ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「愛が止まらない~Turn it into love~」Wink(平成元年)

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流行時期(いつ流行った?)

 Winkさんの「愛が止まらない~Turn it into love~」は、平成元年(1989年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると、昭和63年11月に発売された作品は、12月最後の週から、翌年の4月中旬にかけてヒットしています。

 1月末から2月中旬に、上位にランクインしているため、この時期が最も流行ったと推測されます。

 

 

 私が持っているのはレコードですが、「愛が止まらない」はCDシングルでも発売されています。

 カセットテープの事情は良く分かりませんが、平成元年になるとレコードよりも、CDの購買層が主流になっていると思われます。

 1988、89年頃に発売されたレコードは、やや高めのプレミア価格が付いておりますので(>_<)。

 

 

同時期に流行った曲(平成元年1月末~2月中旬)

 この作品も首位を獲得していますが、他には、工藤静香さんの「恋一夜」長渕剛さんの「激愛」が首位となっています。

 

 長渕剛さんは「とんぼ」もヒットしている時期で、BARBEE BOYS(バービーボーイズ)さんの「目を閉じておいでよ」THE BLUE HEARTSさんの「TRAIN-TRAIN」などがヒットしています。

 

 アルバムでは、バービーボーイズさんに加えて、BUCK-TICKさんやハウンド・ドッグさんの作品も首位を獲得しています。

 世の中の流行は、グループの作品、バンドの作品が主流になっている時代と考えられます。

 

 


愛が止まらない ~Turn it Into Love~ / Wink【Official Music Video】

注)Wink 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

少し遅れて登場した洋楽の日本語カバー

 女性が歌う洋楽の日本語カバー曲。この音楽表現が目立つのは、昭和60年代初めです。

 ドラマ主題歌で人気となった、石井明美さんの「CHA-CHA-CHA」森川由加里さんの「SHOW ME」荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー」等、1986、87年に支持されたジャンルです。

 

【1980年代後半にヒットした主な洋楽日本語カバー曲】

曲名 歌手名 流行した年
ヒーロー 麻倉未稀 1985
ダンシング・ヒーロー 荻野目洋子 1986
今夜はANGEL 椎名恵 1986
CHA-CHA-CHA 石井明美 1986
ヴィーナス 長山洋子 1986
ハートは戻らない 早見優 1987
SHOW ME 森川由加里 1987
百万本のバラ 加藤登紀子 1987

 

 加藤登紀子さんの「百万本のバラ」は異色の作品と感じますが、 全て“女性が歌った作品”という共通点は興味深いです。

 

 また、「哀愁のカサブランカ」(1982年)や「雨音はショパンの調べ」(1984年)のように、オリジナルの洋楽盤がヒットしていない点も不思議な特徴です。

 

 1980年代後期はシンセサイザーが進化して、日本語カバー盤が原曲の個性を損なわないくらい完成度が高くなったのか、日本人向けの編曲が活きているのかは分かりません。

 

 

表情が少ない2人組

 この洋楽カバーの流行した時期から2年後にWinkさんがヒットチャートに登場します。

 「愛が止まらない」をきっかけに人気を集めて、次々とヒットを記録していますので、作品よりも歌手に支持が集まったと考えられます。

 

 私はまだ幼かったので当時の記憶は全くありませんが、プロモーションビデオを見ても、表情が少ないお二人が歌う姿は個性的な印象を受けます。

 レコード会社がキャラクター作りをしたのだと思いますが、面白いのはクールなカッコよさを感じない点です。

 

 80年代後半の洋楽カバー作品は、どちらかというと気の強い女性が主人公のような内容が多く、歌っている方もはっきりと発声している印象を受けます。

 反対にWinkさんの場合は、歌唱に声の細さを感じるため、か弱い印象を受けます。お一人では声量が足りないから2人組のグループになったのかな?と考えたりもします。

 

 作品を雰囲気で聴いていると、繊細な女性像を想像してしまいます。しかし、歌詞では恋心の激しい葛藤が描かれていて、歌っているWinkさんの姿との温度差も面白いです。

 

 

楽曲分析

 「愛が止まらない」はC♯マイナー(嬰ハ短調)です。音階は自然的短音階です。間奏で旋律的短音階になっている部分があります。

 

 音域は1オクターブ以内で、音階を一段ずつ上ったり下りたりするメロディラインのため、それほど歌唱力が必要な作品ではないように推測されます。

 

 ベースの刻むリズムにも変化はなく、最初から最後まで同じ調子で、切ない雰囲気が表現され続けています。

 なぜか何度聴いても飽きない作品です。

 

 

曲情報

 発売:株式会社ポリスター

 品番:D07R-1018

 

 A面

  「愛が止まらない~Turn it into love~」

  作詞・作曲:STOCK/AITKEN/WATERMAN

  日本語詞:及川眠子

  編曲:船山基紀

  演奏時間:3分29秒

 

  フジテレビ系ドラマ「追いかけたいの!」主題歌

 

 B面

  「DING DING~恋から始まるふたりのトレイン~」

  作詞・作曲:LASSE ANDERSSON/BRUNO GLENMARK

  日本語詞:及川眠子

  編曲:船山基紀

   演奏時間:2分29秒

 

 

参考資料

 「愛が止まらない~Turn it into love~」レコードジャケット

 「you大樹」オリコン

 『全音歌謡曲大全集7』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」