ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。戦前戦中をけんきゅうちゅう。

「愛のコリーダ」クインシー・ジョーンズ(昭和56年)

f:id:hitchartjapan:20201226225918j:plain

流行時期(いつ流行った?)

 クインシー・ジョーンズさんの「愛のコリーダ」は、昭和56年(1981年)にヒットしました。

 

 4月に発売されたレコードは、6,7月に最高順位を記録しています。

 

<『レコード・マンスリー』月間ランキング推移>

年月 順位
昭和56年04月 8位
昭和56年05月 3位
昭和56年06月 2位
昭和56年07月 2位
昭和56年08月 4位
昭和56年09月 5位
昭和56年10月 7位

 

 


Ai No Corrida

注1)Quincy Jones 公式アーティストチャンネルの動画

注2)アルバム音源のようです。演奏時間がシングル盤より長いです。

 

 

 

なぜ日本語のタイトルなのか?

 どうしてクインシー・ジョーンズさんが、原題を「AI NO CORRIDA」としたのか?…その理由はレコードジャケットにも記載が無いため、謎でした。

 

 しかし、この作品はクインシー・ジョーンズさんのオリジナル曲ではなく、過去の作品をカバーしていた事がようやく分かりました。

 

 オリジナルは、Chas Jankelさんが前1980年に発表されたアルバムの収録曲です。

 

 Chas Jankelに関してインターネットで検索してもほとんど情報がありませんので、当時無名だった事や、その後功績を残せなかった事を想像してしまいます。

 

 

 ゼロから物を作る事の難しさは理解しているつもりですが、ここは、クインシー・ジョーンズさんの、"光る原石を発掘されるプロデューサーとしての目の付け所"を評価するべきなのかな?と考えます…。

 

 

 下の動画がオリジナル作品です。おそらくクインシー・ジョーンズさんも当時視聴していたと思われます♪

 

 イギリス人のChas Jankelさんが、日仏合作映画『愛のコリーダ』(1976年公開)に影響を受けていた、という事になりそうですね。

 

 


www.youtube.com

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 MRC(Tirk の代理); CMRRA, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, ASCAP, LatinAutorPerf, LatinAutor - PeerMusic, Sony ATV Publishing, LatinAutor - SonyATV, LatinAutor, BMI - Broadcast Music Inc., ARESA, BMG Rights Management (US), LLC、その他 5 件の楽曲著作権管理団体

 

 

フュージョンって何?

 「愛のコリーダ」はフュージョンに該当する作品と捉えています。日本では1970年代後半から広がり始めた音楽表現と思います。

 

 私は1960年代以前のジャズを基礎に、1970年代以降の電子楽器(シンセサイザー)を取り入れた作品をフュージョンと呼ぶ、という解釈をしています…(汗)。

 

 デジタル技術の進歩で誕生した楽器と融合しつつ、ジャズの雰囲気は損なわないサウンド。

 

 そのようなサウンドを実現するためには、たくさんの壁を乗り越えないといけないと考えています。

 

 "楽器"を"人間"に置き換えると、学校・会社といった組織で、"新しく入った方々"と"既存の方々"がうまく融合してより良く発展させる、というお話になりますので…(^^;A。

 

 

マイケル・ジャクソンさんの育ての親

 クインシー・ジョーンズさんの最大の功績は、マイケル・ジャクソンさんをプロデュースされた事と思っています。

 

 おそらくこの方がおられなければ、マイケル・ジャクソンさんがキング・オブ・ポップとなる可能性は低かったと考えています。(「AI NO CORRIDA」も、クインシー・ジョーンズさんがカバーしなければ無名で終わっていたと想像しています…。)

 

 「愛のコリーダ」をカバーされた1981年時点では、後世に伝説として語られる『スリラー』は発売されていませんが、すでに『オフ・ザ・ウォール』(1979)のプロデュースをされています。

 

 

 「この人は、こういう表現をすればもっと輝く事が出来る!」と、"他人の才能を見抜き、信頼関係を築いて育成できる能力"には、ただただ純粋な尊敬が生まれます。

 

 音楽業界では、クインシー・ジョーンズさんのようなプロデューサーの存在は、アイドル発掘の番組で用いられがちですが、とても器の大きい存在と感じています。

 

 日常生活でも、所属する組織(家族・学級・会社などなど)のなかで、師と仰げる方と出会いは存在しますね。

 

 歌も人も出会いで運命が変わっていくのかな?と感じています。

 

 

曲情報

 発売元:ビクター音楽産業株式会社

     アルファレコード株式会社

 品番:AMP-716

 

 躍動感溢れるキャッチーなサウンド、ほとばしる無限のエネルギー!よりファンキーに、ポップに、変容を重ねるクインシー・ジョーンズ三年振りのニュー・シングル登場!

 

 A面

  「愛のコリーダ」

  英題:AI NO CORRIDA

  演奏時間:4分12秒

 

 

 B面

  「ゼアーズ・ア・トレイン・リーヴィン」

  英題:THERE'S A TRAIN LEAVIN'

  演奏時間:4分56秒

 

 

  プロデュース:クインシー・ジョーンズ

 

 

参考資料

 「愛のコリーダ」レコードジャケット

 「you大樹」オリコン

 『レコード・マンスリー』日本レコード振興株式会社

 『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン