ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「朝日のあたる家」アニマルズ(昭和39年)

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流行時期(いつ流行った?)

 当時、レコード店の販促冊子『ミュージックマンスリー』に掲載されていた月間ランキングによると、アニマルズさんの「朝日のあたる家」は、昭和39年の11、12月にかけてヒットしたようです。

 

集計日付 順位
昭和39年10月 18位
昭和39年11月 2位
昭和39年12月 2位
昭和40年1月 4位
昭和40年2月 11位

※『ミュージックマンスリー』洋楽ランキングの推移

 

 

 


The House of the Rising Sun

注)The Animals 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

 東京五輪の開催後に登場したグループ

 昭和39年(1964年)は、日本では東京オリンピックが開催された年です。昔は、東京オリンピックの開会式が行われた10月10日を体育の日として祝日に制定されていましたが、アニマルズさんの「朝日のあたる家」がヒットし始めたのは翌月の11月です。

 

 【東京オリンピックの開催後】という事は、ヒットチャートの歴史では、【ビートルズさんの登場後】と表現する事もできます。

 

 オリコンが始まったのが1968年なので、1960年代の正確な記録が残っていない日本では、昭和39年に登場したビートルズさんの人気が、伝説化されているように感じます。

 

 しかし、アニマルズさんの「朝日のあたる家」も、後の日本の流行歌に大きな影響を与えた作品であると捉えています。

 

 

後世の歌謡曲に影響を与えた「朝日のあたる家」

 私が「朝日のあたる家」の表現力に感動したのは、全力で歌唱するボーカルです。

 

 レコードジャケットの表紙には「(コーラス)アニマルズ」と印字されていますが、この作品を聴いて、『ビートルズさんの作品と同じように、コーラスのハーモニーが素晴らしい』と感じた方はおられないと思います。

 

 当時レコードを購入された方は、「1人の男性ボーカルが、自分が発声できる音域で精一杯歌唱する歌声」に心を揺さぶられた事と思います。

 

 楽譜で確認すると、歌い出しの最低音と、サビの最高音の差がちょうど2オクターブになっています。

 

 曲を聴いた方にとっては、サビが最も印象に残っていると思います。この歌唱を“絶叫”と表現すると違和感があるかも知れません。

 表現する側のアニマルズさんが、作品で描こうとしている想いを表現するために、全力で出せる音域で歌唱したフレーズが多くの人たちの心に届いた事と思います。

 

 ビートルズさんも表現しなかった“叫び”を表現している事が、「朝日のあたる家」の個性であると感じます。

 聴き手の心のうちに秘めた感情に届くような歌唱であると感じます。

 

 この曲がヒットするまで、感情をむき出しにするヒット曲は登場しませんでしたが、翌年に登場する美樹克彦さんや、2年後に登場する布施明さんの作品に影響を与えたのではないか?と考えています。 

 

楽曲分析

 バンドプロデューサー5の分析では、「朝日のあたる家」はAマイナー(イ短調)です。♪ツツツタタタの、ロッカバラード(スローロック)も、日本人が好むリズムのため支持を集めたのかも知れません。

 

曲情報

1964年 年間24位(洋楽)、1965年 年間34位(洋楽)

 

 

レコード

 発売元:東芝音楽工業株式会社

 品番:OR-1146

 A面

  「朝日のあたる家」

  原題:THE HOUSE OF RISING SUN

  演奏時間:4分26秒

 

 B面

  「トーキン・アバウト・ユー」

  原題:TALKIN' ABOUT YOU

  演奏時間:1分51秒

 

参考資料

 「朝日のあたる家」レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 『永遠のポップス①』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」