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「夢みるシャンソン人形」フランス・ギャル(昭和40年)

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「夢見るシャンソン人形」フランス・ギャル

流行時期(いつ流行った?)

  フランス・ギャルさんの「夢みるシャンソン人形」(原題:POUPÉE DE CIRE, POUPÉE DE SON[訳:蝋の人形、歌う人形])は、昭和40年(1965年)にヒットしました。フランス語のヒット曲です。

 

 当時の音楽雑誌に掲載されていたランキングによると、9月から11月にかけてヒットしています。

 

 フランス・ギャルさんご自身が日本語で歌唱された盤も同時期に登場しています。

※この時代は、海外の方がわざわざ日本語で吹き込んでくれる事は珍しい事ではありません。

 

集計日付 順位
昭和40年8月 8位
昭和40年9月 1位
昭和40年10月 1位
昭和40年11月 3位
昭和40年12月 7位

※『ミュージックマンスリー』洋楽ポピュラーのランキング推移

 

同時期に流行った曲(1965年9月~11月)

  この時期の洋楽では、「キャラバン」「クルーエルシー」と、この年にブームとなったベンチャーズ旋風が続いている印象があります。ビートルズさんは「ヘルプ!」がヒットしています。

 その他では、クロード・チアリさんの「夜霧のしのび逢い」や『サウンド・オブ・ミュージック』の劇中歌「ドレミの歌」がヒットしています。映画関連の作品です。

 

 歌謡曲のランキングでは、和田弘とマヒナスターズ、田代美代子さんの「愛して愛して愛しちゃったのよ」の人気が群を抜いており首位となっています。その他では、石原裕次郎さんの「二人の世界」舟木一夫さんの「高原のお嬢さん」などがヒットしています。

 


France Gall - Poupée de cire, poupée de son (1965) Stéréo HQ

 

ユーロビジョンって何?

 レコードジャケットに印字されている宣伝文句に「ユーロビジョン・ソング・コンテスト優勝曲」と印字されています。

 

 歌詞カードの解説によると、ユーロビジョン=『西欧を結ぶTV放送網』の事です。テレビジョンになぞらえたネーミングのようです。

 

そして、このTVを通じて、『西欧各国から代表曲一つを提出、夫々の国の代表歌手が出場して歌を競い、審査員が投票によって優勝曲を決める』大会が年に1度開催され、そのイベントがユーロビジョン・ソング・コンテストと呼ばれているようです。

 

 第1回は1956年と、グラミー賞よりわずかに早く始まり、現在も続く歴史のあるイベントのようです。

 

ユーロビジョン・ソング・コンテスト公式サイト:https://eurovision.tv/events

※開催国を軸にしているため、分かりにくいサイトですが、1965年でイタリアのナポリで開催されたコンテストで、「夢みるシャンソン人形」がグランプリとなっています。フランス代表ではなく、ルクセンブルク代表の作品だったようです。

 

メロディが印象に残る作品

 歌唱している言語はフランス語で、私は知識が無いため、歌詞に共感する事は出来ません。しかし、良い曲だなぁ、と感じます。おそらく、この作品に共感する気持ちが生まれるのは歌詞以外と感じます。

 

 私が感じたのは、聴きなれない言語で歌われる覚えやすいメロディです。

 

 楽譜を見ると、歌い出しのメロディは、四分音符でド・ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・ミと、シンプルにドレミファソラシドの音を段階的に下げているだけです。

 

 しかし、ボーカルが出せる最も高い音からメロディが始まっている点は珍しいと思います。歌が始まると同時に聴き手の心をつかむ手法なのかも知れません。この作品を聴いて最も印象に残るのは、このフレーズですので・・・。

 

日本では定着しなかったユーロビジョン優勝曲

 公式サイトで歴代の優勝曲を見ても、日本ではなじみがなく、知らない作品ばかりです。

 しかし、当時の日本ではもちろん無名の音楽祭で、ユーロビジョン優勝曲の知名度を上げようとしてか、レコードジャケットの宣伝文句に採用されたのだと思います。

 

 それは前年、1964年のユーロビジョン優勝曲であるイタリアのジリオラ・チンクェッティさんの「夢みる想い」(原題:NON HO L'ETA(PER AMARTI)[訳:あなたを愛することは若すぎる])が大ヒットしたからと推測されます。

 「夢みる想い」は、レコードジャケットの解説では、イタリア国内の音楽祭であるサン・レモ音楽祭優勝曲として紹介されていました。おそらく、後々ユーロビジョンで優勝したようです。

 

 どちらも邦題が「夢みる」で始まるタイトルである事は興味深いです。“ヨーロッパの作品で、若手の女性歌手が歌った曲”という共通点がありますが、日本ではそのステレオタイプというか、レッテルを貼ったのだろうと推測されます。

 

 残念ながら、ユーロビジョン優勝曲がヒットしたのはこの2年間のみです。翌年の優勝者が男性だったからでしょうか。

 ちなみに、後年「別れの朝」の原曲となる作品を発表されるウド・ユルゲンスさんが優勝しています。

 

楽曲分析

 「バンドプロデューサー5」の分析では、「夢みるシャンソン人形」はFマイナー(ヘ短調)です。

 

 同じメロディが繰り返される作品ですので、曲の後半に半音上げる等の盛り上がりをしても良いのではないか?と感じますが、聴き手に伝えるために、あえて移調を避けて分かりやすさを重視した作品であると感じます。 

 もしかしたら、ユーロビジョン・ソング・コンテストでは、メロディではなく歌詞の内容が評価されたのかも知れません。

 

曲情報

 発売元:日本ビクター株式会社

 品番:FL-1173

 A面

  「夢見るシャンソン人形」

  原題:POUPÉE DE CIRE, POUPÉE DE SON

 

 B面

  「ジャズる心」

  原題:LE COEUR QUI JAZZE

 

 1965年度ユーロビジョン・ソング・コンテスト優勝曲

 

 フランスの新星フランス・ギャルの優勝曲、

 ヨーロッパで大ヒット中!!

 

参考資料

 「夢見るシャンソン人形」レコードジャケット

 「夢見る想い」レコードジャケット

 『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社

 『永遠のポップス2』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」

 

今週のお題「わたしの自由研究」