ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「Hello, Again ~昔からある場所~」MY LITTLE LOVER(平成7年)

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流行時期(いつ流行った?)

 MY LITTLE LOVERさんの「Hello, Again ~昔からある場所~」は、平成7年(1995年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると、8月下旬に発売されたCDは、9月~11月初めにかけてヒットしています。

 

 音楽配信では2006年12月に発売され、8年後の2014年6月にゴールド(10万ダウンロード)認定されています。 

 

 

同時期に流行った曲(平成7年9月~11月初め)

 この作品も首位を獲得されていますが、ヒットしていた時期の他の首位作品には、Mr.Childrenさんの「シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~」福山雅治さんの「Message」B'zさんの「LOVE PHANTOM」などがあります。

 この作品が流行っていた時期には首位ではありませんが、ドリームズ・カム・トゥルーさんの「LOVE LOVE LOVE」もロングセラーとなっています。

 

 他には、FIELD OF VIEWさんの「突然」globeさんの「Joy to the love」辛島美登里さんの「愛すること」などがヒットしています。

 

 アルバムでは、スキャットマン・ジョンさんの『スキャットマンズ・ワールド』がヒットしています。

 

 グループ名でも曲名でも、英語表記が目立つ時代と感じます…(^_^;A。

 

 


My Little Lover「Hello, Again 〜昔からある場所〜」

 

 

なぜか懐かしさを感じる曲

 この作品は不思議な作品と感じます。それは、聴き手に過ぎ去った昔を呼び起こすような響きを備えている事です。

 昭和レトロというような意味ではなく、聴き手が経験して歩んできた、若かりし頃を想い起こさせるような響きを持っているという意味です。

 

 音の響きを聴いて、そう感じる理由がどこにあるのかは分かりません。音楽理論は存じ上げませんが、どうも音の組み合わせ次第で人間の心に愁いを感じさせる響きがあるようで、この作品はそれを備えているように感じます。

 

 イントロを聴いた時点でそう感じてしまいます。楽譜を見るとⅠ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅵmの繰り返しで特に珍しさは持っていません。意識して聴かなければ耳に残りくいですが、ベースの音に何か秘密があるのでしょうか。

 

 

 歌詞では過去の記憶を思い起こす心理が描かれていますが、歌詞よりも音の響きが心に入って来る印象を受けます。

 個人的に好みの作品ですので、何度聴いても飽きない作品と感じていますが、なぜか歌詞が印象に残りにくく、詞に共感する感情はなかなか湧きません…(>_<)。

 

 この作品は他の曲では耳にしないサウンドを持っており、それが惹きつけられる要素を持っていると感じます。

 それはコード進行もあるかも知れませんが、ボーカルに秘密があると考えています。

 

 

和声を感じさせるボーカル

 この作品を聴いて感じるのは、ボーカルの歌唱が1つの音だけではないような響きを持っている事です。

 

 これがボーカルの才能なのか、バンドの演奏や編曲といった技術的なものによるものかは分かりませんが、聴いていて、エコーというかリバーブというか、音の広がりが感じられ、違う高さの音が重なっているように聞こえてきます。

 

 その音の重なり方が短音階の響きを感じさせる音程のため、長調の作品ながら悲しい感じに聴こえてくるように感じてしまいます。

 …単に私の耳の聞こえが悪いだけの話かもしれませんが…(^_^;A 。

 

 

副題(サブタイトル)表記が流行っていた頃

 1990年代中頃は、アルファベット表記の曲や歌手名が目立ちます。1980年代までのヒット曲には、“海外の音楽を日本の音楽に取り入れる”という価値観がうかがえました。

 振り返ってみると、1990年代中頃は、そういった和洋折衷の価値観は薄れて、洋(海外の音楽)に傾倒した時代だったと感じます。

 

 英語表記が重視されていたようで、曲名の後ろに日本語のサブタイトルが付けられた作品が多く登場しました。

 

 「Hello, Again ~昔からある場所~」は、なかなかタイトルが出てきません。曲が完結して、最後のフェードアウトする箇所で初めて登場します。

 

 この作品のタイトルは、もっと印象的な日本語タイトルであってもいいのに、意図的に避けているようにも感じます。作者が具体的な描写をしないように心がけているような印象があります。

 

 しかし抽象的な心理描写でありながら、聴き手に伝えたい事を表現できている作品と感じます。

 

 

楽曲分析

 「Hello, Again ~昔からある場所~」はEメジャー(ホ長調)です。Aメロはホ長調ですが、Bメロでは悲しい響きを感じるため、並行調のハ短調に変化しているような印象を受けます。

 サビのCメロでは、ホ長調の同主調であるホ短調に転調しています。

 

 平成のヒット曲ですが、イントロや間奏も覚えやすいメロディで、昭和の流行歌の性質を備えている作品と感じます。

 

 

 安室奈美恵さんやシャ乱Qさんがブレイクされた年で、テンポの速い作品が目立つ時期ですが、この作品は♪=96と、スローテンポです。  

 音楽配信でも根強い人気を感じますので、幅広い層の方々の記憶に残っている作品と感じます。

 

 

曲情報

 発売元:株式会社トイズファクトリー

 品番:TFDC-28037

 

 A面

  「Hello, Again ~昔からある場所~」

  作詞:KATE

  作曲:藤井謙二&小林武史

  編曲:小林武史&MY LITTLE LOVER

 

 

 B面

  「Delicacy」

  作詞:KATE

  作曲:小林武史

  編曲:小林武史&MY LITTLE LOVER

 

 

参考資料

 「Hello, Again ~昔からある場所~」CDジャケット

 「you大樹」オリコン

 『全音歌謡曲大全集8』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」