流行時期(いつ流行った?)
マッシュマッカーンさんの「霧の中の二人」は、1970年から1971年にかけて、年をまたいでヒットしています。
『レコードマンスリー』の月間ランキングによると、10月下旬に発売されたレコードは、11月から翌年2月にかけてヒットしています。
<『レコードマンスリー』洋楽・月間ランキング推移>
年月 | 順位 |
昭和45年11月 | 5位 |
昭和45年12月 | 3位 |
昭和46年01月 | 1位 |
昭和46年02月 | 3位 |
昭和46年03月 | 16位 |
注)ライセンス SME(Columbia の代理); BMI - Broadcast Music Inc., SOLAR Music Rights Management, Sony Music Publishing, CMRRA, LatinAutorPerf, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA - UBEM、その他 6 件の楽曲著作権管理団体の動画
インパクトのある"つかみのイントロ"
日本では無名のマッシュマッカーンさんですが、「霧の中の二人」は人気に火が付く速さを感じます。
おそらく、イントロが聴き手を曲の世界に引き込む魅力を備えているからだと感じます。
翌年のルー・クリスティさんの「魔法」(1971年)も曲が始まった途端に夢中になれるタイプの作品と思います。
ミッシェル・ポルナレフさんの「シェリーに口づけ」(1971年)にも近いものを感じます。
男性ボーカルの作品で目立ちますね。当時この手法が流行していたのでしょうか。
冒頭のオルガン演奏をカットして発売?
動画を探していて気づいたのですが、本当はこの曲にはオルガンのみの演奏が10秒ちょっと存在していたのですね。
下記動画の音源が本当の「As The Years Go By」のようです。
注)MASHMAKHAN - トピックの動画
言われてみれば納得します。たしかに「霧の中の二人」は始まり方が突然すぎて、なんとなく不自然な印象を持っていました。
もしかして日本の洋楽レーベルは、わざと冒頭の演奏をカットして「霧の中の二人」として発売したのでしょうか。
マッシュマッカーンさんには大変申し訳ありませんが、確かにオルガン前奏が残ったまま発売されていたとすれば、日本で人気を得る可能性は低かったのでは?と感じます。
かなり実験的な試みの音楽表現と思います。
ヒットチャートに登場する作品は、どちらかというと"難しい事を考えずに聴いていて楽しめる音楽"。突然曲調が変わってしまうとその時点で付いていけない気持ちが生まれます。
カットしたのは意図的か勘違いか・・・
不思議な事に「霧の中の二人」の歌詞カードの曲紹介欄には、カットされたオルガンについての感想が書かれています。
「オルガンのイントロは大好きだ。」で曲紹介が始まっています(>_<)。
おそらく原盤を聴いて解説を書かれたのだと思いますが、意図的に消したのなら、曲紹介も訂正しておかないと・・・。
もしかしたら原盤を作る担当者が前衛的な音楽表現を理解できずに、「別の曲が入っているじゃないか!」と勘違いしてカットした可能性も生まれてきます。
可能性はかなり低いと思いますが、きちんとマッシュマッカーンさんに許可を得て実行されたのだろう、と気持ちを納得させておきます。
参考資料
「霧の中の二人」レコードジャケット
『レコードマンスリー』日本レコード振興株式会社