ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「みちづれ」牧村三枝子(昭和54年)

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流行時期(いつ流行った?)

 牧村三枝子さんの「みちづれ」は、昭和54年(1979年)にヒットしました。

 

 1978年10月末に発売されたレコードは、翌1979年8月に最高順位となっています。

 

<『レコードマンスリー』歌謡曲・月間ランキング推移>

年月 順位
昭和54年03月 22位
昭和54年04月 25位
昭和54年05月 12位
昭和54年06月 11位
昭和54年07月 13位
昭和54年08月 9位
昭和54年09月 20位
昭和54年10月 26位
昭和54年11月 25位
昭和54年12月 19位
昭和55年01月 27位

 

 5月~8月にかけて10位前後となっていますが、オリコンランキングでも、似た記録で残っています。

 

 年末12月に順位を上げている点も、どちらのランキングでも共通しています。

 

 1年近くもランクインし続けた、ロングセラー作品です(^^)/♪

 

 


みちづれ

注)牧村三枝子 - トピックの動画

 

 

"カラオケブーム"で人気を得た?

 「みちづれ」がヒットした1970年代末は、演歌・歌謡曲のヒット曲が目立ち始めます。きっかけは、カラオケだったようです。

 

 "カラオケ(karaoke)"は、世界共通語に成長した日本語です。1970年代前半に誕生したようですが、成長の過程を記録した資料は見つかっていません…(>_<)。

 

 日本人にとって、カラオケは気が付けば定着していた存在と思います。

 

 おそらく、「カラオケって楽しい!」と思った人がほとんどで、「カラオケは画期的な技術だ。普及した経緯を調べて記録に残そう!」と思った人はほとんどいなかったのだろう、と想像しています。

 

 カラオケは好きな歌を気軽に歌えて、楽しいですからね♪私は下手ですが好きです。(マスクを外して外出できるようになる日が待ち遠しい…(>_<)。)

 

 

埋もれた過去作品の発掘

 1979年には、なぜか金田たつえさんの「花街の母」(1973年発売)、小野由紀子さんの「他人船」(1971年発売)等、過去に発売された作品がヒットします。

 

 おそらくカラオケがきっかけで、過去に発売された作品が多くの人たちの耳に届いた事が理由と感じます。

 

 誰でも"お気に入りの曲"を持っています。そして、カラオケで誰かがその曲を歌っているのを聴いて、「良い曲ですね!誰の何という曲ですか?」と感じた作品が、口コミで人気となり、日の目を見るきっかけとなった、と解釈しています。

 

 最近は、カラオケボックスではなく動画投稿サイトが、近い役割を果たしているように感じます。「〇〇を歌ってみた」という投稿で話題となった瑛人さんの「香水」(2020)の流行り方は、1970年代のこの流行り方に似ていると感じます。

 

 「みちづれ」も、似たエピソードがあります。

 

 オリジナルは渡哲也さんが1975年末に発売されています。「くちなしの花」(1974)がヒットした翌年に発売されていますが、当時「みちづれ」がヒットした記録は残っていません。

 

 しかし、牧村三枝子さんは渡哲也さんの「みちづれ」を知っていたようで、「ぜひ『みちづれ』を歌わせてほしい!」と会社に頼んだ事で、レコード化が実現したようです。

 

 「他の歌手の作品を歌いたい」と願い出た理由は分かりませんが、牧村三枝子さんにとって、お気に入りの曲だったのだろうと思います♪

 

 

人を信じる決意を描いた詞

 おそらく恋人同士の2人が主人公の歌です。しかし主題は恋愛感情ではなく、人を信じる心と思います。

 

 「みちづれ」は、男性が「この人と一生を過ごしていきたい!」と感じる場面が何度も描かれています。

 

 しかし、その場面はそれほどドラマチックではありません。

 

 ふとした時の、女性の何気ない行動や反応を見て、「これからの人生をこの人と共に生きたい。」と心に誓う心情が綴られています。

 

 愛も感じますが、相手を信頼する心理も強く感じます。

 

 

 翌1980年から「おまえとふたり」「ふたり酒」など、演歌では夫婦愛を題材にした作品が目立ち始めます。

 

 「みちづれ」は夫婦として生きていく始まりを描いているので、長年共に過ごす中で築かれた愛情とは異なりますが、共通する心理が描かれていると感じます。

 

 

曲情報

 発売元:ポリドール株式会社

 品番:DR-6255

 

 A面

  「みちづれ」

  作詞:水木かおる

  作曲:遠藤実

  編曲:斉藤恒夫

  演奏時間:4分9秒

 

  ポリドール・オーケストラ

 

 

 B面

  「恋かがみ」

  作詞:水木かおる

  作曲:遠藤実

  編曲:斉藤恒夫

  演奏時間:3分56秒

 

  ポリドール・オーケストラ

 

 プロデューサー:利岡和孝

 ディレクター:小堀杏子、月野清人

 ミクサー:瀬沼洋

 AD&デザイン:松尾博(P.C.C)

 フォト:狩野昭雄

 タイトル:鈴木白鴻

 

 

参考資料

 「みちづれ」牧村三枝子盤 レコードジャケット

 「みちづれ」渡哲也盤 レコードジャケット

 「you大樹」オリコン

 『レコード・マンスリー』日本レコード振興株式会社

 『オリコンチャート・ブック アーティスト編全シングル作品』オリコン

 『歌謡曲おもしろこぼれ話』長田暁二 現代教養文庫