流行時期(いつ流行った?)
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Alizée(アリゼ)さんの「Moi...Lolita」は、2000年7月から2001年1月にかけてヒットしています。
7か月のあいだ10位圏内にランクインし続けているため、当時かなりヒットしたと推測されます。
本当は首位を獲得できるくらい人気を集めた作品だったと思われますが、TOP50では2位止まりとなっています。
『ロミオとジュリエット』のミュージカルが大変人気となっていたようで、その劇中歌の1つである「Les rois du monde」に首位を阻まれています。
長期間人気を獲得した作品ですが、9月~12月末にかけて2、3位と順位が高くなっているため、この期間が最も流行していたと思われます。
同時期に日本で流行っていた曲(2000年9月~12月末)
SMAPさんの「らいおんハート」やポルノグラフィティさんの「サウダージ」、MISIAさんの「Everything」が首位を獲得しています。
他には、ECHOESさんの「ZOO」やaikoさんの「ボーイフレンド」、鬼束ちひろさんの「月光」、矢井田瞳さんの「my sweet darlin'」、DA PUMPさんの「if...」、花*花さんの「さよなら大好きな人」などがヒットしています。
Alizée - Moi... Lolita (Clip Officiel HD)
注)Alizée 公式アーティストチャンネルの動画
少女から大人に成長する境界線
この作品の特徴は、それまでの女性アイドルの作品が触れなかった部分、少女から大人に成長するターニングポイントが描かれているように感じます。
歌声や衣装、若さなどで等身大の可愛さをアピールするだけで留まっている作品ではないと感じます。
作品の世界観を演出するためか、ストーリー仕立てのプロモーションビデオも力が入っていると感じます。
歌詞では映像のような場面や展開は書かれていませんが、アリゼさんが年上の男性を虜にする姿や、大人の女性に負けないように化粧をする姿は、私はもう子供じゃないと想う気持ちを秘めていると感じる事ができます。
(…映像の会話が何を話しているのかとても気になりますし、お伝えする事が出来ればいいのですが、私はフランス語分かりません(>_<)!誰か教えてください!)
『わたしはロリータ』の解説によると、アリゼさんをプロデュースされたミレーヌ・ファルメールさんは、15年もの間「Moi...Lolita」を歌う歌手を探し続けていたと書かれています。
それだけ、この作品に思い入れがあったのかも知れませんが、15年も温め続けたというのは、聴く側の立場である私には信じられない話です。
「ベストな形で作品を世に出したい!」と想う、音楽を製作する立場の方々の情熱が感じられます。
日本ではヒットしなかった現代版フレンチポップス
日本では「Moi...Lolita」が収録されたCDアルバム『わたしはロリータ』が2001年4月下旬に発売されていました。
試しにオリコン年鑑の年間集計を確認してみましたが、ランクインはしていませんでした。
当時は宇多田ヒカルさんと浜崎あゆみさんの人気競争が話題になっており、同日発売の『Distance』と『A BEST』のどちらが、多く売り上げるのか?が話題になっていた時期でした。
…曲作りを行うアーティスト性を備えた女性歌手が注目されていたため、残念ながらアリゼさんの日本デビューはタイミングが良くなかったと感じます(>_<)。
フレンチ・ポップスは1960年代の日本で支持を集めました。70年代初めにはミッシェル・ポルナレフさんの作品も人気となりましたが、やはり『フレンチ・ポップス=女性アイドルポップス』という固定概念があります。
シルヴィ・バルタンさんやフランス・ギャルさんの作品を連想してしまいます。
後年のフランスで人気となったアイドルではヴァネッサ・パラディさんが有名なようです。
「Joe Le Taxi」(1987年)はフランスでは社会現象の規模で流行したようです。
2000年に登場したアリゼさんの作品は、そういったフレンチ・ポップスの路線を連想させてくれます。
そのため、個人的に日本でももう少しくらい支持を集める事が出来たのではないか?と感じます。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「Moi...Lolita」はBマイナー(ロ短調)です。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
「you大樹」オリコン
「Moi... Lolita」CDジャケット
『わたしはロリータ(Gourmandises)』CDジャケット
「バンドプロデューサー5」