ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「La Tribu de Dana」Manau(1998年)

 

f:id:hitchartjapan:20191204210833j:plain

『PANIQUE CELTIQUE』Manau

流行時期(いつ流行った?)

 TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Manauさんの「La Tribu de Dana」は、1998年5月から10月上旬にかけてヒットしています。

 

 6か月のあいだ10位圏内にランクインし続け、6中旬から9月初めにかけて12週間連続で首位となっています。

 

 フランスではその年を代表する流行歌だったと推測されます。

 

 

同時期に日本で流行っていた曲(1998年6月中旬~9月初め)

 the brilliant greenさんの「There will be love there -愛のある場所-」T.M.Revolutionさんの「HOT LIMIT」SPEEDさんの「ALIVE」ラルク・アン・シエルさんの「HONEY」KinKi Kidsさんの「全部抱きしめて」等の作品が首位を獲得しています。

 

 ほぼ週替わりで首位作品が入れ替わっているものの、その年を代表するヒット曲が首位を獲得している印象を受けます。

 

 他にもヒット曲が多いと感じる時期です。Kiroroさんの「未来へ」MISIAさんの「つつみ込むように・・・」TUBEさんの「きっと どこかで」ポケット・ビスケッツさんの「Power」反町隆史さんの「POISON 〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」などがヒットしています。

 

 



Manau - La tribu de Dana

 

 

ワールドミュージックが支持され始めた1998年

 2019年現在は海外のニュースを見聞きしても、あまり「自国以外の人たちを受け入れよう」という価値観は感じません。政治・経済どちらもよく分かっていませんが、世界的に自国の利益を重視する価値観に傾く時代が始まっているようです。

 

 

 フランスの20年ほど前のヒットチャートを見ていると、1998年から2007年頃は、異なる文化の音楽表現を用いた作品が多数ヒットしています。当時は【異文化の価値観を受け入れる心の余裕】があったように感じてしまいます。

 

 2002年にヨーロッパ各国で共通の通貨ユーロを実現した事などを考えると、この時代は「価値観の違う国であっても協力しよう!」という雰囲気が勝っていたのかも知れません。

 

 

 この期間、様々な国の民族音楽を思わせる作品がヒットしましたが、そのなかでフランスのヒット曲でも珍しく自国の文化圏であるケルト音楽を用いた「La Tribu de Dana」がヒットしました。

 

 タイトルを機械翻訳すると“ダナの部族”となります。ダナがどの地域か?何を歌っているのか?も分かりませんが、民族音楽を連想させるタイトルと感じます。

 

 ケルト音楽というと日本ではエンヤさんが有名です。オリコンランキングによると、1997年末ごろから2000年代初めに人気を集めています。

 

 たまたまでしょうが「La Tribu du Dana」は、日本でケルト音楽に関心が高まっていた時期にフランスでヒットしていたようです。

 

 

ケルト音楽とラップの融合

 当時流行していた音楽表現はラップです。そのためフランスでは、民族音楽+ラップの音楽表現が融合したヒット曲が目立ちます。

 

 この組み合わせは日本では他に聴いたことが無く、意外な音楽表現と感じますので、つい作品の世界観の魅力に引き付けられていまいます。

 

 ダナ族という人たちは想像なのか実在したのかは分かりませんが、プロモで所々で登場する中世ヨーロッパを連想させる独特な衣装をまとった人物の姿を見ると、色々と想像がふくらみます。

 

 聴き手の想像力を刺激する作品と感じます。

 

楽曲分析

  「バンドプロデューサー5」の分析では、「La Tribu de Dana」はCマイナー(ハ短調)です。

 

 

参考資料

 TOP50(http://www.chartsinfrance.net/

 「you大樹」オリコン

 『PANIQUE CELTIQUE』CDジャケット

 「バンドプロデューサー5」