流行時期(いつ流行った?)
ホット・ブラッドさんの「ソウル・ドラキュラ」は、昭和51年(1976年)にヒットしました。
オリコンランキングでは、昭和51年の7月中旬から8月末にかけてベストテンにランクインしています。
当時人気だったディスコサウンドの作品ですが、シングル盤では最も人気を集めた作品ではないか?と感じます。
Hot Blood - Soul Dracula • TopPop
注)TopPop 確認済みの動画
…まさか、プロモーション・ビデオが存在していたとは(^^;A。
正体不明のディスコサウンド
1970年代の洋楽ディスコ・ブームは、研究しがいのある現象です。普段と違う流行り方です。
"どこの国の作品か分からない洋楽が、日本で支持を集めた事"が象徴的で、「ソウル・ドラキュラ」はこの典型です。
この曲は、Disques Carrereというフランスのレーベルから発売されています。しかし、フランスでヒットした記録は残っていません。
『CASH BOX』誌のINTERNATIONALチャートには、1977年発売号でオランダやブラジルでトップテン入りした記録が残っています。(ブラジルではHot Bloodさんではなく、Draculaと記載されています。)
日本は比較的早い時期に「ソウル・ドラキュラ」を輸入し、巷のディスコを通じて多くの人の耳に届ける事ができたのだろう、と想像します。
「日本の洋楽レーベルが、積極的にディスコのヒット曲をかき集め、商品化していた」と解釈できそうです。
実際にヒットしたシングル盤は十数枚ほどです。
中古レコード店には大量の70’sディスコシングル盤がワンコーナーを占めている事もあり、「短期間に大量消費され続けた音楽」という負の性質も帯びています…(>_<)。
昨今のCD売上ヒットチャートにも通じる流行り方と感じます。
レコードジャケットのデザインが、インパクトのあるダサさを備えており、ジャケ買いを狙わせる要素もあったのかな?と想像します。
70’sディスコで目立つコラボレーション
「ソウル・ドラキュラ」は"ディスコ+吸血鬼"のコラボをしていますが、ディスコサウンドは、多様なジャンル、キャラクターとミックスできる音楽表現が特徴です。
現在のように、ハロウィンが浸透していない時代なので、単純に「斬新で面白い!」という事で支持されたのだろうと思います。
イージーリスニングやコーラス、フォークやロック、ハワイアン、R&B等が流行した事がありますが、ソウルから発展したディスコサウンドは、そういったあらゆるジャンルの音楽を取り入れてディスコ化した作品が製作されました。
ジャズに近い音楽表現かも知れません。
海外作品では、リック・ディーズさんの「ディスコ・ダック」(1976)、ミーコさんの「スター・ウォーズのテーマ」(1977)、ポパイの主題曲や、フラメンコを取り入れた「悲しき願い」(1978)など、有名なアニメーションキャラや民族音楽を取り入れた作品も製作されています。
日本では「ソウルこれっきりですか」(1976、77)というコーラスのメドレー曲がランキングに登場しています。
流行ったとは言い切れませんが、エボニー・ウェップさんの「ディスコお富さん」や三橋美智也さんが「達者でナ」等をディスコ調にアレンジした作品を発表されています。
…昭和歌謡まで巻き込んだ70’sディスコ・ブーム、個性的な作品ばかりで、当時の過熱ぶりはスゴすごかったんだろうと思います(^^;A。
曲情報
発売元:テイチクレコード
品番:MA-18-V
A面
「ソウル・ドラキュラ」
原題:SOUL DRACULA
(L.Melwing - M.Ambruster - P.Duc)
演奏時間:3分52秒
B面
「ソウル・ドラキュラ~インストゥルメンタル」
原題:SANS DRACULA
(M.Ambruster - P.Duc)
演奏時間:2分55秒
Prod. by Hot Blood Production License Disques Carrere
Illustration = I.SANSUI
Design = H.MASUYAMA
●ウヘェー!あの吸血ドラキュラがディスコに出現!!全米のディスコを征覇した君の血も凍る戦慄の衝撃作!!
参考資料
「ソウル・ドラキュラ」レコードジャケット
『CASH BOX』海外誌