流行時期(いつ流行った?)
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Kendji Girac(ケンジ・ジラク)さんの「Andalouse」は、2014年10月中旬から2015年1月中旬にかけて、3カ月間にわたってヒットしています。
年をまたいでヒットしたため、年間ランキングではそれほど順位は高くありませんが、流行した規模ではケンジ・ジラクさんの代表曲となっているようです。
ケンジという名前が日本的ですが、日本にはご縁の無い方です。
同時期に日本で流行っていた曲(2014年10月中旬~2015年1月中旬)
オリコンランキングでは、首位を獲得した作品や上位にランクインした作品には、その年を代表する作品は見当たりません。
moraの音楽配信ランキングでは、SEKAI NO OWARIさんの「Dragon Night」がヒットしています。また、秦基博さんの「ひまわりの約束」が徐々に人気を集めています。
Kendji Girac - Andalouse (Clip Officiel)
フランス語のスペインポップス?
1990年代後半以降、フランスではスペインのヒット曲が支持されやすくなったと感じます。2000年代には歌詞がスペイン語のヒット曲が多く登場するようになったため、そのように感じます。
それが2010年代になると、歌詞がフランス語で、スペインポップスを連想させる作品が登場するようになりました。
「Andalouse」は、フランス人っぽくない歌手の名前や、曲を聴いたときの印象で勝手にスペインの作品と思い込んでいましたが、歌詞を調べたときにフランス語だった事に驚きました。
この作品がヒットするまでは、単にスペインの作品を輸入したり、フランス人がスペイン語で歌った作品が登場していました。
やはり国境には公用語や経済による壁があるのかな?と感じていましたが、ついにフランス人がこういった作品を生み出す段階になったのかと、私は少ない知識で解釈しました(^_^;A。
フランスのヒットチャートには現在でも、“異なる文化の価値観を理解しようとする姿勢”を感じる作品が登場するため、関心を持っています。
背景には国旗の自由・平等・友愛の精神が国民の意識に根付いているからではないかと感じてしまいます。移民の受け入れについては、2010年代以降に社会問題化しているようですが、流行音楽においては、その精神が活かされて良い作品が生み出されているように感じます。
Baila(バイラ)とは?
この作品には、ひとつだけ「Baila」というスペイン語が用いられています。和訳すると「踊る」という動詞だったり、「踊り」と名詞で扱われる事がある単語のようです。
スペイン語のヒット曲には必ず含まれていると言っても良いくらい、有名な単語ですので、この単語が出たときにスペインの曲と認識してしまいました。
歌い始めの掛け声や、サビの部分で何度も登場しています。
おそらく「Andalouse」を作詞された方も、「スペインと言えば“Baila”だろう」、という認識で効果的に用いたのだと考えられます。
ケンジ・ジラクさんは厳密にはスペイン出身の方では無いようですが、作品の世界観がスペイン寄りであると感じます。
エキゾチックな雰囲気を持つ作品と感じますが、フランスの人たちも同じように異国の音楽を思わせる曲調を支持されたのだろうと思います。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「Andalouse」はFマイナー(ヘ短調)です。
プロモの冒頭で流れる作品は、ケンジ・ジラクさんのデビュー曲「Color Gitano」です。Gitanoはスペイン語で、和訳すると移民に該当するようです。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
「you大樹」オリコン
「Andalouse」CDジャケット
「バンドプロデューサー5」