流行時期(いつ流行った?)
ザ・サベージさんの「いつまでもいつまでも」は昭和41年(1966年)にヒットしました。
『ミュージックマンスリー』のランキングによると、8、9月に2ヶ月連続で1位を獲得されるほどの大ヒットとなっています。
集計日付 | 順位 |
昭和41年7月 | 5位 |
昭和41年8月 | 1位 |
昭和41年9月 | 1位 |
昭和41年10月 | 7位 |
昭和41年11月 | 不明 |
昭和41年12月 | 不明 |
昭和41年11月と12月は、『ミュージックマンスリー』から『レコードマンスリー』に移行した時期で、ランキングが掲載されていないため、順位は分かりません。
しかし、2ヶ月間首位を獲得した作品が、7位から急に20位圏外に下がる事も無いと思いますので、11月もランクインしていたと思われます。
ザ・サベージさんには、15年後の昭和56年に「ルビーの指環」がヒットする事になる、寺尾聰さんが所属されておられます。
素朴なフォークソング作品
正直な感想を申し上げますと、「いつまでもいつまでも」はそんな大ヒットする作品かな?と感じる作品です。
21世紀の現在となっては、この作品に目新しさを感じる事がありません。歌詞やメロディも特徴的な箇所はありません。反対に、若者が作詞作曲した素朴な気持ちを表現した音楽、という個性を感じます。
ザ・サベージさんは、数あるグループ・サウンズのうちの1つのグループとして分類されています。しかし「いつまでもいつまでも」は、エレキギターを用いた作品ながら、ロックらしさが感じられない作品です。
音楽性で考えると、どちらかと言うと同時期に支持を集め始めたフォークソングに分類される作品であると感じます。
「ノー・ノー・ボーイ」や「バラが咲いた」、「青い瞳」に続いて、洋楽盤のランキングに登場した邦楽盤「いつまでもいつまでも」は、当時は「バラが咲いた」に続くフォークソング作品として支持されたのではないか?と感じます。
レコードジャケットの宣伝文句には「若さあふれる話題のニュー・グループ、ザ・サベージのフォーク流行歌(ポップス)!」と印刷されています。レコード会社もフォークで進む戦略だったようです。
また解説によると、ザ・サベージというグループ名は野蛮人の意味だそうです。・・・「いつまでもいつまでも」は、グループ名の由来であるワイルドさは全く感じないフォークソングとなっています。
グループ・サウンズ初期はフォークソング
昭和41年6月のビートルズさん来日公演をきっかけに、多くの若者がバンドを組むようになりました。そして吹き込んだレコードがヒットする現象も起き、この期間の流行はグループ・サウンズブーム、Group Soundsの頭文字をとってGSブームと呼ばれています。
これをバンドブームと定義しない理由は、フォーク、ロック、アイドル、歌謡曲と、様々な印象を感じる作品が登場したからだと推測されます。
目指した音楽性が多様過ぎる事に加えて、「歌手といえばソロで歌うものだった時代に、若者グループが発売した様々なレコードが売れた事」も従来の価値観とは異なるため、グループによる音楽が強調されたのかも知れません。
バンドプロデューサーの分析では、「いつまでもいつまでも」はDメジャー(ニ長調)です。
曲情報
発売元:日本ビクター株式会社
品番:SFL-1058
A面
「いつまでもいつまでも」
作詞:佐々木 勉
作曲:佐々木 勉
編曲:林 一
B面
「恋の散歩道」
作詞:寺尾 聰
作曲:寺尾 聰
編曲:林 一
参考資料
「いつまでもいつまでも」レコードジャケット
『ミュージックマンスリー』月刊ミュジック社