ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。戦前戦中をけんきゅうちゅう。

「踊」Ado(令和3年)

流行時期(いつ流行った?)

 Adoさんの「踊(おど)」は、令和3年(2021年)にヒットしました。

 

 4月末に配信された楽曲は翌月に最高順位を記録しています。

 

<mora~WALKMAN公式ミュージックストア~月間ランキング推移>

年月 順位
令和03年04月 19位
令和03年05月 7位
令和03年06月 15位
令和03年07月 19位
令和03年08月 25位
令和03年09月 18位
令和03年10月 25位
令和03年11月 54位

 

 


www.youtube.com

注)Ado 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

インパクトのあるヒットを乗り越えて

 「うっせえわ」(2021)がヒットした事は、良くも悪くもその後の活動の重荷となっただろうと想像できます。

 

 インパクトのある作品が支持されると、聴き手の固定概念が築かれてしまいます。

 

 次作への期待のハードルが高くなる傾向がありますが、それを乗り越える事ができた理由は、Adoさんの歌唱力と思います。

 

 「踊」は他の作品に比べて様々な感情が登場します。作詞者が違っても歌詞の心理を理解して表現できる歌い手と感じます。

 

 

拒絶の心理を音楽であいまいに

 Adoさんが発表されたシングルは全て作詞作曲が異なります。

タイトル 作詞 作曲 配信開始日
うっせぇわ syudou syudou 2020/10/23
レディメイド すりぃ すりぃ 2020/12/24
ギラギラ てにをは てにをは 2021/02/14
DECO*27 Giga、TeddyLoid 2021/04/27
夜のピエロ biz biz 2021/06/14
会いたくて みゆはん みゆはん 2021/08/12
阿修羅ちゃん Neru Neru 2021/10/28

 

 この中で人気が高い作品は、「うっせえわ」、「踊」、「阿修羅ちゃん」と思われます。

 

 この3曲には、不満をさらけ出す心理が描かれている事、曲調が覚えやすくアップテンポである事、という共通点があります。

 

 

 歌の主題としては不向きな"相手を拒絶する心理"を扱う際は、「うっせえわ」のように自虐も交える作詞が多いです。

 

 Adoさんの作品では、作曲にも否定の意志表示を和らげる工夫がされていると感じます。

 

 めまぐるしく歌い続けるメロディは、聴き手に「一時の感情で、勢いで言っているのだろう。」と感じさせます。

 

 早口でまくしたてるような騒々しい音楽である事が必要であると感じますが、3曲とも"メロディが覚えやすい"という共通点も気になります。

 

 覚えやすい=音楽知識が無くても分かる=シンプルという事になると考えています。

 

 凝らずに簡潔な音楽にすることは、聴き手のストレスを軽減する要素があります。

 

 何度聴いても「また文句言ってるよ。」程度の感覚で受け止めてもらえるように、心象を和らげるテクニックなのだろうと感じます。

 

 この覚えやすいメロディは昭和歌謡に通じるため、私は今年人気となったアーティストで気になりました。

 

 

曲情報

  作詞:DECO*27

  作編曲: Giga、TeddyLoid

 

  NHK総合『夜光音楽 ボカロP 5min.』テーマソング

 

参考資料

 Ado|1st Album「狂言」特設サイト

 「音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~」