いつ流行った?
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Laurent Wolfさんの「No Stress」は2008年3月下旬から7月上旬にかけてベストテン入りしています。
英語で歌われていますが、英語圏ではヒットしていません。フランス、ベルギー、スイスで人気を集めたようです。
注)Embassy One 確認済みの動画
ストレスの原因は電子機器?
「今日は働きたくない!」というフレーズで始まる歌詞はインパクトがあります。
何度もこのフレーズが登場しますが、「怠けたい!」という気持ちから生まれた言葉ではなく、「疲れているなら無理はしなくていい、必要な休息を取りましょう」という意味合いと感じます。
主人公が疲れている理由は"ストレス"です。
ストレスの原因といえば対人関係と思いますが、「No Stress」のミュージックビデオでは、オフィス機器がそのストレスを増幅させていると指摘しているように感じます。
大きな声で長電話(内線?)する同僚、暑がりと寒がりが冷房を付けたり消したり争う姿、いつまで経っても扉が閉まらないエレベーター、トナー交換が難しいコピー機(結局失敗)。
終盤は怒りのあまり事務所内がめちゃくちゃになっています。特に、ブラウン管のディスプレイを投げたらダメですよ!と思います。
(合間合間でマッサージチェアに座る男性が登場しますが、終盤ではリラックスできずなぜか感電していますね。)
2000年代はケータイやスマホを持ち歩く日常が当たり前になるくらい、コンピュータが発展しました。
歌詞では描かれていませんが、技術の進歩で便利な時代になったものの、「ある人が快適に感じていても、周囲の人にストレスを与える原因になっている」という事が主題になっているようです。
ハウスミュージックがブームの頃
2000年代は音楽でも機械的な音が流行っていたように感じます。シンセサイザーの音色を大音量で演奏するハウスが思いつきますが、そのハウスの表現が発展した時期のようにも感じます。
「No Stress」もハウスに該当すると思いますが、過去の作品をハウス風にリメイクしたり、他の音楽表現とコラボしたり、新しい表現をする作品が多い気がします。
金属のような冷たさを感じる高音ではなく、暖かみのある機械音が登場し始めたのもこの時期と思われます。
フランスのハウスと言えばダフト・パンクさんですが、有名な「One More Time」は2000年の作品です。
そこから2000年代にハウスが発展していったのでしょうか。いつかブームの経緯を調べたいと思います。
参考資料
「No Stress」CDジャケット