ヒット曲けんきゅうしつ

なぜヒットする?は証明できないと思います。誤字はちょっとずつ修正します。

「プロポーズ」純烈(平成30年)

流行時期(いつ流行った?)

 純烈さんの「プロポーズ」は、平成30年(2018年)にヒットしました。

 

 オリコンランキングによると2月中旬に発売されたCDシングルは、発売と当時に最高順位を記録しています。

 

 9月中旬に再び順位を上げますが、感謝盤~紅~、感謝盤~白~が発売された事がきっかけと思います。

 

 私はこの年の紅白歌合戦に出場が決定した11月末に純烈さんの存在を知りました。「まさか2010年代後半に歌謡グループが人気になるなんて!」と大きな衝撃を受けていました・・・(^^;A。

 

 


www.youtube.com

注)純烈じゃ〜TV 公式アーティストチャンネルの動画

 

 

プロポーズをマイナーで

 「プロポーズ」で描かれる心理はタイトル通り、「この人とこれからの人生を共に歩んで行きたい」と決断し結婚を申し込む場面、主人公が未来に希望を持つ前向きな心理が描かれています。

 

 しかし、"音の響きが悲しさを感じる短調(マイナー)"がメインと感じます。(シュワシュワあたりは並行調の長調(メジャー)に転調していると感じます。)

 

 プロポーズを題材にした作品なのに、マイナーな曲調で表現している事は面白いと感じます。

 

 ブライダルソングというと「Lifetime Lispect」(2001年)や「明日への扉」(2003年)が思い付く世代ですが、この主題はどの世代でも『長調(メジャー)で表現するのが当たり前』という価値観を裏切っていると思います。

 

 歌詞で相手の気持ちが描かれていないので、プロポーズを受け入れてくれるかどうか不安な気持ちを音楽で表現されたのでしょうか。

 

 

夜、酒は登場しないムード歌謡

 1960年代末に確立されたムード歌謡、歌謡コーラスのスタイルを踏襲されていますが、当時のヒット曲では「プロポーズ」のような未来志向の心情は描かれていません。

 

 どちらかというと真逆で黒沢明とロス・プリモスさんや内山田洋とクールファイブさんのヒット曲で描かれる、都会の盛り場で叶わない恋に傷つき、お酒で気持ちを紛らわせる後ろ向きな心理が目立ちます。

 

 前向きな心理を描いたのは鶴岡雅義と東京ロマンチカさんの「小樽のひとよ」(1968年)だけではないか?と思います。(そう考えると「プロポーズ」は後日談的な主題と感じますね。)

 

 1967年~1970年代前半にかけて流行したムード歌謡、他に思いつくのは「思案橋ブルース」「おんな占い」「宗衛門町ブルース」・・・少し遅れて登場した敏いとうとハッピー&ブルーさん。

 

 "ムード歌謡=悲しい気持ち"という感覚を持っていると、純烈さんの作品に違和感を覚えるかも知れませんが、ムード歌謡全盛期に描かなかった心情を題材にしている事に新しさを感じます。

 

 歌謡曲を継承されるアーティストはとても少ないので、今後のご活躍に期待しています。

 

 

参考資料

 「プロポーズ」CDジャケット

 「you大樹」オリコン