ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「空と君のあいだに」中島みゆき(平成6年)

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流行時期(いつ流行った?)

  中島みゆきさんの「空と君のあいだに」は、平成6年(1994年)にヒットしました。5月中旬に発売されると同時にヒットしました。5月末~7月末にかけて流行しました。

 

 

同時期に流行った曲

 この時代になると、毎週首位が入れ替わる事が一般的になるため、首位作品は数々あります。Mr.Childrenさんの「innocent world」WANDSさんの「世界が終わるまでは・・・」が健闘して首位を獲得されています。

 

 当時の流行を象徴しているようなtrfさんの作品もヒットしています。「survival dAnce」が首位を獲得し、「Boy Meets Girl」がヒットしていました。

 

 その他では、藤谷美和子・大内義昭さんのデュエット曲「愛が生まれた日」が流行していました。

 

 

中島みゆきさんの時代を見抜く才能

 中島みゆきさんは、なかなか達成できない記録を残されています。それは、4つの年代でオリコン首位を獲得している事です。 

 

年代 作品名
1970年代 「わかれうた」
1980年代 「悪女」
1990年代 「空と君のあいだに」、「旅人のうた」
2000年代 「地上の星」

 

 「わかれうた」では恋人に別れを告げられ深く傷ついた女性、「悪女」では自分の心を偽ってわざと男性にフラれるようにふるまう女性と、登場人物の描写が異なります。

 90年代以降は恋愛以外の心理描写が目立ちます。

 

 流行歌手の寿命が数年程度のレコード音楽界で、数十年も活躍されている方はなかなかおられません。同じ記録は2019年現在は、サザンオールスターズさんしか持っていません。

 

 

1990年代特有の心理描写

 私が「空と君のあいだに」を聴いて印象に残るのは、“悲しんでいる君を救うために、自分は悪い事をしてでも助けてあげる”、と解釈できるフレーズが含まれている事です。

 

 それまでの中島みゆきさんの作品を聴いて、この方は普通では見逃してしまうような人の心の弱さや痛みに気付ける、優しくて繊細な感性をお持ちの方と思っていましたので、悪になってでも君を救う、という意味合いのフレーズが何度も繰り返されるこの作品を聴いて意外に感じました。

 

 

 ヒット曲の歌詞に“傷”という単語は頻繁に登場します。たいていは「主人公や恋人・親友の傷ついた心理」を描くために用いられます。

 

 それが90年代には、「自分のやりたい事を実現するためなら、誰かを傷つけてしまってもやむを得ない。」という価値観で登場するようになりました。

 2000年代になってからは、CHEMISTRYさんの「PIECES OF A DREAM」(平成13年)しか印象に残っておりませんので、この年代特有の心理描写だと思われます。

 

 この心理を描いたさきがけの作品は、意外にも槇原敬之さんの「どんなときも。」(平成3年)です。その後、B’zさんの「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」(平成5年)やMr.Childrenさんの「名もなき詩」(平成8年)などで似た価値観が歌詞に描かれています。

 

 

 「空と君のあいだに」の歌詞で描かれる主人公は、傷ついている女の子救うためですが、考え方は似ているように感じます。

 自分の人生に関わっている範囲の人間以外に対する無関心さ、大勢の他人という定義で済ませるにとどまる視野の狭さを描いているように感じてしまいます。

 

楽曲分析

 バンドプロデューサー5の分析では、「空と君のあいだに」は、F#マイナー(嬰ヘ短調)です。

 

 

曲情報

 発売元:株式会社ポニーキャニオン

 品番:PCDA-00563

 A面

  「空と君のあいだに」

  作詞・作曲:中島みゆき

  編曲:瀬尾一三

 

  日本テレビ系ドラマ「家なき子」主題歌

 

 B面

  「ファイト!<アルバム『予感』より>」

  作詞・作曲:中島みゆき

  編曲:井上堯之

 

  住友生命「ウィニング・ライフ」イメージ・ソング

 

参考資料

  「空と君のあいだに」CDジャケット

  「you大樹」オリコン

 「バンドプロデューサー5」