流行時期(いつ流行った?)
Luis Fonsi(ルイス・フォンシ)さんの「Despacito ft. Daddy Yankee」(邦題:デスパシート)は、2017年にフランスでも大ヒットしました。
TOP50(フランスのオリコン的存在のヒットチャート)のランキングによると、2017年3月末に6位にランクインし、9月末まで半年間にわたってベストテンにランクインする大ヒットとなっています。
1週間だけ2位に落ちるものの、5月初めから9月初めまで、18週間にわたって1位を獲得した驚異的なヒットの作品です。
(ちなみに、日本の最長記録は17週間、ピンキーとキラーズさんの「恋の季節」(1968年)です。)
その頃、日本では…
この時期のオリコンランキングでは、数週間も1位を獲得できる作品が存在しないだけでなく、毎週上位の作品が入れ替わっており、流行したと感じる作品はほとんど見受けられません。
乃木坂46さんの「インフルエンサー」や欅坂46さんの「不協和音」がヒットしていたと言えそうです。
moraの音楽配信ランキングでは、倉木麻衣さんの「渡月橋~君 想ふ~」やDAOKO×米津玄師さんの「打上花火」がヒットしています。
Luis Fonsi - Despacito (Official Music Video) ft. Daddy Yankee
※最近は、人気のYouTube動画にはどなたかが翻訳された訳詞が表示されるようです。
多くの国でヒットしたYouTube再生回数歴代1位曲(2019年12月現在)
この作品は今のところ、YouTubeで再生された回数の歴代1位の記録を持っています。65億回を超える再生回数を達成しています。
誰でも出来る動画投稿ですが、やはりプロのミュージシャンの作品のミュージックビデオが再生回数の上位にランクインする傾向があるように感じます。
世界中の人がインターネットを介して閲覧できるYouTubeでの再生回数、10億回を超えるには、複数の国でヒットしなければ実現する事は難しい事と感じます。1つの国では母数に限界があるためです。
日本では米津玄師さんの複数の作品がミュージッククリップが数億を超える記録を更新していますが、10億にはまだまだ時間が掛かりそうです。
<「Despacito」の各国のヒットの軌跡>
国 |
最高順位 | 週数 |
スペイン | 1位 | 25週 |
スイス | 1位 | 20週 |
ブルガリア | 1位 | 19週 |
ポルトガル | 1位 | 18週 |
フランス | 1位 | 18週 |
デンマーク | 1位 | 17週 |
ドイツ | 1位 | 17週 |
オーストリア | 1位 | 16週 |
スウェーデン | 1位 | 16週 |
アメリカ | 1位 | 16週 |
カナダ | 1位 | 16週 |
ベルギー | 1位 | 12週 |
オーストラリア | 1位 | 3週 |
アイルランド | 1位 | 1週 |
イギリス | 4位 | 1週 |
※参考サイト:SNEPランキング(https://acharts.co/song/104152)
この作品は、フランスのみならず多くの国でヒットしています。スペインでは、半年近い25週間も1位を記録したようです。他の国でも10週間以上1位を獲得するヒットとなっており、昨今の日本のヒットチャートでは有り得ないロングヒットを記録しています。
アメリカやイギリス(おそらく英語圏)では、ジャスティン・ビーバーさんが歌唱に加わった盤が人気を集めています。イギリスではそれほどヒットしていないのも興味深いです。
ジャスティン・ビーバーさんは、2016年にピコ太郎さんの「ペンパイナッポーアッポーペン」に関心を持っていましたが、翌年は、この作品の虜になったようです(^_^;A。
数十年に1度、世界規模で大流行するスペイン・ポップス
「デスパシート」はフランスの作品ではありません。スペイン語圏のプエルトリコのルイス・フォンシさんの作品です。歌詞もスペイン語です。
フランスでは、隣接するイタリアやイギリス、スペインのヒット曲が人気になる傾向がありますが、スペインはヒットチャート的にはかなり興味深い国です。
なぜなら、スペインの音楽は、突然、特定の作品の人気に火が付き、多くの国でその流行が広まるという、とてつもない人数の支持を集めるエネルギーを秘めた作品が生まれる国と感じられるからです。
ヒットチャートの記録の無い時代では、「ベサメ・ムーチョ」が有名かも知れません。
1980年代ではフリオ・イグレシアスさんの「黒い瞳のナタリー」が人気となりましたが、1996年にはロス・デル・リオさんの「恋のマカレナ」が、ビルボードチャートの年間1位を獲得したりしています。
作品ごとに、支持される国に違いはありますが、歌詞の意味も分からないのに、遠く離れた国の人たちを虜にできる魅力を、スペイン語のポップスは備えていると感じます。
そして、大規模な支持を集めるヒット曲が登場した事で、各国でスペインの音楽に対する人気が定着するかと思えば、そうではありません。単に、その作品に対してだけ人気が集中する現象も興味深いです。
次はどのような作品が登場するのか、ひそかに楽しみにしています。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「Despacito」はBマイナー(ロ短調)です。
参考資料
TOP50(http://www.chartsinfrance.net/)
SNEP(https://acharts.co/france_singles_top_100)
「you大樹」オリコン
「mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~」
「Despacito」CDジャケット
「バンドプロデューサー5」