流行時期(いつ流行った?)
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Ora Matéさんの「Kamaté」は、2007年9月から11月初めにかけて、2ヶ月間ヒットしています。
10月に1週間だけ首位を獲得しています。
注)Ora Mate - トピックの動画
同時期に日本で流行っていた曲(2007年9月~11月初め)
オリコンランキングでは、桑田佳祐さんの「風の詩を聴かせて」や嵐さんの「Happiness」などが首位を獲得しています。
他には、倖田來未さんの「愛のうた」、おしりかじり虫さんの「おしりかじり虫」などがヒットしています。
音楽配信が浸透している時代と感じますが、moraの音楽配信ランキングは公開されていないため、どの作品が人気だったかは分かりません。
ラグビー・フランス代表の応援歌?
2019年に日本でラグビーのワールドカップが開催された事で、ようやく気付きましたが、2007年にフランスでヒットした「Kamaté」は、ニュージーランド代表のオールブラックスが披露するハカ(Haka)が主題となっています。
ちょうどフランスでラグビーワールドカップが開催されていた期間中にヒットしています。
「Kamaté」が1位を獲得した週は、2019年に日本が、史上初の決勝トーナメント進出を決めたように、フランスの3位決定戦という重要な試合が行われていた時期にあたります。
それまでのフランス代表の戦歴は存じ上げませんが、2019年の日本代表の活躍ぶりや好成績を残した事による盛り上がりを考えると、「Kamaté」は他国の音楽文化を主題にしながらも、実はフランス代表チームの応援歌という意味合いを帯びて、作品に支持が集まったのではないか?と考えられます。
Kで始まる単語はほとんど無いフランス語
私はラグビーの知識が無く、フランスのヒットチャートに登場する作品を調べていましたが、当時、突然「Kamaté」が上位にランクインした理由が全く分かりませんでした(^_^;A。
カマテカマテと歌う歌詞の意味が分かりませんでしたので、辞書で調べてみましたが、当然、掲載されていませんでした。
もともと、フランス語には「K」で始まる単語がほとんど存在しません。1600ページ程ある仏和辞典でも、3ページしか掲載されていません。
「K」で始まる単語では、カンガルー、空手、カヤック、キロメートル、着物、キオスク、クラクションなどが頻出単語扱いになっています。海外由来の単語ばかりのようです。
ちなみにW、X、Y、Zで始まる単語数はもっと少ないです。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「Kamaté」の調性は良く分かりません。GやGm、Cのコードを多く検出していますので、おそらくGマイナー(ト短調)で、途中に同主調のGメジャー(ト長調)に転調しているのかも知れません。
カマテという言葉の響きがどの国の民族音楽か分からず、「この曲は一体何?」と感じていました。
2007年のラグビーW杯の開催国がフランスだった事で、ニュージーランド代表が披露するハカに、フランスの音楽業界が注目して、作品を製作されたようです。
音楽文化の多様性を積極的に取り入れるお国柄を感じる作品です。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
「you大樹」オリコン
「Kamaté」CDジャケット
「バンドプロデューサー5」