いつ流行った?
TOP50(フランスのオリコン的ヒットチャート)のランキングによると、Mikaさんの「Elle Me Dit」は2011年8月中旬から11月末にかけてベストテン入りしています。
Mika - Elle Me Dit (clip officiel)
注)Universal Music France 確認済みの動画
歌詞ではあまり聴きなれないインターネットという言葉が出て来きます。
同年にヒットしたMickael Miroさんの「L'horloge tourne」(2011年)ではSNSという単語が登場しますので、フランスでもネット文化が日常に定着したのだろうと思います。
日本のヒット曲では一対一のコミュニケーションが描かれる事が多いので、メールの登場頻度が高いと思います。
国によって価値観が様々ですが、最新の文化を効果的に歌詞に取り入れる姿勢はどこの国でも同じようです。
突然登場した明るいポップス
聴いていて心がワクワクするようなフレンチポップスがヒットするのは、久しぶりな気がします。
日本ではヒットした例が少ないフレンチポップスですが、ミッシェル・ポルナレフさんの「シェリーに口づけ」(1971年)のように、何を歌っているか歌詞の意味が分からなくても聴き手をウキウキさせてくれるメロディと思います。
「Elle Me Dit」には、2000年代後半のヒット曲で感じる"生活を脅かす何か"に対するメッセージ性を感じません。
突然こういった明るい曲調がヒットした事に驚きました。
以前にヒットした作品と作風が異なる
Mikaさんの代表曲は、英語詞で歌われた「Relax (Take It Easy)」(2007年)と思います。
「Relax (Take It Easy)」は主にオランダ、ベルギー、イタリアなど、ヨーロッパの各国で人気を集めた作品です。
「Elle Me Dit」はフランスだけでヒットしている印象です。
英語で歌っていたのに、数年後にフランス語で歌った作品がヒット。それも、過去のヒット曲とは作風が全く異なる事にも驚きです。
おそらく求められていたサウンドだったのだと思います。
当時の流行の主流は、現時点で22億回再生されているLMFAOさんの「パーティー・ロック・アンセム」(2011年)のようなエレクトリックなサウンドです。
機械的な音色でリズムを刻む音楽ばかりが流行るなか、素朴で人間らしさを感じる「Elle Me Dit」に逆に新鮮さを感じた方も多かったのだろうと想像しています。