ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「Les Rois du Monde」Philippe D'Avilla, Damien Sargue & Grégori Baquet(2000年)

いつ流行った?

 TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、ミュージカル『ロミオとジュリエット』で用いられた「Les Rois du Monde」は、2000年8月中旬から翌年1月初めにかけてロングヒットしています。

 

 17週間首位を獲得する神がかり的な人気を集めた作品です。(おかげでアリゼさんの「Moi...Lolita」は13週間2位止まり・・・。後世に名を残す名曲が同時期に2曲も登場するなんて贅沢と思います。)

 

 当時の動画で公式と判断できるものは見つかりませんでした。下の動画は2016年に投稿されています。

 

 ヒットから16年後、『ロミオとジュリエット』ではなく『三銃士』を題材に新しい解釈でテレビで披露されたようです。観覧客の手拍子が良いですね♪

 

 


www.youtube.com

注)France Télévisions 確認済みの動画

 


 2000年当時に上演されていた『ロミオとジュリエット』からは、「Aimer」もヒットしています。こちらは4月中旬から7月中旬にヒットしています。

 

 「Aimer」のヒットが落ち着いてから「Les Rois du Monde」がヒット?

 

 当時フランスでどのように人気を集めていったのか、経緯は分かりません。しかし後世に語り継がれるくらいの名作と評価されたのだろうと感じます。

 

 YouTubeのコメント欄を見ると、ロシア、中国、韓国でも人気があるようです。それぞれの国でいつ流行ったのか分かりませんが、情報の少ない大陸の東側まで知られている事には驚きです。

 

 日本では宝塚歌劇団 星組さんが日本語カバー盤「世界の王(音楽配信Ver.) ~ロミオとジュリエット -Special Edition-CD より~」を2021年に配信されています。初公演は2010年です(礼真琴が演じた役 in 『ロミオとジュリエット』,星組,ロミオとジュリエット)。

 

 

ミュージカル『Notre Dame de Paris』の成功から?

 フランスのヒット曲に興味をお持ちの方に知っておいていただきたい時期です。この時期はミュージカルで用いられた楽曲が歴代売上ランキングに食い込むくらい人気となった時期です。

 

 きっかけは1998年に上演された『Notre Dame de Paris(ノートルダムの鐘)』です。劇中歌「Belle」がその年の代表的なヒット曲ではなく、後世に名を残す規模の人気を集めています。

 

 日本ではミュージカルの文化は定着していないですが、映画館で視聴するミュージカル映画からヒット曲が誕生する事があります。

 

 記録に残っているのは『アナと雪の女王』「ありのままで」「生まれてはじめて」(2014年)、『雨に唄えば』の同名主題歌(1953年)や『ウエストサイド物語』「トゥナイト」(1962年)などです。

 

 フランスでもこの時期が特別だったようです。2012年に上演されたフランス革命をテーマにしたミュージカル『1789: Les Amants de la Bastille』で用いられた「Ça ira mon amour」はそれほどヒットしていません。

 

 

スケールが大きいミュージカル楽曲

 日本では上演されなかったミュージカル『ヘアー』のカバー盤「輝く星座/アクエリアス」(1969年)がヒットチャートに登場した記録があります。

 

 ミュージカルで用いられる作品は商業的ではなく、聴き手の感情を動かすようなスケールの大きさが特徴です。

 

 「Les Rois du Monde」はバックコーラスが壮大さを高めていると感じます。演者の歌唱を鑑賞する「Belle」とは異なり、みんなで盛り上がるタイプの作品と思います。

 

 上記動画では観客の手拍子がその役割を兼ねているように感じます。

 

 

 この曲の魅力の秘密は、コード進行にも隠れているかも知れません。

 

 みんなで楽しむからにはシンプルさが必要です。何度も繰り返されるサビのフレーズはDm→G7→C→A/C#のようです。

 

 海外の作品で「良い曲!」と感じる事がありますが、楽譜を見ると「こんなにシンプルなの?」と感じる事があります。

 

 ただ、ひとりで譜面通りに弾いてもスケールはとても小さく感じます。海外の楽譜は骨格だけで、実際はさまざまな音を重ねて人の心を動かす作品に仕上げているのだろう、と考えたりします。

 

 歌唱が主役の日本とは考え方が違うのだろうとモヤモヤ考えています。

 

 

参考資料

 TOP50(http://www.chartsinfrance.net/

 「Les Rois du Monde」CDジャケット

 『SUPER TOP-50 HITS VOLUME8』EDITIONS PAUL BEUSCHER