ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「会いたくて 会いたくて」西野カナ(平成22年)

流行時期(いつ流行った?)

 西野カナさんの「会いたくて 会いたくて」は、平成22年(2010年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると5月中旬に発売されたシングルCDは5月末に上位にランクインしています。

 

 音楽配信では3ヶ月上位にランクインし、100万ダウンロードを達成されています。

 

 

<レコチョク月間ランキング、配信認定の推移>

年月 順位 配信認定
平成22年05月 1位 着うたフル®(25万DL達成)
平成22年06月 1位 着うたフル®(75万DL達成)
平成22年07月 2位  
平成22年08月 13位 着うたフル®(100万DL達成)
平成22年09月 28位  
平成22年10月 39位  
平成22年11月 30位  
平成22年12月 24位  
平成23年01月 28位  
平成23年02月 69位  
・・・ ・・・  
平成23年12月 100位  
平成24年01月 86位  
平成24年02月 59位  
・・・ ・・・  
平成24年11月 - シングルトラック(10万DL認定)

 

 

 


www.youtube.com

注)西野カナ Official YouTube Channel 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

感情が伝わって来る歌詞

 様々なヒット曲を聴いていると、心情がダイレクトに伝わって来る歌詞に出会う事があります。

 

 個人的な感想ですが、"現在進行形の気持ちが綴られた歌詞"に多い気がします。「会いたくて 会いたくて」はこのタイプの作品です。数は少ないですが「私は泣いています」(1974年)あたりがルーツになるのでしょうか。

 

 "時間が経って気持ちを整理できた心理状態で過去を振り返る歌詞"も心情が伝わりますが、この作風は後からジーンと心に響いてくる感覚です。こちらは「香水」(2020年)や「ドライフラワー」(2021年)等、どの時代にも多数あります。

 

 

 リアルタイムの心境を描く作品は、"今とても幸せ"よりも"今とても悲しい"の方が支持される気がします。

 

 自分の気持ちの整理が出来ないくらい取り乱した心境が描かれますが、その後主人公がどうなったのか?は描かれません。

 

 救いの無い、終わらない悲しみは聴き手に伝わりやすいと思います。

 

 なかにし礼さんが「今日でお別れ」(1970年)や「ホテル」(1985年)で描かれた世界観に似ている気がします。

 

 

嫉妬心も感じる歌詞

 "リアルタイムの感情を歌詞にする事"はとても難しいと思います。

 

 生々しさは経験者でしか語れないと考えているからです。

 

 想像力だけで書けないと思います。実体験か、他の人の経験談を念入りに取材するくらいの努力が必要な作詞法と思います。

 

 「会いたくて 会いたくて」では別れを告げられた主人公の気持ちを整理できない心境が綴られますが、「今頃、あの子と楽しんでるの?」、「あの子と幸せになってほしいとは思わない」と明確に嫉妬する心境も描かれています。


 流行歌で嫉妬心を感じさせる歌詞・・・意外と思いつきません。「何んでもないわ」(1966年)はやきもち?、「怨み節」(1973年)は憎しみ、「まちぶせ」(1981年)は強がり・・・近い心情を描いた作品があるようで見当たりません。(このテーマ面白そうです。)

 

 

 流行歌はなぜか後世に茶化される事があります。これは悪い事では無く、それだけ愛されている作品に成長した証と思います。(調べるのは大変ですが、このテーマも面白そうです。)

 

 この曲の場合は、歌い出しのフレーズが愛されていると思います。

 

 冷静でいられない時、怒りに近い感覚を覚えたときは手が震えたりしますので、そういった心理状態を表現されているのだろう解釈しています。

 

 このような詞を書ける西野カナさんの才能を感じます。

 

 

参考資料

 「レコチョク」Webサイト

 「you大樹」オリコン

 「Discography | 西野カナ オフィシャルサイト (nishinokana.com)」Webサイト