流行時期(いつ流行った?)
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Pakitoさんの「Living On Video」は、2006年5月から6月にかけてヒットしています。
4週間のあいだ首位を獲得しています。
同時期に日本で流行っていた曲(2006年5月~6月)
SMAPさんの「Dear WOMAN」や福山雅治さんの「milk tea」、山下智久さんの「抱いてセニョリータ」が首位となっています。
その他には、湘南乃風さんの「純恋歌」やDJ OZMAさんの「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」、mihimaru GTさんの「気分上々↑↑」などがヒットしてます。
ケータイのメール機能のおかげで、作品のタイトルに☆や↑のような記号が付く事に違和感が薄れ始めているような印象を受けます(^_^;。
アニメ系の作品の存在感も大きくなり始めており、『涼宮ハルヒの憂鬱』のエンディング曲「ハレ晴レユカイ」がヒットしています。
ジブリ映画の「テルーの唄」もヒットしています。
暖かさを感じるシンセサイザーの音色
1980年代半ば以降、楽器としての存在感を増し続けたシンセサイザーですが、金属音のような冷たくて高い音が鳴るものとして用いられて来た印象があります。
マイケル・ジャクソンさんの作品でも、今にして思えば小室哲哉さんの作品でも、記憶に残っているクールな印象を与える機械的な音色が用いられていたと感じます。
人が楽器を演奏する時とは異なり、ボタンを押している間は一定の音量が鳴り続けるような不自然な響きも、聴き手に無機質な印象を与えている要因と考えられます。
フランスでは2000年代以降、そのシンセサイザーの音量を強調するハウスという音楽表現が流行っていました。
このジャンルではダフト・パンクさんが有名かも知れませんが、もっと派手に強調した作品がヒットチャートに登場していました。
「Living On Video」も機械加工した音源が演奏に用いられているものの、音の響きは流行りの音色とは違う事が分かります。
どちらかと言うと、暖かさを感じる音色になっています。
この作品で演奏に用いられている音色は普通のシンセサイザーとは違って低めの音で、なんとなく音も揺れているように感じます。
おそらくPakitoさんが機械で作り出したと思われますが、聴き手に緊張感を与える音色ではなく、心にエネルギーを与えるような緊張を緩和するような働きを備えた音色のように感じます。
製作の意図が読み取りづらい作品
この作品も過去のヒット曲のフレーズをサンプリングした作品です。ただ、この時期になると、元の音源をそのまま使用するのではなくて、そのフレーズを演奏しなおす手法が用いられ始めます。
初めてこの作品のプロモーションビデオを見たときに、私は映像の意味も全く分からず、「この作品は一体何を伝えたいんだ?」と感じました。
おそらく当時のフランスの方々も初見では、そのように感じた事と思います。
私はいまだにPakitoさんが何を表現したかったのかがよく分かりませんが、独特な世界観が表現されていて、飽きもせず何度も聴いてしまっています(^_^;。
音楽に限らず、芸術とはこういう感じで楽しむものなのでしょうか。
日本でも海外でも、どの作品に対しても、ヒットするしないの理由を解明する事は難しいと考えています。
作品を発信する側と受け手が音楽を介してコミュニケーションを取ろうとするスタイルはとても興味深く、それが成功したヒット曲というのは魅力にあふれていると感じます。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「Living On Video」はEマイナー(ホ短調)です。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
「you大樹」オリコン
「Living On Video」CDジャケット
「バンドプロデューサー5」