流行時期(いつ流行った?)
クインシー・ジョーンズさんの「愛のコリーダ」は、昭和56年(1981年)にヒットしました。
4月に発売されたレコードは、6,7月に最高順位を記録しています。
<『レコード・マンスリー』月間ランキング推移>
年月 | 順位 |
昭和56年04月 | 8位 |
昭和56年05月 | 3位 |
昭和56年06月 | 2位 |
昭和56年07月 | 2位 |
昭和56年08月 | 4位 |
昭和56年09月 | 5位 |
昭和56年10月 | 7位 |
注1)Quincy Jones 公式アーティストチャンネルの動画
注2)アルバム音源のようです。演奏時間がシングル盤より長いです。
なぜ日本語のタイトルなのか?
どうしてクインシー・ジョーンズさんが、原題を「AI NO CORRIDA」としたのか?…その理由はレコードジャケットにも記載が無いため、謎でした。
しかし、この作品はクインシー・ジョーンズさんのオリジナル曲ではなく、過去の作品をカバーしていた事がようやく分かりました。
オリジナルは、Chas Jankelさんが前1980年に発表されたアルバムの収録曲です。
Chas Jankelに関してインターネットで検索してもほとんど情報がありませんので、当時無名だった事や、その後功績を残せなかった事を想像してしまいます。
ゼロから物を作る事の難しさは理解しているつもりですが、ここは、クインシー・ジョーンズさんの、"光る原石を発掘されるプロデューサーとしての目の付け所"を評価するべきなのかな?と考えます…。
下の動画がオリジナル作品です。おそらくクインシー・ジョーンズさんも当時視聴していたと思われます♪
イギリス人のChas Jankelさんが、日仏合作映画『愛のコリーダ』(1976年公開)に影響を受けていた、という事になりそうですね。
注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 MRC(Tirk の代理); CMRRA, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, ASCAP, LatinAutorPerf, LatinAutor - PeerMusic, Sony ATV Publishing, LatinAutor - SonyATV, LatinAutor, BMI - Broadcast Music Inc., ARESA, BMG Rights Management (US), LLC、その他 5 件の楽曲著作権管理団体
フュージョンって何?
「愛のコリーダ」はフュージョンに該当する作品と捉えています。日本では1970年代後半から広がり始めた音楽表現と思います。
私は1960年代以前のジャズを基礎に、1970年代以降の電子楽器(シンセサイザー)を取り入れた作品をフュージョンと呼ぶ、という解釈をしています…(汗)。
デジタル技術の進歩で誕生した楽器と融合しつつ、ジャズの雰囲気は損なわないサウンド。
そのようなサウンドを実現するためには、たくさんの壁を乗り越えないといけないと考えています。
"楽器"を"人間"に置き換えると、学校・会社といった組織で、"新しく入った方々"と"既存の方々"がうまく融合してより良く発展させる、というお話になりますので…(^^;A。
マイケル・ジャクソンさんの育ての親
クインシー・ジョーンズさんの最大の功績は、マイケル・ジャクソンさんをプロデュースされた事と思っています。
おそらくこの方がおられなければ、マイケル・ジャクソンさんがキング・オブ・ポップとなる可能性は低かったと考えています。(「AI NO CORRIDA」も、クインシー・ジョーンズさんがカバーしなければ無名で終わっていたと想像しています…。)
「愛のコリーダ」をカバーされた1981年時点では、後世に伝説として語られる『スリラー』は発売されていませんが、すでに『オフ・ザ・ウォール』(1979)のプロデュースをされています。
「この人は、こういう表現をすればもっと輝く事が出来る!」と、"他人の才能を見抜き、信頼関係を築いて育成できる能力"には、ただただ純粋な尊敬が生まれます。
音楽業界では、クインシー・ジョーンズさんのようなプロデューサーの存在は、アイドル発掘の番組で用いられがちですが、とても器の大きい存在と感じています。
日常生活でも、所属する組織(家族・学級・会社などなど)のなかで、師と仰げる方と出会いは存在しますね。
歌も人も出会いで運命が変わっていくのかな?と感じています。
曲情報
発売元:ビクター音楽産業株式会社
アルファレコード株式会社
品番:AMP-716
躍動感溢れるキャッチーなサウンド、ほとばしる無限のエネルギー!よりファンキーに、ポップに、変容を重ねるクインシー・ジョーンズ三年振りのニュー・シングル登場!
A面
「愛のコリーダ」
英題:AI NO CORRIDA
演奏時間:4分12秒
B面
「ゼアーズ・ア・トレイン・リーヴィン」
英題:THERE'S A TRAIN LEAVIN'
演奏時間:4分56秒
プロデュース:クインシー・ジョーンズ
参考資料
「愛のコリーダ」レコードジャケット
「you大樹」オリコン
『レコード・マンスリー』日本レコード振興株式会社
『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン