ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「YELL」いきものがかり(平成21年)

流行時期(いつ流行った?)

 いきものがかりさんの「YELL」は、平成21年(2009年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると9月下旬に発売されたシングルCDは10月にベストテン入りしています。

 

 音楽配信に関する分かりやすい記録がありませんが、若い世代ではすでにCDより配信の時代と思われます。

 

 音楽配信では5年後に100万ダウンロードを達成された記録が残っています。

 

 

<レコチョク月間ランキング、配信認定の推移>

年月 順位 配信認定
平成21年09月 8位  
平成21年10月 6位 着うたフル®(10万DL達成)
平成21年11月 38位 着うたフル®(25万DL達成)
平成21年12月 16位  
平成22年01月 7位  
平成22年02月 18位  
平成22年03月 13位 着うたフル®(25万DL達成)
平成22年04月 25位  
平成22年05月 57位  
・・・ ・・・  
平成22年11月 77位  
・・・ ・・・  
平成23年03月 97位 着うたフル®(50万DL達成)
・・・中略・・・    
平成26年05月 - シングルトラック(100万DL認定)

 

 

 


www.youtube.com

注)いきものがかり Official YouTube Channel の動画

 

 

青春を想い出させる曲

 いきものがかりさんの作品は、聴き手の心の壁を超えて届く力を備えていると感じます。理由は分かりませんが、心に残り続ける良い曲を作られるアーティストと感じます。

 

 「YELL」はNHK全国学校音楽コンクール(Nコン)の課題曲と語られる事がありますが、"聴き手の心に届く歌"を作れるアーティストは最高の人選と思います。

 

 この時期からなぜかNHKさんの時代を読むセンスが際立ち始めていると感じています。朝ドラ主題歌や紅白の出場歌手の選考とヒット曲の結びつきが強くなっています。・・・体制が変わったのでしょうか。

 

 前年のNコンでも、アンジェラ・アキさんの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」(2008年)がヒット曲となるくらい話題になりました。

 

 どちらも"中学生の部"の課題曲という事が気になります。

 

 (公式チャンネルでは「YELL」の編曲は松任谷正隆さんと記載されていますが、NHKの「過去の課題曲リスト(Nコンのあゆみ SINCE1932 | NHK)」には鷹羽弘晃さんの名前が掲載されています。CD化の際に改めて編曲されたのでしょうか。)

 

 "合唱コンクールの課題曲がヒット曲になった"という事は、中学生以上の世代の支持も得る事が出来たのだと思います。

 

 「YELL」は伝えたい事を容易に理解できる作品と思います。そして、大人になってから心の奥にしまった学生時代の前向きな感情を刺激する力も持っていると思います。

 

 

"エール"を"別れ"を表現?

 誰もが理解できる感情が描かれていますが、タイトルが「YELL」なのに"別れ"を軸に歌詞を描かれている事に新しさを感じます。

 

 普通なら「歌の主人公がマイナスな気持ちになっている誰かを励ます」という視点で歌詞を思い描くはずです。

 

 「中学生にとって"別れ=卒業"」と捉えて、「将来への期待と不安を抱きながら、それぞれ違う道を歩み始めるクラスメイトが互いに励まし合う姿」にまで想像力を膨らませた水野良樹さんはスゴイと思います。

 

 今までのヒット曲で何度も取り上げられた"卒業"が主題と感じますが、他のアーティストが描かなかった新しい視点で表現できる事がスゴイです。

 

 多くの人の心に残る作品になる理由を感じます。

 

 音楽配信が主流になった事でCD売上で評価される価値観は薄れ、ヒット曲が流行歌の性質を取り戻す流れが芽生えた時期に、いきものがかりさんが支持され始めた事は必然的な事だと感じています。

 

 

参考資料

 「レコチョク」Webサイト

 「Nコンのあゆみ SINCE1932 | NHK」Webサイト

 「you大樹」オリコン