流行時期(いつ流行った?)
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、PSYさんの「Gangnam Style」は、2012年9月下旬から2013年2月下旬にかけて、5か月間ヒットしています。
2012年10月に2週間首位を獲得した後、年末年始に再び3週間首位を獲得しています。
当時の日本では、少女時代さんやKARAさんといったK-POP歌手の活躍が目立ち始めた時期ですが、「Gangnam Style」はCD化されていません。
日本では「江南スタイル」、読み方は「カンナムスタイル」として広まっているようです。
アメリカでヒットしている事や、当時のYouTubeの再生回数で歴代1位になった事が話題になっていたように記憶しています。
同時期に日本で流行っていた曲(2012年9月下旬~2013年2月下旬)
オリコンランキングでは、特に流行した作品は見当たりませんが、女性アイドルのブームが続いている印象を受けます。
SKE48さんの「キスだって左利き」や「チョコの奴隷」、AKB48さんの「UZA」や「永遠プレッシャー」、NMB48さんの「北川謙二」、乃木坂46さんの「制服のマネキン」などが首位を獲得しています。
moraの音楽配信ランキングでは、ももいろクローバーZさんの「サラバ、愛しき悲しみたちよ」、ゴールデンボンバーさんの「女々しくて」などの作品が首位を獲得しています。
また、miwaさんの「ヒカリヘ」や、きゃりーぱみゅぱみゅさんの「ファッションモンスター」がロングセラーとなっています。
PSY - GANGNAM STYLE (강남스타일) MV
欧米の人たちをとりこにした韓国発のポップス
「Gangnam Style」がヒットしていた頃、日本では、アメリカでヒットしている事しか報道されていなかったように感じますが、実際はもっと広範囲のヨーロッパ圏やオセアニア圏でもヒットしていました。
<「Gangnam Style」の各国のヒットの軌跡>
国 | 最高順位 | 週数 |
スペイン | 1位 | 12週 |
デンマーク | 1位 | 8週 |
ポルトガル | 1位 | 8週 |
ブルガリア | 1位 | 8週 |
カナダ | 1位 | 7週 |
オーストラリア | 1位 | 6週 |
ニュージーランド | 1位 | 6週 |
フランス | 1位 | 6週 |
ベルギー | 1位 | 5週 |
フィンランド | 1位 | 4週 |
ノルウェー | 1位 | 4週 |
オーストリア | 1位 | 4週 |
ドイツ | 1位 | 3週 |
スイス | 1位 | 3週 |
オランダ | 1位 | 2週 |
イギリス | 1位 | 1週 |
アメリカ | 2位 | 7週 |
スウェーデン | 2位 | 3週 |
アイルランド | 2位 | 2週 |
※参考サイト:SNEPランキング(https://acharts.co/song/72155)
このサイトはアジア圏のヒットチャートが掲載されていないため、韓国での流行の推移は分かりません。
アメリカだけでなく、ヨーロッパのほとんどの国で人気となった作品とは知りませんでしたので、YouTubeの再生回数が数十億に達したのも納得できます。
2019年12月現在では、再生回数は34億7千万回に達しています。
ちなみに現在の歴代1位はLuis Fonsi(ルイス・フォンシ)さんの「Despacito ft. Daddy Yankee」です。65億6千万回です。
「Gangnam Style」や「Despacito」のように、流行の本流と異なるサウンドを持った作品が大規模な再生回数を記録する背景には、意外性に好奇心を持ってしまう人間心理の現れがあるのかも知れません(^_^;A。
韓国語やスペイン語の作品が、YouTubeで歴代1位の再生回数を達成するのは、やはり情報不足による「もっと知りたい」という好奇心の高まりの裏返しのように感じます。
今後、同じような流れで、普段はヒットチャートに登場しない国で製作された作品が、世界中で人気になるかも知れません。
欧米に支持されないアジアの民族音楽
私は「Gangnam Style」は好きな作品のうちの1つです。しかし、この作品がヒットした時、現代でも、東アジアの音楽は欧米の人たちには理解してもらえないように感じました(>_<)。
それは、“東洋のアーティストが、欧米の流行の音楽に合わせている”という印象を受けたからです。
楽曲を聴く限り、韓国の民族音楽らしさを感じる部分は全くありません。
これは日本の例も同じであると考えています。
かなり古い話になりますが、アジア圏の歌手が西洋で成功した例には、坂本九さんの「上を向いて歩こう」(1961年)があります。1960年代にビルボードのランキング首位を獲得しました。
しかし、その時のタイトルは何故か「スキヤキ」(1963年)となっています。
1963年当時、アメリカの方々が「上を向いて歩こう」をどのように受け止めたのかは分かりませんが、「アジア圏の歌手で面白い作品がある」という好奇心が支持を集めた理由ではないか?と考えています。
「上を向いて歩こう」は名曲ですが、日本特有の音楽か?と言うと、そうではありません。
今となっては日本独特の音楽と感じる方が多いかもしれませんが、「上を向いて歩こう」は、流行歌のポップス化のために活躍された方々が生み出された、欧米の価値観を持つ作品です。
そのため、作品の土台には日本固有の音楽性が備わっていない作品と捉えています。
もし、当時人気だった三橋美智也さんや村田英雄さんの作品が、ビルボードで首位を取っていたならば、アジア圏の音楽が評価されたと感じる事ができますが…(^_^;A。
「Gangnam Style」を聴いたときも、「スキヤキ」同様に、東洋の音楽性が感じられませんでした。
やはり欧米で成功するには、現代でも欧米の音楽を模倣をした作品しか受け入れられないのか?と感じました(>_<)。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「Gangnam Style」はBマイナー(ロ短調)です。
ヒットのきっかけはYouTubeのようですが、当時のK-POPの流行とは方向性が異なる作品と感じます。
K-POP歌手というとルックス的には、美男美女の作品が目立ちますが、失礼ながら、PSYさんは中年男性のルックスです。
その姿で、流行の音楽を歌い踊りこなされる姿に、欧米の方々は注目を集めたのかな?と考えます。
日本に置き換えると、松平健さんの「マツケンサンバⅡ」(2004年)に人気が集まった時の心理に近いのかな?と考えています(^_^;A。
しかし、インターネットのおかげで、洋の東西の距離感は近くなっているように感じます。今後、また東洋から面白い作品が誕生する事を、ひそかに期待しています(^^)♪
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
「you大樹」オリコン
「Gangnam Style」CDジャケット
「バンドプロデューサー5」