ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「007のテーマ」ジョン・バリー・セヴン楽団(昭和39年)

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流行時期(いつ流行った?)

 ジョン・バリー・セヴン楽団さんの「007のテーマ(ジェームズ・ボンドのテーマ)」は、昭和39年(1964年)にヒットしました。

 

 1964年5月に発売された『007/危機一発 サウンドトラック盤』のB面に収録されています。

 A面はマット・モンローさんの「ロシアより愛をこめて」です。

 

 『ミュージックマンスリー』の月間売上ランキングによると、「ロシアより愛をこめて」は、1964年の6月から10月にかけてヒットしています。

 

 

<「ロシアより愛をこめて」ランキング推移>

年月 順位
昭和39年05月 17位
昭和39年06月 5位
昭和39年07月 2位
昭和39年08月 4位
昭和39年09月 4位
昭和39年10月 7位
昭和39年11月 16位

『ミュージックマンスリー』、今月のベストセラーズの洋楽ポピュラーより

 

 

同時期に流行った曲(昭和39年7月~9月)

 洋楽では、アストロノウツさんの「太陽の彼方に」ボビー・ソロさんの「ほほにかかる涙」ジリオラ・チンクェッティさんの「夢みる想い」が首位となっています。

 

 海外の方が日本語で吹き込まれた作品も目立ちます。ミルバさんの「ウナセラ・ディ東京」ポールとポーラさんの「二人の星をさがそうよ」がヒットしています。

 ビートルズさんが登場した後の時期ですが、エルヴィス・プレスリーさんの人気もあるようで「ラスベガス万才」がヒットしています。

 

 邦楽では、三波春夫さんの「東京五輪音頭」橋幸夫さんの「恋をするなら」青山和子さんの「愛と死をみつめて」が首位となっています。

 他には、石原裕次郎さんの「俺はお前に弱いんだ」西田佐知子さんの「東京ブルース」がヒットしています。

 

 

 


James Bond 007 Theme Tune (original)

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 Entertainment One U.S., LP(Silva Screen Records の代理); BMI - Broadcast Music Inc., LatinAutor - SonyATV, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, PEDL, EMI Music Publishing, SOLAR Music Rights Management, LatinAutor、その他 9 件の楽曲著作権管理団体 一部を表示

 

 

 

1960年代に人気となった「007」シリーズ

  「ジェームズ・ボンドのテーマ」は、現在も続く「007」シリーズのテーマ曲となっているため、幅広い世代に知られている音楽と思われます。

 

 レコードで考えると、このテーマ曲が日本で有名になったのは1964年と推測されます。

 

 1963年5月に日本コロムビアさんから、アル・カイオラ楽団さんの「ジェイムズ・ボンドのテーマ」が発売されています。

 前年に公開された『007は殺しの番号』のサウンドトラック盤と考えられますが、ヒットはしていません。

 

 毎年、新作映画が公開されていたようで、翌1965年には「ゴールド・フィンガー」、1967年には「007は二度死ぬ」のサウンドトラック盤がヒットしています。

 (1966年の「サンダーボール作戦」は、それほどヒットしていません。)

 

 

 

シリーズ2作目に収録された「007」テーマ曲

 1964年に公開された『ロシアより愛をこめて』は、007シリーズの映画化第2弾の作品で、当時は『007/危機一発』という邦題で上映されています。

 

 この映画が人気を集めたのであれば、テーマ曲が収録されているであろう第1作のサウンドトラック盤に人気が集まっても良さそうですが、なぜかB面に収録されています。

 

 東芝音楽工業さんは、シリーズ第1弾のサウンドトラック盤を発売されていません。おそらく第2作でも用いられた「ジェームズ・ボンドのテーマ」が人気になる事を予想して、他社のレコードに人気を取られないように、あえてB面に収録したのかも知れません。

 

 両A面と捉えても良いくらいの内容で、当時人気を集めたのではないか、と推測されます。

 

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「ジェームズ・ボンドのテーマ」はBマイナー(ロ短調)です。

 

 この作品がヒットしていた時期、日本ではエレキギターの演奏曲が人気となっています。

 「心のときめき」や「太陽の彼方に」がヒットしていましたが、この「ジェームズ・ボンドのテーマ」も、当時エレキギターを練習していた若者のレパートリーに含まれていたのかな?と考えたりします。

 

 

 エレキギターの演奏は同じ繰り返しながら、メロディに用いる音を半音ずらすなどして不安定さを生み出し、聴き手に緊張感を与えている気がします。

 

 エレキインストが終わると、楽団の演奏が始まる二部構成になっています。

 

 曲の後半で気分を盛り上げようとする仕掛けになっていると思いますが、2分に満たない短い時間のあいだで行われています。

 一度聴くだけ印象に残る、大胆なパフォーマンスをしていると感じる作品です。

 

 

曲情報

1964年 年間1位(洋楽ポピュラー)

 

レコード

 発売元:東芝音楽工業株式会社

 品番:OR-1057

 

 007/危機一発 サウンド・トラック盤

 

 A面

  「ロシアより愛をこめて」

  英題:FROM RUSSIA WITH LOVE

  作曲:ライオネル・バート

  歌:マット・モンロー

  演奏時間:2分33秒

 

 

 B面

  「007(ジェームズ・ボンド)のテーマ」

  英題:THE JAMES BOND THEME

  作曲:モンティー・ノーマン

  演奏:ジョン・バリー・セヴン楽団

  演奏時間:1分57秒

 

 

参考資料

 「ロシアより愛をこめて」レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 『洋楽シングルカタログ 東芝編』オールデイーズ

 『洋楽シングルカタログ コロムビア編』オールデイーズ

 『【ピアノ・ソロ】映画音楽百選』ケイ・ピー・エム

 「バンドプロデューサー5」