流行時期(いつ流行った?)
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Hermes House Band(ヘルメス・ハウス・バンド)さんの「I Will Survive (la la la)」は3回ヒットしています。
1度目のヒットは、1997年9月下旬から11月下旬にかけての3か月間。
2度目のヒットは、1998年7月下旬から9月末にかけての2か月間。
3度目は、2018年7月末の1週間です。
最もヒットしたのは、2度目の1998年と考えられます。
同時期に日本で流行っていた曲(1998年7月下旬~9月末)
ラルク・アン・シエルさんの「HONEY」、ポケット・ビスケッツさんの「Power」、KinKi Kidsさんの「全部抱きしめて」、globeさんの「wanna Be A Dreammaker」、モーニング娘。さんの「抱いてHOLD ON ME」などの作品が首位を獲得しています。
その他には、MAXさんの「Ride on time」、浜崎あゆみさんの「Trust」などがヒットしています。
Hermes House Band - I Will Survive - Lalala
過去にヒットした作品のカバー曲
「I Will Survive (la la la)」は、1970年代末に日本でも流行った「恋のサバイバル」のカバー作品です。
1970年代当時は、様々な国でソウルから発展したディスコサウンドが流行していましたが、「恋のサバイバル」はそのうちの1曲です。グロリア・ゲイナーさんが歌っておられましたが、日本では布施明さんが日本語カバー盤も発売されていました。
ヘルメス・ハウス・バンドさんの作品は原曲と異なり、バンドの演奏がにぎやかになっています。聴き手を元気づけるような、応援歌的な編曲で演奏するように心がけているグループのようです。
エルメス・ハウス・バンドさんはオランダの音楽グループで、特にフランスと特別な関係や縁は無かったように思われます。しかし3回ヒットした事を考えると、フランス人にとって意味のある作品である事が想像できます。
「I Will Survive (la la la)」は、フランス人にとって大切な作品に成長したようですが、そのきっかけは1998年に開催されたFIFAワールドカップのようです。
フランスのワールドカップ優勝お祝いソング
1998年のワールドカップは、フランスで開催されフランスが初優勝を果たした大会でした。6月から始まり、7月12日の決勝戦で、フランスがブラジルに勝利し、初優勝が決定しています。
フランスの初優勝が決まってから、ヘルメス・ハウス・バンドさんの2度目のヒットが始まります。7月23日付のランキングに突然6位に登場しています。
おそらくフランスの方々にとっては、前年にヒットした「I Will Survive (la la la)」が、ワールドカップで悲願の初優勝を果たした喜びを代弁するかのような意味合いで解釈されたようです。
この作品のヒット以降、ワールドカップ開催年になる度に、サッカーをテーマにした作品が登場するようになります。
私は、選手達が対戦するときの応援歌、選手を称える意味合いのアンセムとして支持を得た作品と思っていましたが、そうではないように感じます。単純にフランス国民が、W杯の初優勝の感動、喜びを分かち合うために選ばれた作品だったようです。
日本に置き換えると、サッカーではなく野球、国ではなく地域単位で規模は小さくなりますが、阪神ファンにとっての「六甲おろし」と同じ価値観を持つ作品であるように感じます。
20年後にヒットチャート首位を記録
この作品が「六甲おろし」と同等の存在と感じた理由は、20年後の2018年に、再びフランスがワールドカップに優勝した時、「I Will Survive (la la la)」が1週間だけ首位を獲得した事です。
20年前の作品が首位を獲得するには、特殊な事情が無ければ達成する事は出来ません。
実は1998年の初優勝の時は3位止まりでした。いくら年月が経っても、フランス人にとって、W杯優勝の感動に心が共感するのは、初優勝時の「I Will Survive (la la la)」なんだと思い知らされた作品です。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「I Will Survive - Lalala」はAマイナー(イ短調)です。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
「you大樹」オリコン
「I Will Survive - Lalala」CDジャケット
「バンドプロデューサー5」