ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「香水」瑛人(令和2年)

流行時期(いつ流行った?)

 瑛人(えいと)さんの「香水」は令和2年(2020年)にヒットしました。

 

 moraさんのランキングによると、ヒットし始めた2020年に再配信されたようで2019年配信開始盤と2020年配信開始盤の2バージョンが記録されています。

 

 

<mora~WALKMAN公式ミュージックストア~月間ランキング推移>

年月 2019/04/21配信開始 2020/08/03配信開始 備考
通常 ハイレゾ 通常 ハイレゾ
令和元年04月 圏外 圏外 - - 4/21配信開始
令和元年05月 圏外 圏外 - - YouTubeにOfficial Music Video投稿
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
令和02年05月 51位 圏外 - -  
令和02年06月 6位 圏外 - -  
令和02年07月 7位 82位 - -  
令和02年08月 圏外 圏外 6位 44位 8/3配信開始。2019年盤が配信・ストリーミングでプラチナ認定
令和02年09月 圏外 圏外 8位 58位  
令和02年10月 圏外 圏外 21位 81位 ゴールド(10万DL)認定
令和02年11月 圏外 圏外 25位 圏外  
令和02年12月 圏外 圏外 24位 圏外  
令和03年01月 圏外 圏外 27位 圏外  
令和03年02月 圏外 圏外 95位 圏外  

 

 


www.youtube.com

注)瑛人 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

 後世に語られるであろうコロナ禍の自粛生活を象徴する流行歌と思います。

 

 

「♪ドールチェアーンドガッバーナ~」のインパクト

 「香水」が支持された最大の理由は【棒読みされ続けてきた海外ブランド名にメロディを与えた事】と解釈しています。

 

 作り手の意図とは関係なく聴き手がつい歌ってみたくなる「ドールチェアーンドガッバーナ」のフレーズ。

 

 「こんなとこにいるはずもないのに」や「行ったり来たり」に匹敵すると感じます。

 

 なぜか耳にした人たちの心に残り、口ずさみたくなるフレーズ。

 

 何が心をそうさせるのかは分かりませんが、この心理は面白いです。

 

 つい言いたくなる流行語の要素を備えていると感じます。

 

 

底の底まで落ち込んだ心理を歌う

 サビのブランド名のインパクトが強すぎて印象に残りにくいですが、「香水」は自らの事を簡単に"クズ"と断言するくらい、とてもネガティブな心境がつづられています。

 

 ヒット曲ではここまで落ち込んだ心情表現が支持される事はなかなかありません。

 

 当時を知りませんがオイルショックで戦後初のマイナス成長となった翌年に「昭和枯れすすき」(1975年)が支持を得た理由に重なる部分があるかも知れないと解釈しています。

 

 【日常生活が突然不安に陥いってしまう出来事】という点では、オイルショックと新型コロナウイルス感染症は共通していると思います。

 

 (調べていませんが、世界恐慌から数年後に制作された「暗い日曜日」も似た現象が起きていたのかも知れません。)

 

 

"男性が"底の底まで落ち込んだ"男性"心理を歌う

 【男性歌手が、自尊心を失うくらい落ち込んだ男性心理を歌う事】も「香水」の個性と感じます。

 

 男性歌手が「自分はバカだ、ダメなやつだ」という心情を描いたヒット曲と言えば、1970年代の「心のこり」(1975年)や「よせばいいのに」(1979年)のような歌謡曲が思い浮かびますが、これらの作品は【主人公が女性】です。

 

 

 【男性歌手が男性主人公で「自分はクズだ」と歌うくらいネガティブなヒット曲】。

 

 もしかすると「香水」が初めてかも知れません。

 

 「女々しくて」(2012年、2013年)が似た価値観を持っていると感じますが、「自尊心が傷ついた心理をユーモアでごまかしている」と解釈できるので少し違う気がします。

 

 

海外からも変化を求められる2020年代?

 【男が泣き言をいうなんてとんでもない】という価値観。

 

 大切にすべき日本特有の文化?「みんながそうして来たから」の習慣?

 

 「香水」のヒットは、既存の価値観を破ったという意味を持つ作品と思います。

 

 そして2020年代は、今まで「そういうもの」として黙認され続けてきた価値観が目に見えて変わり始めていると思います。

 

 (令和になってからレコード大賞も変わった印象です。)

 

 

 ・・・気になるのは2023年の日本が、なぜか海外から厳しい目で見られ「変化を強要されている」ような印象を受ける事です。

 

 戦争をしているウクライナへ首相が訪問した事、ITインフラの遅れを取り戻すためかマイナンバーを強引に進めた事、長年に渡る組織的な未成年への性犯罪が海外メディアから指摘されて問題化した事。

 

 ・・・まるで黒船来航の頃みたいに「欧米の基準を突き付けられている?」と感じます。

 

 世界はもっと進んでいるのでしょうか。

 

 

参考資料

 「音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~」

 一般社団法人 日本レコード協会 (riaj.or.jp)