流行時期(いつ流行った?)
スキャットマン・ジョンさんの『スキャットマンズ・ワールド』は、平成7年(1995年)にヒットしました。
オリコンアルバムランキングによると8月下旬に発売されたCDアルバムは、9月初めから11月中旬にかけてベストテン入りしています。
代表曲の「スキャットマン(原題:Scatman (ski-ba-bop-ba-dop-bop))」は5曲目に収録されています。
注)Scatman John Official YouTube Channel 公式アーティストチャンネルの動画
アメリカではヒットせずヨーロッパでヒット
「スキャットマン」はデビュー曲で日本では無名にも関わらず、CDアルバムが発売と同時にヒットしています。
前評判の高さがうかがえます。CD化される以前に日本のどこかで「スキャットマン」が流れていたという事になります。どこで知名度を上げていたのは分かりません。FMラジオでしょうか。
日本では後世語り継がれている雰囲気から、当時は"流行だった数あるユーロビートのうちの1曲"として受け止められたのだろうと思います。
テレビ派の方は「♪プッチンパポペ」のプッチンプリンのCMが記憶に残っている方が多いと思います。私もこちらです。
スキャットマン・ジョンさんはアメリカの方ですが、本国ではヒットしなかったようです。1995年のビルボード年間ランキング上位100曲にはノミネートしていません。
歌詞カードの解説によるとヨーロッパで大人気となった作品で、最初に反響があったのはドイツのようです。
確かにドイツでは1995年3月初めから5月末にかけてベストテン入りしています(Offizielle Deutsche Charts - Offizielle Deutsche Charts (offiziellecharts.de))。
(ちなみにフランスでは、5月初めから8月末にかけてヒットしています。)
上記公式動画のコメントをGoogle翻訳したとき、ポルトガルとスペインの方のコメントが多いように感じます。2国でいつごろ流行ったのか分かりませんが、数十年経っても記憶に残るくらい大切な作品となっているのだろうと感じます。
もしヒットした国のランキングをすべて確認出来れば、どのようにして「スキャットマン」が支持されていったのか?を視覚化できて面白そうです。
日本ではサウンドで支持された?
アメリカではヒットせず、英語圏以外の国から人気を集め始めた経緯は興味深いです。
英語圏のイギリスやオーストラリアでもヒットしていますが、おそらくこの曲が支持された理由は、当時人気だったハウスやテクノを取り入れたサウンドと思います。
このジャンルの作品はテンポが早めにも関わらず、50代のスキャットマン・ジョンさんは最後までスピード感を保ち続けて歌唱されます。
年齢を考慮すると「小休止のフレーズをはさんでも良いのに・・・」と思いますが、あえて聴き手に「失速している」という印象を与えない判断をされたのだと思います。
印象に残るのは♪ピーパッパパラッポですが、すごいと感じるのは冒頭の真似できないスキャットです。普通の人なら噛んでしまったり、付いていけなかったりすると思います。
スキャットマン・ジョンさんは吃音症で子供の頃から健常者にからかわれる事で悩まされ続けていたと解説がありますが、日本で支持されたのは「普通に聴いていて楽しい!」と感じる音楽だったからだと感じます。
そのエピソードを知ると、コンプレックスと向き合われたからこの曲が誕生したのかとか、歌詞の「スキャットマンが出来るなら君も出来る」というフレーズも励ましの想いが込められていると感じる事ができます。
後世に「スキャットマン」に似たヒット曲は登場していないため、今聴いても色あせない個性を備えていると感じます。
曲情報
発売元:BMGビクター株式会社
品番:BVCP-859
「スキャットマン」
原題:Scatman (ski-ba-bop-ba-dop-bop)
作詞・作曲:John Larkin/Antonio Nunzio Catania
『スキャットマンズ・ワールド』5曲目収録
帯の文章:びぃ~・ばっぱっ・ぱらっぽ~♪
又、ハマっちゃいそう!これが謎の伊達男
スキャットマン・ジョンのテクノ・スキャットだ!
参考資料
『スキャットマンズ・ワールド』CDジャケット
「you大樹」オリコン