ヒット曲けんきゅうしつ

流行した音楽を探して、色々考えるブログ

「FUNK FUJIYAMA」米米CLUB(平成元年)

f:id:hitchartjapan:20191104160847j:plain

「FUNK FUJIYAMA」米米CLUB

流行時期(いつ流行った?)

 米米CLUBさんの「FUNK FUJIYAMA」は、平成元年(1989年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると、10月下旬に発売されたCDは発売と同時にチャートインしており、11月末にかけてヒットしています。

 

 

同時期に流行った曲(平成元年10月下旬~11月末)

 この作品がヒットしていた頃、リバイバルブームと呼ばれる過去のヒット曲を歌い直した作品がヒットする現象が続いています。

 

 この時期では小泉今日子さんの「学園天国」がヒットしています。同じ流れかどうかは分かりませんが、レイ・チャールズさんが英語で歌う「エリー・マイ・ラブ~いとしのエリー」もヒットしています。

 

 

 Winkさんの「One Night In Heaven~真夜中のエンジェル~」が首位となっています。

  他には、工藤静香さんの「黄砂にふかれて」竹内まりやさんの「シングル・アゲイン」がヒットしています。 

 山下達郎さんの「クリスマス・イブ」もヒットし始めている時期です。

 

 

※「FUNK FUJIYAMA」は、公式認定されている動画は見当たりませんでした。ソニー・ミュージック・エンタテイメントさんの公式ページで、低画質・低音質の一部分を切り取った動画が公開されています。

 リンク先:https://www.komekomeclub.net/artist/Komekome/video/5014

 

 

好景気で勢いに乗っていた日本?

 「FUNK FUJIYAMA」は、日本の事をほとんど知らない外国人観光客が主人公です。

 

 歌詞で登場する主人公が、どれくらい日本通なのかは分かりません。当時、世界で知られていたであろう数少ない日本語だけを頼りに観光に来る姿を、迎える側の日本人にとっては、ユーモアを感じさせる存在として描いています。

 

 主人公の観光客は、そういう風に見られている事に何の気負いもせず、最後まで表面的な知識だけで通り過ぎていくように描かれています。

 

 

 当時の日本がバブル景気だったかどうかは分かりませんが、この作品を聴くと、昨今のインバウンドと呼ばれる外国人観光客の勢いではなく、当時の日本人が自信にあふれていて心に余裕があったのかな?と感じます(^_^;A。

 

 

 日本とやりとりをする外国人が登場する作品には、少し遅れて、リゲインのCMソング「勇気のしるし~リゲインのテーマ~」があります。

 セリフ部分で登場しますが、こちらでも、勢いだけで突っ走る日本人の営業担当に商談で気圧される外国人像が描かれています。

 

 どちらも現実に起こりえる話だったのかどうかは不明ですが、潜在的に“日本は世界的に見ても優位だ”、という価値観が共通して感じられます。

 

 

海外から見た日本のイメージ

 「FUNK FUJIYAMA」でも用いられていますが、“神風”や“切腹”という日本語は恐ろしい言葉です。作品ではおどけた表現をされていますが、今の世の中で同じ事をしたら厳しい批判を受けそうです(^_^;A。

 

 しかし調べていますと“過労死”という言葉も、どうやら世界で通用する日本語のようです。

 所属する組織に自らの命を捧げてしまう悲しい行為が、現在も日本人の国民性として捉えられているようです(>_<)。

 

 その他の日本人の国民性を象徴する言葉以外で目に付くのは、やはり食文化です。寿司、天ぷらは人気のようです。

 また、“もったいない”はどれだけ広まっているかは不明ですが、アニメの人気もあり、「FUNK FUJIYAMA」の頃には無かった新たな世界共通の日本語が生まれているようです。

 

 

おどけた表現をする作品

 「FUNK FUJIYAMA」は、米米CLUBさんのエンターテイメント性を重視する姿勢が感じられる作品です。外国人観光客が主人公、…普通のアーティストなら取り上げないテーマです。

 

 しかし、この作品で感じられるおどけた表現、言葉を変えると、ふざけたような表現が支持されるのは、この時期特有の現象です。

 

 翌年には『ちびまる子ちゃん』の主題歌「おどるポンポコリン」がヒットし、その翌年には「替え唄メドレー」がヒットしたりしています。

 

 ユーモアがある歌詞は、聴き手にとっては心の余裕を感じさせてくれます。この傾向は平成4年(1992年)頃まで、続いているように感じます。

 真面目と冗談が混じった平松愛理さんの「部屋とYシャツと私」がこの時代の雰囲気を感じる最後の作品でしょうか。

 

 

 高度経済成長期の1960年代前半に、植木等さんがボーカルのハナ肇とクレージー・キャッツさんがコミカルな作品を歌って人気となっていましたが、その音楽表現に通じる空気を感じます。

 

 流行歌の世界で、ユーモアを備えた作品が立て続けにヒットしたのは、この時代だけだと感じます。

 当時の世の中には、心の余裕を感じさせる空気が存在していたのかな?と考えたりします。

 

 

楽曲分析

 「FUNK FUJIYAMA」はCマイナー(ハ短調)です。音階は、耳に残りやすい26抜き短音階になっています。部分的に2の音が用いられています。

 

 ベースで何度も繰り返されるメロディが耳にこびりつきますが、ふざけ具合もちょうど良く、楽しそうに歌うボーカルが印象に残って、ついつい聴きたくなってしまう作品です(^_^;。

 

 楽譜を見ると、コードがCmのみになっています。部分的にクリシェの進行で記載されてはいますが、「採譜者の手抜きか?」と感じてしまうくらいです。

 歌詞だけではなく、音楽面でも、良い意味で人を食ったような作品と感じます。

 

 

曲情報

 発売:CBSソニーレコード株式会社

 品番:CSDL-3011

 

 A面

  「FUNK FUJIYAMA」

  Written by Kome Kome Club

  Produced & Arranged by Hagiwara Kenta & Kome Kome Club

  演奏時間:5分37秒

 

  ソニー・マルチディスクプレイヤーCMソング

 

 

 B面

  「GO FUNK」

  Written by Kome Kome Club

  Produced & Arranged by Hagiwara Kenta & Kome Kome Club

  演奏時間:4分56秒

 

 

 

参考資料

 「FUNK FUJIYAMA」CDジャケット

 「you大樹」オリコン

 『全音歌謡曲大全集7』全音楽譜出版社

 「バンドプロデューサー5」