流行時期(いつ流行った?)
ナンシー・シナトラさんとリー・ヘイズルウッドさんのデュエットソング「サマー・ワイン」は、昭和42年(1967年)の年末にかけてヒットしました。
『レコードマンスリー』の月間売上ランキングによると、下記の売上推移を記録しています。
年月 | 順位 |
昭和42年10月 | 8位 |
昭和42年11月 | 9位 |
昭和42年12月 | 1位 |
昭和43年01月 | 17位 |
年末に首位となっています。前後の順位を考えると、間違いではないか?と感じます…(^^;A。
年明けの熱の冷め様が、まるで現在のヒットチャートのような下降線である事が気になります。
1967年の年末には、この作品にまつわる特別な出来事があったのでしょうか。
NANCY SINATRA & LEE HAZLEWOOD-SUMMER WINE
注1)YouTube に使用を許可しているライセンス所持者The Orchard Music(Boots Enterprises, Inc. の代理); LatinAutor - UMPG, ASCAP, LatinAutor, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM, UMPI, CMRRA, UMPG Publishing、その他 12 件の楽曲著作権管理団体
注2)動画は別作品のプロモーションビデオです。おそらく「ジャクソン」と思われます。
1967年のナンシー・シナトラさんの人気ぶり
ヒットチャートを見ると、1967年はナンシー・シナトラさんの人気が高かった事が分かります。この年には「007は二度死ぬ」と「サマー・ワイン」がヒットしています。
1963年の「レモンのキッス」以来の人気ぶりを感じますが、突然人気となった理由には、映画が関わっているようです。
この年に公開された007シリーズの第5作目「007は二度死ぬ」の同名主題歌を歌われています。
この映画は日本が舞台であり、スクリーンに映るロケ地も出演者も、日本人にとってはなじみ深い作品だったため、日本では特に人気が高かったと思われます。
注目度の高い映画の主題歌を歌ったナンシー・シナトラさんへの人気も同時に高まり、主題歌に続いて発売された「サマー・ワイン」もヒットした、という印象を受けます。
「サマー・ワイン」は、リー・ヘイズルウッドさんとのデュエットです。「007は二度死ぬ」のB面「ジャクソン」もお二人のデュエットですが、アメリカでは「サマー・ワイン」の方が先に発売されていたようです。
レコード会社が人気に乗じて発売を企画したのかな?と感じます。
ナンシー・シナトラさんは、「サマー・ワイン」の後にはあまり目立った記録が残っておりませんので、映画と同時に人気が落ち着いたような印象を受けます。
期間は短いですが1967年の人気ぶりは、ブームに近かったのかな?と感じてしまいます。
オチのあるデュエットソング
洋楽は歌詞の意味を調べる事は少ないですが、「サマー・ワイン」はストーリーが面白い作品と感じます。
歌詞カードには和訳が掲載されていませんが、解説で以下のように紹介されています。
「いちごとりんごに天使のキッスを混ぜて作った私のサマー・ワインをどうぞ」と歌うのはナンシー。さそいにのってサマー・ワインを飲まされ、一口、二口・・・・・・めまいがして、ろれつがまわらなくなり、眠りこけてしまった鼻の下の長い男はヘイズルウッドという設定。目がさめてみたらありがね全部取られてドロンされたという男性にとってはぶっそうなお話です。
日本のヒット曲では、歌詞で描かれる事はまずないであろう、やり取りが歌われています。
登場人物の女性が男性を騙していますが、窃盗の手口がかなり具体的です…(^^;A。
楽曲分析
「バンドプロデューサー5」の分析では、「サマー・ワイン」はAマイナー(イ短調)です。
歌唱に用いられている音階は自然的短音階です。
曲が進行するにつれて、だんだんと伴奏がにぎやかになって行く手法で編曲されています。この手法は1967年の作品に多くみられます。
曲情報
1967年 年間27位(洋楽・邦楽ポピュラー)
レコード
発売元:日本ビクター株式会社
レーベル:リプリーズ・レコード
品番:JET-1781
*ナンシーとリーヘイズルウッドのデュエット・ヒット2曲
A面
「サマー・ワイン」
原題:SUMMER WINE
B面
「さすらいの男」
原題:SAND
参考資料
「サマー・ワイン」レコードジャケット
「007は二度死ぬ」レコードジャケット
『レコードマンスリー』月刊ミュジック社
『永遠のポップス①』全音楽譜出版社
「バンドプロデューサー5」