ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「裏切者のテーマ」オージェイズ(昭和47年)

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流行時期(いつ流行った?)

 オージェイズ(O'JAYS)さんの「裏切者のテーマ(BACK STABBERS)」は、昭和47年(1972年)にヒットしました。

 

 『レコードマンスリー』の月間ランキングによると、9月下旬に発売されたレコードは、年末年始にかけてヒットしています。

 

<『レコードマンスリー』洋楽・月間ランキング推移>

年月 順位 (ECPA-41) 順位 (ECPB-269)
昭和47年10月 27位 -
昭和47年11月 9位 -
昭和47年12月 5位 -
昭和48年01月 5位 -
昭和48年02月 11位 -
昭和48年03月 19位 -
昭和48年04月 18位 -
昭和49年08月   24位

 

 

 1974年に、別品番のレコードがランクインしていますね(^^)/♪

 

 「ソウルといえばこの曲!」みたいな感じになっていたのでしょうか。

 

 


The O'Jays - Back Stabbers (1972 HD 720p)

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 SME(Columbia の代理); SOLAR Music Rights Management, CMRRA, LatinAutor - Warner Chappell, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, PEDL, LatinAutorPerf, LatinAutor - SonyATV, Warner Chappell, Sony ATV Publishing, BMI - Broadcast Music Inc.、その他 9 件の楽曲著作権管理団体

 

 

 動画は、おそらく当時アメリカで放送されていた音楽番組と思われます。

 

 曲に合わせて踊る方々が映っておりますので、ダンスミュージックとして受け入れられたのだろうと思います。

 

 歌い終った後のインタビューは、何を話されているのでしょうか?とても気になります。

 

 

日本でのソウル人気は今一つ?

 レコードには「これぞ72年のソウル!」というキャッチフレーズが印字されています。

 

 1960年代末にR&Bと定義されていた音楽ジャンルは、「裏切者のテーマ」がヒットした時期にはソウルと呼ばれるように変化したようです。

 

 R&Bとソウル。この2つのジャンルの違いは明確には分かりませんが、どちらも同義語として一般的に広まったように解釈しています。

 

 そして、ソウルミュージックは日本ではあまり人気が集まらなかったように感じます。

 

 

 1970年代以降、洋楽のシングル盤の売れ行きが落ち込み始めます。

 

 「裏切者のテーマ」も、上記ランキング推移ではヒットしたように感じてしまいますが、それほどヒットしていません。

 

 商圏が狭まった洋盤のみのランキングなので、洋楽ファンにとっては大ヒットという感覚だったと推測されます。

 

 邦盤と肩を並べるくらいヒットした洋盤には、カーペンターズさんや洋画のサウンド・トラック盤が目立ちます。

 

 ソウルミュージックの大きなヒット曲は見当たりません。

 

 

日本人がコピーできなかったのはリズム感?

 アメリカンポップスが全盛だった1960年代は、"メロディ重視"の作品が多かったと感じます。

 

 旋律を重視する日本と価値観が近かったため、和訳したカバー盤が企画される機会が多かったと思います。

 

 フォークとロックの新しい音楽表現も、日本風に解釈されてヒット曲に取り入れられる事に成功しました。

 

 …ところが、次に登場したR&B・ソウルは、同じ様に浸透する事はありませんでした。

 

 原因はリズムにあると想像しています。

 

 

拍をずらす"シンコペーション"

 1960年代以前のヒット曲は、洋邦関係なく、4拍子なら"1・2・3・4"と拍を理解できるシンプルさがあります。

 

 しかし、「裏切者のテーマ」はそうではありません。

 

 自分も楽譜を見て弾いてみようとしましたが、弾けませんでした…(>_<)。曲を聴きながら楽譜を見ても、「あれ?あれ?」ってなります。

 

 拍を意識するとメロディが入って来ない、メロディを意識すると拍を見失う、という感じです。

 

 原因は、音符を結ぶタイ記号が様々な箇所で登場するためです。

 

 "小節をまたぐタイ記号"が登場すると、肝心の"1・2・3・4の拍"を見失ってしまいます。(単に自分にリズム感が無いだけの話なのでしょうが…。)

 

 おそらくシンコペーションといわれる音楽技巧です。他のジャンルでも普通に存在しますが、R&B・ソウルでは特に重視される技巧、表現の基礎となるテクニックと思います。

 

 

 当時の日本ではフォークソングがブームですが、同じような感覚で、ソウルの音楽表現を解釈した、リズム感のある和風ソウルがヒットした記録は見当たりません。

 

 グループサウンズ出身の歌手なら歌えそうな気もしますし、作曲家はコピーできても肝心の歌手が歌えない、みたいななんらかの壁が存在していたのだろう、と思います。

 

 そして、ソウルのような"リズム重視の音楽"の登場が、日本の音楽が海外の流行と別の道を歩み始めるきっかけになった一因だろう、とぼんやり考えています。

 

 

曲情報

 発売元:CBS・ソニーレコード株式会社

 品番:ECPA-41

 

 これぞ72年のソウル!

 

 A面

  「裏切り者のテーマ」

  原題:BACK STABBERS

  演奏時間:3分5秒

 

 

 B面

  「サンシャイン」

  原題:SUNSHINE

  演奏時間:3分43秒

 

 

参考資料

 「裏切者のテーマ」レコードジャケット

 『レコード・マンスリー』日本レコード振興株式会社

 『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン