑む勇気"ではなく、"自らの生きてきた今に葛藤する心理"が描かれているように感じます。
フォーク+ハウス+ラップで表現?
ギターのイントロで歌唱が始まってからも伴奏がギターや手拍子だけですが、ハウスのような4拍子のリズムやラップ詞が続きます。
様々なジャンルの音楽表現の良いところを採用していると思いますが、その理由は、"伝えたい事を効果的に聴き手に伝えようとする気持ち"と推測できます。
日本ではそれぞれの音楽文化を尊重する価値観があるので、「Sur ma route」のようにジャンルの垣根を超えるヒット曲はアイドル曲以外ではあまり思いつきません。
フランス語が分からないので歌詞の意味は不明ですが、何度も繰り返される「sur ma route」というフレーズや、訴えようとするBlack Mさんの歌唱が印象に残る作品です。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
「you大樹」オリコン