ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「孤独の太陽」ザ・ウォーカー・ブラザース(昭和42年)

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流行時期(いつ流行った?)

 ザ・ウォーカー・ブラザースさんの「孤独の太陽(原題:IN MY ROOM)」は、昭和42年(1967年)にヒットしました。

 

 『レコードマンスリー』のランキングによると、1966年12月に発売された「孤独の太陽」は、1967年3月に最高順位を記録しています。

 

集計日付 順位
昭和42年1月 18位
昭和42年2月 7位
昭和42年3月 3位
昭和42年4月 4位
昭和42年5月 13位
昭和42年6月 27位

参考)『レコードマンスリー』今月のベスト・セラーズ(洋楽・邦楽ポピュラー)

 

 

 


ザ・ウォーカー・ブラザーズ/孤独の太陽In My Room (1966年)

注)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 UMG(Island Mercury の代理); PEDL, Warner Chappell, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, EMI Music Publishing, Rumblefish (Publishing), UMPG Publishing, SODRAC、その他 10 件の楽曲著作権管理団体の動画

 

 

邦題の魅力

 ”太陽”は1960年代のキーワードです。多くの作品で用いられ、”若者の未来”や”希望”の象徴として明るさを与える存在で描かれてきました。

 

 プラスの価値観を持つ”太陽”に対して、マイナスの意味合いを備える"孤独の"で形容した経緯は興味深いです。

 "孤独"という単語も1960年代では目新しい表現です。たいていは”ひとりぽっち”と表現されていました。

 

 (余談になりますが、「孤独の太陽」というタイトルの作品は、1965年に同名異曲で有田弘二さんが発売されています。しかし、音楽雑誌のランキングには名前が残っていないため、ヒットしたかどうかは不明です…(^_^;A。)

 

 「孤独の太陽」という邦題は、楽曲の雰囲気と一致していると感じます。曲を聴いていると、外に向けて発散するべき若いエネルギーが、自分自身の内面を責めているような暗い気分、若者が何かの事で葛藤している姿を想像してしまいます。

 

 ボーカルの音域が低めで始まっている事も、主人公の気分が沈んでいる様子を感じさせる要素になっていると感じます。

 

 

描かれる塞ぎ込んだ心理

 1967年末から1970年にかけての数年の間、「命かれても」(1967年)や「昭和ブルース」(1969年)等、時折、重苦しい雰囲気の作品がヒットチャートに登場しています。

 

 なぜ、そこまで思い詰めた心境が描かれたのかは分かりませんが、レコード会社も当時の雰囲気を感じ取って、楽曲の制作を企画されたのだと思います。

 

 この作品が表現する世界は、そのさきがけのように考えたりもします。

 

 

 私は個人的な感覚で、イギリスの音楽はアメリカに比べると陰のあるサウンドを持っている、と考えていますが、「孤独の太陽」は、そう考えさせる作品のうちの1つです。

 

 英国のビートルズさんの音楽がアメリカっぽさを感じるのに対して、米国で生まれたザ・ウォーカー・ブラザースさんの音楽がイギリスっぽさを備えている事は興味深いです。

 

 

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「孤独の太陽」はDマイナー(ニ短調)です。楽譜が見つからなかったので、音階は分かりません。

 

 歌詞カードの解説によると、イントロにはバッハさんの「トッカータとフーガ」が用いられています。

 

 また、原曲はカンツォーネで、ヴァーデル・スミスさんのデビュー曲「黒い太陽」(1966年)をカバーされているようです。

 

 

 ザ・ウォーカー・ブラザースさんの作品の魅力は、ボーカルの太くて伸びる声と思います。

 

 「孤独の太陽」が描く作品の世界観だけでなく、スコット・ウォーカーさんの歌唱も楽しめる作品になっていると感じます。

 

 

ヒット曲のその後

 「孤独の太陽」は、ザ・ウォーカー・ブラザースさんが日本でブレイクしたきっかけの作品です。「ダンス天国」も同時期にヒットしています。

 

 ヒットチャートで”2曲が同時にランクインする事”は、歌手に対する期待度の高さ、人気が急上昇している表れです。

 

 「ダンス天国」の解説では1967年8月には来日が予定されている事も書かれており、これから活躍が期待されていた矢先の5月、第一水曜日に正式に解散を発表しています。

 

 この解散報道は、日本にとっては突然の話で、当時のファンはかなり衝撃を受けたのではないか?と思います(>_<)。

 

(『ティーンビート』の記事によると、海外では前々から「解散するのではないか?」という話が広まっていたそうです。)

 

 

 後世、ザ・ウォーカー・ブラザースさんについて語られる事が少ない理由は、日本で表舞台に立った時期が、1967年の2月~5月のたった数ヶ月間という、短期間だったからかも知れません。

 

 

曲情報

1967年 年間7位(洋楽・邦楽ポピュラー)

 

レコード

 発売元:日本ビクター株式会社

 品番:SFL-1080

 

 A面

  「孤独の太陽」

  原題:IN MY ROOM

  演奏時間:2分30秒

 

 B面

  「心に秘めた想い」

  原題:(Baby) YOU DON'T HAVE TO TELL ME

  演奏時間:2分25秒

 

 

  ビートルズはもう古い!全米ヒット・パレードを驀進するウォーカー・ブラザース!!

 

  メンバー紹介

   ジョン・ウォーカー  楽器 ギター

   ゲイリー・ウォーカー 楽器 ドラムス

   スコット・ウォーカー 楽器 ベース・ギター

 

参考資料

 「孤独の太陽」レコードジャケット

 「ダンス天国」レコードジャケット

 『レコードマンスリー』日本レコード振興

 『洋楽シングルカタログ ビクター・フィリップス編』オールデイーズ

 『ティーンビート』1967年6月号 映画と音楽社

 「バンド・プロデューサー5」