ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「Habit」SEKAI NO OWARI(令和4年)

流行時期(いつ流行った?)

 SEKAI NO OWARIさんの「Habit」は、令和4年(2022年)にヒットしました。

 

 オリコンデジタルランキングによると、4月下旬に配信開始されたシングルは初登場と同時に人気が集まっていますが、6月に入ってから再び人気を集め始めます。

 

 最もヒットしたのは7月と思われます。

 

 ”楽曲が発売されてから時間差で人気が高まる曲”。昭和のヒット曲の流行り方を感じるランキング推移です。

 

 


www.youtube.com

注)SEKAI NO OWARI 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

 "すでに実績を残しているアーティストの作品"である事も、ヒットチャート的に異色です。

 

 今の時代の価値観を描いた歌詞に共感が集まったのだろうと想像しています。

 

 時代を反映したヒット曲として、日本の流行歌史に名を残す作品と感じます。

 

 

伝えたい事が伝わりやすいように表現

 "一度聴いただけで、楽曲が伝えたい事を容易に理解できる作品"が「Habit」の個性と感じます。

 

 音楽知識の少ない私がすぐに理解できるという事は、それだけシンプルな音楽表現という事になります。昭和の流行歌のような"分かりやすさ"です。

 

 そして音楽表現を簡潔にする代わりに、伝えたいメッセージがこの作品の魅力です。

 

 今の若者に向けて伝えたい事、「RPG」(2013)で触れられていた"世間体の価値観に囚われないでほしい。"という気持ちを前面に表現された作品と思います。

 

 

"ステレオタイプは良くない"という普遍的な主題

 「Habit」の歌詞では"分類"と表現されていますが、"レッテルを張る"価値観は昭和から存在します。

 

 歌詞に登場する"陰キャ・陽キャ"も"ネクラ・ネアカ"(1982年の流行語)の現代版、この言葉が生まれる心理の根底には、ステレオタイプカテゴライズという考え方が存在していると思います。

 

 日本語では"思い込み・先入観"や"世間体"が該当すると思います。

 

 ステレオタイプは"限定的な範囲で情報を整理できる思考法"と思いますが、複雑な世の中に当てはめる事は出来ません。そして生きていると知らぬ間に経験則で築かれてしまう思考法と実感しています。(自分の生き方がベースに築かれるので主観を拭えない事が残念ですね・・・)

 

 「Habit」は普遍的な生き方のテーマを扱っています。

 

 "個性"という言葉が生まれたであろう1980年代中頃から少し触れるようなヒット曲が登場し始めましたが、主題に用いた作品は他に思い浮かびません。

 

 

若い世代の主張がヒット曲に反映され始めた?

 "マスクをして外出する事が常識"となっているコロナ禍が続いていますが、個人的に今年の気になるヒット曲は"若い世代目線"で描かれてる作品が多い気がします。

 

 今年のニューフェイスでヒットしたさユりさんの「花の塔」yamaさんの「色彩」で感じました。

 

 コロナ禍を経験した若い世代は右往左往している社会に目の当たりにしているので、他の世代に比べて大人に批判的な価値観を持っているかもしれません。

 

 SEKAI NO OWARIさんは自虐的に大人の視点で語りかけていますが、いつの時代でも何が起きるか分からない世の中、"大人の言う事がいつも正しい"という先入観は持たないでほしいと思います。

 

 

参考資料

 「you大樹」Webサイト