流行時期(いつ流行った?)
ビクター・オーケストラさんの「七人の刑事」は、昭和37年(1962年)にヒットしました。
当時放送されていた、同名テレビドラマの主題曲です。ベストテン入りはしていませんが、5か月間ランクインしています。流行歌ではロングセラーと呼べる流行り方をしています。
年月 | 順位 |
昭和37年04月 | 11位 |
昭和37年05月 | 11位 |
昭和37年06月 | 14位 |
昭和37年07月 | 13位 |
昭和37年08月 | 13位 |
※『ミュージック・マンスリー』邦楽のランキング推移
注)Release - Topicの動画(Provided to YouTube by JVCKENWOOD Victor Entertainment Corp.)
ドラマ主題歌がヒットした1962年
テレビドラマデータベースさんによると、『七人の刑事』の放送が開始したのは1961年10月4日です(テレビドラマデータベース:七人の刑事検索結果)。
その後、1969年4月28日までシリーズが続いています。7年半近くに渡って放送された長寿番組だったのですね。
この年はドラマ主題歌がヒットする傾向が目立つ年です。アイ・ジョージさんの「硝子のジョニー」、橋幸夫さんの「若いやつ」、島倉千代子さんの「夕月」などがヒットしています。
歌詞のないヒット曲
この作品の特徴は"歌詞が無い事"です。そのためレコードでは"流行歌"ではなく、"軽音楽"のジャンルで扱われています。
歌詞カードも下図のように、歌詞が印刷される部分が真っ白になっています。
…大胆で斬新ですね(^^;A、初めて見た時はビックリしました。曲紹介か解説を印刷してくれてもいいのに(>_<)、と思いました。
日本で製作された軽音楽、演奏のみのシングル盤がヒットしたのは、この作品が第1号ではないか?と思われます。
また、この次にヒットするドラマ主題曲は、100回放映記念でレコードが発売された「太陽にほえろ!」(1974)や「Gメン75のテーマ」(1975)です。
"歌の無いドラマ主題曲"というと、刑事ドラマという印象がありますね。「七人の刑事」は元祖と言える作品です。
殺人事件がつきものの刑事ドラマでは、関わった人たちの憎しみや悲しみの心情が描かれます。
ドラマで描かれる悲劇、普段は隠している人間の心の闇などをイメージして作曲されたように感じます。
劇中のBGMで流せるように、あえて歌詞を作らなかったのかも知れませんね。
ミステリアスな男声ハミング
1番はサックスがメインですが、2番では男声ハミングに変わります。
テレビ放送でも、男声ハミングのパートが放送されていたようです。
私の持っているレコードジャケット(上図)には、ハミングをしている方の名前が印刷されていません。
しかし、「(ハミング)Z・デチネー」と追加で印刷されているバージョンも存在します(参考:オークフリーのサイト)。
「あの曲でハミングをしてる男性って誰なんですか?」と、ドラマ視聴者からの反響が大きかったのかも知れません。
曲情報
1962年 年間17位(邦楽)
レコード
発売元:ビクターレコード
品番:VS-662
A面
「七人の刑事」
作編曲:山下毅雄
演奏:ビクター・オーケストラ
演奏時間:3分33秒
TBS連続テレビ劇「七人の刑事」主題曲
B面
「恋のムード」
作詩:川内康範
作編曲:山下毅雄
歌:松尾和子
演奏時間:4分25秒
ビクター・オーケストラ
参考資料
「七人の刑事」レコードジャケット
『ミュージック・マンスリー』月刊ミュジック社
「テレビドラマデータベース」Webサイト
「オークフリー」Webサイト