流行時期(いつ流行った?)
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Ed Sheeran(エド・シーラン)さんの「Sing」は、2014年6月末から7月末にかけてヒットしています。
ただ、トップテンにランクした週も少ないため、フランスではそれほどヒットしていないと推測されます。
「Sing」が収録されている『X(マルティプライ)』は、同時期に日本でも発売されていましたが、ヒットしていません。
3年後の2017年に発売された『÷(ディバイド)』の頃には、エド・シーランさんの作品は日本でも人気となっています。
当時様々な国で大人気となった「Shape of You」が収録されているアルバムです。
同時期に日本で流行っていた曲(2014年6月末~7月末)
オリコンランキングでは首位を獲得した作品には、その年を代表するヒット曲は見当たりません。
この年のレコード大賞に選ばれる三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEさんの「R.Y.U.S.E.I.」が首位を獲得していますがランキングの推移では流行しているように感じません。
この年にブームとなった『妖怪ウォッチ』の主題歌、キング・クリームソーダさんの「ゲラゲラポーのうた」がヒットしています。
moraの音楽配信月間ランキングでは、絢香さんの「にじいろ」、松たか子さんの「レット・イット・ゴー~ありのままで~」がヒットしています。
フランスでは支持されにくい?イギリスのヒット曲
イギリスとフランスは地理的に距離が近いため、流行りの音楽も交流は頻繁に行われているのかな?と考えていましたが、実際はそうではないようです。
やはり公用語が異なるためか、イギリスでヒットした曲がフランスでヒットする機会は考えていたよりも少ない気がします。
日本人の私は、この曲はもっとヒットしても良いのでは?と感じる作品でも、まあまあのヒットにとどまる傾向があります。
「Sing」もそのうちの1つですが、この作品はヨーロッパではあまり支持を集めず、イギリス以外では、オーストラリア、ニュージーランドで首位を獲得するにとどまったようです。
支持される音楽に違いがあるという事は、やっぱり島国イギリスと大陸のヨーロッパ各国のあいだには根本的に価値観の違いがあるのかな?と安易な考えをしてしまいます…(^_^;A.。oO(EU離脱…)。
生の楽器が印象に残るサウンド
音楽知識はありませんが、この作品を聴いたときにフランスのヒット曲とは異なる印象を受けました。
言語が英語だからというのではなく、エド・シーランさんの音楽表現が当時の流行であるシンセサイザーの機械音ではなくギターの音色で印象に残るからです。
日本のヒット曲でも何の楽器を使っているのか分からない作品が多いですが、「Sing」でメインに用いられている楽器は分かります。
コンピュータで加工した音にあふれている時期に登場したこの作品のサウンドは、反対に新鮮さを感じてしまいます。
2000年代中頃にはハウスというジャンルで、機械で加工した音色を大きな音量で用いる音楽表現が流行ったりして、「ちょっと音が大きすぎない?」と感じたりしていましたが、「Sing」は安心して聴ける音楽に感じました。
聴き取りやすい英語
また、イギリスの作品ではなくても英語の作品がヨーロッパ圏のみでヒットする事がありますが、ヨーロッパ発の英語の音楽とは聴いた印象に違いを感じます。
私の個人的な感覚ですが、ヨーロッパで生まれた英語のヒット曲は、全体的に筆記体みたいになめらかな発音になっているため、聴き取れない部分があります。
反対に、母国語が英語であるイギリスの作品は、日本人の私でも「もしかしたら聴き取れそうかも!」と感じる事ができるような、中高で習った英語の発音に近い印象を受けます。「Sing」を聴いて安心した理由はここにもあるかも知れません。
国によって流行る音楽に違いはありますが、やはり言語の違いが、その国で支持される音楽に違いを生じさせる大きな要因なのかな?と考えてしまいます。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「Sing」はG♯マイナー(嬰ト短調)です。
・・・音楽と関係ありませんが、プロモーションビデオに映っているカラオケを楽しむサラリーマンの方々は、日本人なのでしょうか?
風景はチャイナタウンのような街並みなので、中国や韓国の方かと思ってしまいますが、日本人の顔立ちに見えます。
もしかしたら、リトルトーキョーでお酒に酔って羽目を外す日本人がステレオタイプ化されているのかも知れません(^_^;A。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
SNEP(https://acharts.co/france_singles_top_100)
「you大樹」オリコン
『X(マルティプライ)』CDジャケット
「バンドプロデューサー5」