ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「One Day (Vandaag)」Bakermat(2013年)

f:id:hitchartjapan:20210219220405j:plain

流行時期(いつ流行った?)

 TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Bakermatさんの「One Day (Vandaag)」は、2013年にフランスでヒットしました。

 

 9月中旬~10月末にかけてベストテン入りしています。

 

 1週だけ首位を獲得されており、最もヒットしたのは10月中旬と思われます。

 

 


Bakermat - One Day (Vandaag) (Official Video)

注)Bakermat 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

演説をサンプリング?!

 「アイ・ハブ・ア・ドリーム」や「ワン・デイ」・・・、聞き覚えのあるフレーズはご想像の通り、キング牧師が1963年に行った演説をサンプリングされています。

 

 最初は分からず、何度か聞いているうちに「もしかして」と気付きました。当時の音源を用いているのかどうかは分かりません。

 

 "過去の音源を用いて新しい音楽を作る"、サンプリングという表現技巧は1990年代に存在感を増し、2000年代には有名な作品を採用する事例が目立ち始めます。

 

 有名と言っても過去のヒット曲ではなく、歴史的な演説をサンプリングに採用する発想にとても驚きました。

 

 メッセージ性は抜群と思いますが、演説の文化のない日本人からすれば扱ってよいのかどうか、海外ではどのような評価を得たのかが気になります。

 

 

 ミュージックビデオには夢に向かって努力する若者の姿が映ります。

 

 演説意外に歌詞はありませんが、大会が開催される競技に挑戦するであろう若者の姿には、希望を持って自ら目指した道を進む勇気も感じます。

 

 

ジャンルはハウスミュージック?

 「One Day (Vandaag)」はハウスミュージックに属するようです。

 

 ハウスというと、日本のヒット曲ではPerfumeさんや流行の音楽を採用するアイドル作品(すぐ思いつくのは欅坂46さんの「不協和音」(2017年)、・・・他にもたくさんあると思います。)で用いられる印象が強く、ハウスミュージックを目指す日本人アーティストやヒット曲は思いつきません。

 

 日本ではハウスが発展する文化が無いようで、"ハウスミュージック=不自然に大きな音量で機械的な高音が流れ続ける音楽"という解釈で止まっている印象があります。

 

 ・・・ノイズと感じて拒絶される可能性が高く、好みが分かれる音楽。フランスでは2000年代後半からハウスミュージックの流行が始まったと感じます。

 

 当初は日本人がイメージするハウスが流行していたように感じますが、コンピュータの進歩の影響もあってか、「One Day (Vandaag)」のようなマイルドなハウス?も登場するようになりました。

 

 サンプリングの演説が最初に聴き手の関心を呼ぶ「One Day (Vandaag)」は、メイン楽器がサックスです。

 

 サックスの独奏が終わるとハウスらしさを感じますが、性質的に前面に出ていないといけない音楽が控えめになっている事が興味深いです。

 

 電子音楽かハウスか・・・いつも突然ヒットする新しい音楽はジャンルを明確に定義できません。

 

 ハウスは他の音楽表現と融合できるタイプのジャンルという事を感じます。日本ではアイドルポップスと融合している事になるのでしょうか。

 

 演歌のように他の音楽表現が介入できない音楽では無く、様々なジャンルとコラボできる可能性が広がりますので、今後も新しいハウスミュージックが登場する事を期待しています。

 

 

参考資料

 TOP50(http://www.chartsinfrance.net/

 「you大樹」オリコン

 「One Day (Vandaag)」CDジャケット