ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「天使の休息」久松史奈(平成5年)

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流行時期(いつ流行った?)

 久松史奈(ひさまつふみな)さんの「天使の休息」は、平成5年(1993年)にヒットしました。

 

  オリコンランキングでは、前年11月に発売されたCDシングルは、翌年2月に最高順位を記録しています。

 

 ドラマ主題歌のタイアップ作品ですが、発売されてしばらく経ってから人気が高まった事は珍しく感じます。

 

 


天使の休息

注)久松史奈 - トピックの動画

 

 

新社会人が主人公?

 1990年代前半のJ-POPでは、“就職・仕事、結婚”というフレーズが目立つ印象があります。いずれも学校を卒業してから直面する単語です。

 

 "流行りの音楽=学生をターゲットにしている"と考えていますので、"就職してからは自然と疎くなっていくもの"と捉えています。1990年代前半は、他の年代に比べると、就職後の世代からも支持を集めていたのかな?と想像しています。

 

 これまでのヒット曲では描かれなかった、就職~結婚を経験する新社会人の心境が様々な作品で描かれている事は興味深いです。

 

 抽象的に夢や希望を讃えるのではなく、現実と向き合って将来の事を考え始める年代の心理。「格好悪いふられ方」(1991)や「さよならイエスタディ」(1991)、「innocent world」(1994)、「HELLO」(1995)、「ら・ら・ら」(1995)・・・と色々思い浮かびます。

 

 

 「天使の休息」では、具体的に年齢を示す言葉は登場しませんが、"久しぶりに会った友達と、飲みながら語り明かす場面"が描写されています。

 

 心の中では学生時代の気持ちを失っていない描写がされているようで、おそらく新社会人の心境を表現しているのだろう、と感じます。

 

 

友情をテーマにした作品?

 「天使の休息」は"学生時代からの変わらない友情"をメインに描いていると感じます。

 

 歌詞に登場する友達が同性なのか異性なのかは描かれていませんが、旧友との再会を喜び、心を開いて近況報告や現在の悩み事などを楽しく語り合っている様子が伝わって来ます。

 

 こういった心理も、ヒット曲ではめったに見かけません。新社会人が主人公だから描ける歌詞だと思います。

 

 気楽に接する事が出来る友達と楽し気に盛り上がる様子は、容易に想像できるため、共感しやすいです。

 

 

 イントロやサビで、シンプルな8ビートのリズムに変わります。「KISS ME」(1992)や「はがゆい唇」(1992)でも用いられていますが、このリズムは聴いていて気分が盛り上がります。

 曲調が明るいため、主人公も久々に気晴らしが出来て「また明日からも頑張ろう!」という気持ちになっていると想像してしまいます。

 

 聴いている人にエールを送っているような、応援歌の要素も備えている作品と感じます。

 

 

 

曲情報

 発売元:BMGビクター株式会社

 品番:BVDR-137

 発売日:92.11.21

 

 A面

  「天使の休息」

  作詞:久松史奈・藤生ゆかり

  作曲:藤生ゆかり

  編曲:瀬尾一三

  収録時間:5分26秒

 

  読売テレビ・日本テレビ系全国ネット「綺麗になりたい」主題歌

 

 B面

  「PRECIOUS DREAMIN'」

  作詞:久松史奈

  作曲:羽田一郎

  編曲:村上啓介

  収録時間:3分48秒

 

  東京デザイナー学院グループ CMソング

 

 

参考資料

 「天使の休息」CDジャケット

 「you大樹」オリコン