ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「サヨナラ東京」坂本九(昭和39年)

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流行時期(いつ流行った?)

 坂本九さんの「サヨナラ東京」は、昭和39年(1964年)にヒットしました。

 

 『ミュージックマンスリー』の月間売上ランキングによると、東京オリンピックが開催された1964年10月にヒットしています。

 

 

<売上ランキング推移>

年月 順位
昭和39年09月 11位
昭和39年10月 5位
昭和39年11月 11位

『ミュージックマンスリー』、今月のベストセラーズ(邦楽)より

 

 

同時期に流行った曲(昭和39年10月) 

 邦楽では、和田弘とマヒナ・スターズ、松尾和子さんの「お座敷小唄」が首位となっています。 他には、橋幸夫さんの「恋をするなら」石原裕次郎さんの「俺はお前に弱いんだ」青山和子さんの「愛と死をみつめて」がヒットしています。

 

 洋楽では、映画『ブーベの恋人』のサウンドトラック盤が首位となっています。他には、ジリオラ・チンクェッティさんの「夢みる想い」ボビー・ソロさんの「ほほにかかる涙」ビートルズさんの「恋する二人」「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」がヒットしています。 

 

 

 

五輪参加国のための曲?ハンガリーでヒット?

 「サヨナラ東京」は、東京オリンピックに関連する作品です。

 

 「上を向いて歩こう」が「スキヤキ」として世界的なヒットとなった後で、坂本九さんの知名度は高かったと思われますが、五輪閉会後のイベントで、その坂本九さんが「サヨナラ東京」を披露したというのを、何かの書籍で読んだ事があります。

 

 “サヨナラ東京”というのは、"サヨナラ東京オリンピック”という意味合いのように感じます。

 

 

 ここからは確証がありませんが、どうもこのレコードは、当時オリンピックに参加された国の方々に贈呈されたようです。 

 

 気になる動画がYouTubeに2つ投稿されています(2020年2月現在)。

 

 YouTubeで“sayonara tokyo”で検索するとヒットしますが、1つは投稿者がロシアの方と思われる動画で、レコードから坂本九さんの歌唱が再生される動画があります。(東芝さんの許可が確認できないためリンクは貼れません。)

 

 もう1つは、ハンガリーの歌手が「サヨナラ東京」を日本語で吹き込んだレコードの投稿です。

 どちらも“1964年”や“東京オリンピック”というコメントが書かれているため、選手団を通じて、各国に届けられたのではないか?と推測します。

 

 唯一、ハンガリーではこの作品の良さが評価されたようで、自国の歌手が歌い直したレコードが発売されていたようです。

 

 


Mészáros Lajos - Sayonara Tokyo[sp244b]

注)坂本九さんの歌唱ではありません。Mészáros Lajosさんが歌う、1965年に発売され、ハンガリーでヒットしたと言われる作品です。

 YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 Hungaroton 

 

 

 世界中のレコードのデータベースを作成しているDiscogsの「Sayonara Tokyo」のページによると、Mészáros Lajosさんの歌う「Sayonara Tokyo」はB面に収録されています。A面は、Arany Györgyさんの「Északon」という曲です。

 

 B面ながら、ハンガリー語ではなく、日本語のまま歌い直されている事に驚きました…(^_^;A。

 

 ハンガリーの方にとっては、私も感じるようにお互い遠い国同士で、東京五輪から帰って来た選手団が持っているレコードを聴いて、「日本って今、こんな曲が流行ってるんだって!」と盛り上がっていたのかも知れません。

 

 インターネットの無い時代に、国際的なイベントを通じて日本の歌が遠い国に伝わっていた事が事実だとしたら、とても素敵な事と感じます♪

 

 「サヨナラ東京」が海外でどのように広まったのかは気になりますので、関連する資料が見つけられたら、改めて更新いたします。 

 

 

楽曲分析

 バンドプロデューサー5の分析では、「サヨナラ東京」はF#マイナー(嬰へ短調)です。

 

 音階はシンプルな自然的短音階の印象を受けます。所々で7の音に#が付いたりするので、わずかに和声的短音階になっている箇所もあるかも知れません。

 

 

 もし、この作品がオリンピック閉会後に、参加国の方々へのおみやげとして企画されていたとするなら、すごい事だと感じます。

 自国の人たちを盛り上げる事が目的ではなく、日本に来た選手団が母国に帰ってからの事まで気を使っていたと考えられるからです。

 

 今回は推測で述べる事が多くなってしまいますが、もしかしたら1964年の東京オリンピックは、想像以上に、国を挙げての大掛かりなイベントとして取り組まれていたのかも知れません。

 

 

曲情報

1964年 年間25位(邦楽)

 

レコード

 発売元:東芝音楽工業株式会社

 品番:TR-1099

 

 

 A面

  「サヨナラ東京」

  英題:SAYONARA TOKYO

  作詞:永六輔

  作曲・編曲:中村八大

  演奏時間:3分1秒

 

  中村八大ニューサウンズ・オーケストラ

 

  ブルー・リボン・グループ

 

 B面

  「君が好き」

  英題:KIMI GA SUKI

  作詞:永六輔

  作曲・編曲:中村八大 

  演奏時間:2分13秒

 

  中村八大シンガーズ

 

  ブルー・リボン・グループ

 

  NHK「夢で逢いましょう」今月の唄

 

 

参考資料

 「サヨナラ東京」レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 『全音歌謡曲全集14』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」